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助けを呼べば守ってくれる! ──正義のヒーロー雨宿りーマン

作者: なにわK子
掲載日:2025/12/30

 会社帰りに、あたしはそいつと出会ってもーた。


「うひゃひゃひゃひゃ! 会社から直帰はさせへんでぇ〜っ!」


 あかん……。怪人『ゲリラゴーウ』や……。いきなり猛烈な雨降らして、徒歩とほで帰宅するもんを途方とほーに暮れさす……いやダジャレやないで?


「女! どーせ帰りに頓堀トンボリの立ち呑み屋で一杯やって帰ろ思うてたんやろ? そうはさせるかいな!」


 なんてイケズな怪人なんや……。

 OLのささやかな楽しみ、邪魔すんなや!

 このまま走って難波のアーケード街に駆け込もうか思たけど、地面に圧しつける勢いの雨に負けて、地べたに手をつき倒れてもうた。


 こないな時はアイツを呼ぶのが一番や!


「助けて! 雨宿りーマン!」


「はいなーっ!」

 昭和のサラリーマンみたいなアイツが飛び出した。

「ワテがなにわの雨宿りーマンでっせぇっ!」


 雨宿りーマンはまるで潰れたタバコ屋の軒下みたいに展開し、あたしを守ってくれた。


「ククク……。いつまでもつかな?」

 ゲリラゴーウがさらに雨を強くしよる。

「ワイの雨があんさんの軒をへし折るか、あんさんの軒が令和の時代までもつか──勝負や!」


「フンッ! ワテの防御力を舐めたらあきまへんで!」

 雨宿りーマンはあたしを守って吠えた。

「必殺! 超大型軒下!」


 軒が伸びて、広がって、あたしを少しも濡らさんよう、守ってくれる。


 頼り甲斐あるわー……


 そない思てたけど──


 いつまでも戦いは終わらんやった。


 あたしはハナクソをほじりはじめながら、ツッコんだった。


「なんやアンタ、守るだけかいな。攻撃はどないしてん? 攻撃こそ最強の防御とか言うやろ」


「ワテには守ることしかでけへん!」

 力を込めて、雨宿りーマンは言うた。

「姉さんを意地でも守り抜きまっせぇっ!」


「フハハハ! ワイの雨足が弱くなるのを待っとんのやな?」

 ゲリラゴーウの元気さが衰えへん。

「甘いわ! ワイの生き甲斐は庶民のささやかな幸せを邪魔することなんや! ワイの寂しさ、思い知れ!」


 あたしはスマホを取り出すと、芦澤に電話した。


「──あ、芦澤ー? 悪いねんけど今すぐクルマで迎えに来てー? うんうん、ゲリラゴーウに出会ってもて、帰られへんねーん」




 迎えに来てくれた芦澤の赤いデミオに乗って、あたしはその場を離れた。


 雨宿りーマンとゲリラゴーウはいつまでも戦っとった。


 どっちが勝ったんかは知らへん。


 どーでもええもんな。


「姉さん、災難やったな」


 優しくそう言うてくれる芦澤の横から抱きついたった。







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― 新着の感想 ―
雨宿りーマン……………。 そっか、リーマンなのか。サービス残業ご苦労さま。 ゲリダ豪雨じゃなくてよかったね。
芦澤……キミがヒーローだったか……。 (。-∀-) それでも ガンバレ雨宿りーマン!何故なら、まだ戦ってるかもしれないからだ雨宿りーマン!٩( 'ω' )و ゲリラなら、いつかは止みますよね……
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