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暴動-5

「さ、拳銃を渡してください」


 バーから少し離れたコインパーキングでナオは、コウキに拳銃を出すように指示をする。


「いや、渡しても良いけど。CO2ガンだよ? おもちゃだよ。おもちゃ。それにこれじゃあ、渡したくても渡せないよ」


 コウキはそう言いながら、両手に掛けられた手錠を見せる。


「はいはい」仕方なく手錠を外すナオはさぁ、出せと言わんばかりに手を差し出す。


「おもちゃだよ。おもちゃ」


「分かってますから、出してください!」


「へい」


 コウキはため息をつきながら、拳銃を渡した。


「全く、もうっ」


「怒ることかね?」


「怒りますよ。危なっかしい物を持ち出して」


「危なくないもん。おもちゃだもん」


「しつこいです」と言うナオはギッと睨む。


「何でもありません・・・・・・」


「それで事件解決の話、聞けませんでしたよね? どうするんですか?」


「え? 聞けなかったって。とんでもない。女の子が言っていたじゃない。不審な男を絞め上げたって」


「まさか、その男が今回の事件の犯人だって言うんですか?」


「それは、分かんないけど。良い線はいっていると思うけどな」


「良い線って・・・・・・コウキさんは、その男が犯人だっていう根拠は何ですか?」


「下見してたんじゃない? 標的の」


「標的の下見って。確信犯って事ですか?」


「そうなるね」


「確信犯ですか・・・・・・」


「何? 確信犯じゃ不満?」


「そう言うわけではないですけど・・・・・・」


「じゃ、そう課長さんに伝えといて」


 そう言って、コウキは一人歩いていく。


「どこに行くんですか?」


「誰かに手錠を掛けられて、深く傷ついたから癒しに行くの。じゃ」


 コウキはこうして池袋の街へと消え、ナオもその日は捜査を切り上げて、家路に着くのだった。


 翌日、池袋にあるコウキの事務所を訪れたナオ。


 ドアをノックしても返事が返ってこなかった為、ドアノブを回すとガチャという音で開いている事が分かり中に入る。


「コウキさぁ~ん」そう呼びかけるが反応はない。


 部屋の中は整理整頓が行き届いており、綺麗だった。そして、ある部屋のドアに睡眠中開けるべからずの貼り紙がしてあった。


 ここだと思い、部屋の中に入ると全裸のコウキが布団の上で眠っていた。


「きゃぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


 思わぬものを見てしまったナオは手で目を覆いながら、大慌てでドアを閉めた。


 コウキもさすがの悲鳴で目を覚まし、ベッドから落っこちながら起床した。


「痛てててて」

 痛む顔を抑えながら、ドアを開けるとゴミ箱が飛んできた。寸での所でドアを閉めたので当たらずには済んだのだが、ドアからゴンっという嫌な音が響いた。


 コウキもそこで察したらしく、部屋の向こうに居るのが女性であるのでパンツとシャツを来てもう一度、出た。


「おはよう」


「お、おはようございます」というナオの目線は剃れている。


「パンツ履いているし、大丈夫だよ」


「ズボン、履いてください。変態っ!」と罵られる始末。


 仕方なく、部屋に戻りご消耗のズボンを履いて仕事部屋へと出る。


「ズボン履きました」


「コウキさん、今日来たのはですね」


「ああ、待って。仕事の話?」


「そうですけど」


「朝、一発目からそれはキツイわ」


「よしっ、近くに良い朝飯食わしてくれる所があるからそこに行こう」


 コウキの提案を受け、ナオは近くの喫茶店へと向かうのだった。

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