第十話 逃走中 上海まで逃げ切れ 逃げたところで船はねえけどな
さて──
「逃げるが勝ち」とは誰が言った言葉なのか。
でも俺は言いたい。
逃げても勝てないけどな(真理)
というわけで、川に見えない海を下って移動中。
馬より楽だしね。主に尻のダメコンが。
それにさ、日本の寺だと移動は馬じゃなくて牛なんだよねえ。
なんでだろね。
まあ、牛さん乗ったことねえけどなwww
そして川下りで一か月。
いやまあ、一日中移動じゃないけどさ。
距離感バグってるよね。
あとさ、川に海賊出るなよなwww
海にお帰りって(必死)
死ぬかと思ったわ。
なんつーか、必死こいて逃げてたような気がしないでもないんだが、
追って来なかったね。
追っ手を出すまでもなかったのか、
必要がなかったのか、
出せなかったのかわからんから不気味ではあるんだがー。
まあ、知ったところでって話だしな。
この話やめやめ。
──たどりついた、しゃんはい~~。
……と思ったら微妙に違ぇえのな。
なんか上海ってまだ都市になってないらしいね。
知らんけどさ。
でさー、追ってもないし、
じゃあのんびり帰るべーってなってたんだが──
船がねえええええ!
いや、船はあるんだが、許可がねえええ!
それはそうよな。
だって俺ら、20年の留学って届け出てチャイチャイにいるんだしよおおお。
誰だよ20年とかやったの。
おれだあああ。
「20年じゃなくて2年の書き間違いです」
とかダメかなぁ。
ダメだったわ。
んでさー、帰れねーつーか、許可出ねーからさー、
ちょおおおおっと米相場で金策してさあ。
欲しい本とか買いまくってたらさー、
なんか土木の知識とか薬学の本とかあったんだけどさ。
ぶっちゃけ筆ちゃんのが詳しいし間違いないし、
微妙すぎたんだよね。
さす筆ちゃん。
したらさー、その書物に訂正とか入れてたんだよね。
ほら、他人の書き込みにダメ出しコメとか最高じゃん。
──それ、見られました。現地人に。
Q. 俺のプライベートどこ?
A. そこになければないですね。
そしたらさー、現地の知識人が
「教えろ教えろー!」
ってさー、うるせーっての。
そんなこんなやってたらさ、
なんかジャパニーズ偉い人が来てさ、
「オー、コレハ カミノミチビキデース」
って言って、
「20年の予定でしたが、お金ないので帰ります」
って送ったら──
許可おりたー。
あれだなこれ。
ぜってー中身見てないよな。
立場だけで物事判断してるわ。
世の中クソだな。
まあ、なにはともあれ──
さらばチャイチャイよ。
また逢う日まで。
会いたかねーけどなあああ。
第十話
逃走中 上海まで逃げ切れ 逃げたところで船はねえけどな
おわり
Q 最初に日本とチャイチャイをつないだ船は?
A 泳いだ人
次回 第十一話
遭難しました そうなんですか?
お寺どこですか そこになければないですね




