爆炎-19
コウキに連れられ来たのは、渋谷駅のタクシー乗り場であった。
「ここで、見失ったんですよね?」
「Yeah」
コウキは停車しているタクシーの窓をコンコンっとノックする。
窓を開けながら、「何か?」と用件を尋ねてくる。
「すいません。昨晩、ここら辺走らせていたタクシーって今日はまだ走ってないですよね?」
「え? ああ、刑事さんか。そうだな。まだ、走ってないと思うよ。昨日は大変だったみたいだから」
「そうですか。何時頃だったら、話聞けますかね?」
「そうだな。夕方の16時ぐらいかな」
「分かりました。ありがとうございました」
コウキは礼を述べ、別のタクシー会社の運転手から聞き込みを開始する。
どれも夕方からしか話が聞けないというので、コウキとナオは渋谷駅近くの喫茶店へと入った。
「いや、にしても暑いねぇ~」
コウキはおっさんみたいにお手拭きで顔を拭く。
「そうですね・・・・・・」
吞気にお茶なんかして良いのだろうか、ナオはそう思っていた。
「あ、お茶していて大丈夫なんでしょうか?って言いたそうな顔してるね」
「そうです」
「タクシーの運転手から話が聞ければ、勝浦と旭川を追う手立てはあると思うんだけどな」
「だからって、お茶をして良い理由にはならないと思うんですけど」
「ま、そう言わずに気楽に行こう。根を詰めすぎると見失うものがあるさ」
コウキはそう言って、アイスコーヒーを飲むのだった。




