嫉妬-16
コウキとナオは今、横浜のどぶ板街に来ていた。
「ここに殺し屋に繋がるものが?」
「ああ」と答えるコウキは少し歩き出しピタッと停まりナオの方を向いて「これから行く先でナオちゃんは警察官って言っちゃいけないから。俺の助手ってことにしといて」と前置きされる。
「は、はい」
ナオは意味も分からないまま取り敢えず了承し、歩き出した。
コウキは米軍の使用品を売買しているミリタリーショップへと入っていく。
店に入るや否やレジの店員に「ドレッドさん、居る?」と尋ねた。
店員は奥に引っ込み、目的の人物ドレッドを呼びに行く。
「ダレ?」片言の日本語を使いながら、ドレッドが姿を現した。
「よっ、ドレッドさん」コウキは陽気に挨拶すると「ヨォ、コウキジャナイカッ!」とコウキと硬い握手を交わす。
「コノカワイイコハ?」隣のナオについて説明を求めるドレッドに「助手」と答えるコウキ。
「Nice to meet you,」と流暢な英語で挨拶されナオは「な、ナイスチュミーチュー」と片言の英語で返事をする。
「ソレデ、キョウハナニ?」
「実はさ、黒ずくめの殺し屋知らないかなって思って」
「コロシヤネェ~」
「そう殺し屋。武器は拳銃」
「チョット、マッテテ」ドレッドは店の奥に引っこんでいった。
「コウキさん。あの人、何者なんです?」
「それは知らない方がいい」
理由を聞こうとも思ったが、コウキは答えるわけもない。
そんな時、紙を二枚持って戻ってきたドレッドは「コイツ、ジャナイカナ?」と紙をコウキに手渡す。
一枚目の紙には、外国人男性の顔写真。そして、簡素なプロフィールが書かれもう一枚の紙には手配書であった。
「有名人?」
「トテモネ」
「ありがとう。参考にさせてもらうよ」コウキはこっそりと渋沢栄一を2人、手渡して店を出た。




