爆炎-30
「どうしましたか?」そう言いながら、トランクに目を向けると小さいキャリケースに入った爆弾のタイマーが動いていた。
「どうしましたか?じゃないし、これ、どうしよう」
「爆弾処理班を呼びましょう」
「そんなの待ってられないな・・・・・・残り時間10分・・・・・・」
「私達で解体するしか」
「えっ!?」横で話を聞いていたタクシーの運転手がびっくりする。
「大丈夫です。そんなことしませんから」
コウキはそう言って、タクシー運転手を宥める。
「でも、どうするんですか?」
「そうさなぁ~運よく目の前は空き地だ。だから」コウキはそう言って、キャリケースのチャックを閉じてからトランクからキャリケースを降ろす。
「離れてっ!!」というので、タクシー運転手を引き連れてナオはコウキから距離を取る。
「ギムッ、ギルッ、ガンッ、ゴォ~、グフォー」と言いながらキャリケースを砲丸投げの要領で振り回し始め「ウィータァァァァァァァァァァァ!!!!」の掛け声と共に空き地に向かって投げ捨てる。
空き地に着陸したキャリケースは勢い良く吹っ飛んだ。
こうして、羽田空港爆破は未然に防がれた。
コウキとナオの活躍により、爆弾魔の勝浦と旭川の二人は逮捕された。
取り調べの結果、犯行動機は只の憂さ晴らしで爆破をしていたとのことであった。
オジの竹塚は政治犯で、本気でこの国を変えるために爆弾を使いテロを起こそうと画策していた。その手ごまとして選んだのが、勝浦と旭川のの二人であった。
だが、この二人はそんな崇高な意思とは別の事を考えており、結果、憂さ晴らしに爆弾を使われたというわけだ。
そんな話を聞かされたコウキの感想は・・・・・・
「あ、そ」という淡白なものであった。
「そんな感想ありますか?」
「だって、興味ないんだもん」
こいつに話すんじゃなかったと思うナオであった。
完




