嫉妬-10
「そんな顔するなよ。ナオちゃん」
コウキの発言の通り、ナオは眉をひそめじぃ~っと黒ずくめの男を見つめていた。
「そんな簡単に捕まるんですか?」
「やっぱり、そう思う?てか、思ったでしょ」
「はい」
「この人、コンカフェ嬢を襲ったらしいんだわ」
「はい?」ナオは思わず聞き返す。
「だから、コンカフェ嬢を襲ったんだって」
「何で?」
「それを今から説明してもらおうって訳」
コウキはそう言って、再び黒ずくめの男を小突く。
「で、どうなんですか?」ナオが問うと黒ずくめの男は口を開いた。
「い、依頼されて・・・・・・」
「依頼?誰に?」
「さ、さぁ?」
「分からないの」という言葉にうんと頷く黒ずくめの男。
「流行りの闇バイトか・・・・・・それで、その恰好は自前?」
「ち、違います。支給されたんです・・・・・・」
「支給?誰に?」
「それは・・・・・・言えません」
「言わないと逮捕できないじゃない?」ナオは説得してみようと試みて見る。
「・・・・・・」黒ずくめの男は答えることなく黙秘する。
「仕方ない」コウキは指をぽきぽき鳴らして、準備する。
「コウキさん。まさか?」
「そのまさかっ!」
黒ずくめの男目掛けて拳を振り下ろす。が、ナオが寸での所でそれを防いだ。
「ナオちゃん、何するの?」
「いくらなんでもやりすぎです」
「え~でも、太陽にほえろとか西部警察、あぶない刑事とかだと取り調べの犯人ボコボコにしてたよ。それで、自供取っていたし」
「なんですか?それ。暴力はダメですっ」
「え~」
「ほらっ、早く言わないといつ殴られるかも分からないわよ」
ナオのその一言に、黒ずくめの男はコウキを見てから「喋ります」と答えた。
「じゃ、聞かせてもらおう」
コウキは真向かいの席にドンッと腰を据えて黒ずくめの男の話に耳を傾けるのであった。




