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嫉妬-8
「本当、油断も隙もないんですから・・・・・・」
ナオは車を運転しながら、横でシュンとしているコウキを見る。
「そんな怒らなくても・・・・・・」
「怒りますよっ!」
怒りに任せて、ナオはハンドルをガっと叩いてみせる。それを見てコウキは委縮してしまう。
「で、でもさ、バイクの車種特定できる画像見つけたんだから・・・・・・」
「結果、オーライみたいな感じでしたけどね」
手柄は褒めてくれても良いじゃないか。コウキはそう思う。
「で、犯人の格好とか分かるんですか?」
「あ~分かる。分かる」
コウキは撮った静止画の写真を確認する。
「どんな恰好なんです?」
「どんな、う~ん」暫く考えた後、コウキは口を開いた。
「黒ずくめ」
「それだけですか?」
「う~ん。それだけ」
「はぁ~」ナオは呆れるようにため息をつく。
そんなナオにムカッとする。
「黒ずくめぇ~黒ずくめぇ~」気を紛らわすように変な歌を歌い出すコウキ。
「その歌何とかなりませんか?」
「何ともならない。犯人の顔が分からん限り」
「・・・・・・」
ナオは何も答えず車を黙々と走らせるのだった。




