爆炎-5
コウキの証言だけで、捜査本部は動かなかった。
証拠がなさすぎるし、政治犯の仕業であるという見解で捜査本部は動くこととなった。
しかし、自分の可能性を捨てきれないコウキはというと。
「ふんふふっふん」と鼻歌を歌いながら、お台場を闊歩していた。
「コウキさん。私たちこんな事していて大丈夫なんですか?」
ナオは困ったような口ぶりでコウキの隣を歩く。
「俺みたいな地方出身者からすると、お台場って観光地なのよね」
「はぁ」
「そんで、東京に住むってなって観光しようとか思うけど住んでみて分かる人の多さに嫌気がさして観光しないんだよねぇ~」
「はぁ」
「で、こういった機会でもないと観光名所には来ないって訳」
「はぁ」
「さっきから、『はぁ』ばっかじゃん。何、不満なの?」
「はい。そうです」と素直に認めるナオ。
「言ってごらんなさい」コウキは腕を組みナオのご意見を伺おうという意気込みを見せる。
「言っちゃあなんですけど、大事件が起きたんですよ。死者も出ているんです。それを地方出身者は観光地に行かないとかクソどうでもいい話を聞かされるこっちの身になって欲しいですっ!!」
ナオはコウキに詰め寄る。コウキはその姿に気圧されたじろぐ。
「分かった。言うよ、何故、ここにいるのか」
「言ってごらんなさい」ナオは腕を組みコウキのご意見を伺おうと意気込みを見せる。
「俺は、例の女の手掛かりを求めてここに居るの」
「あの女達ですか?」
「そう。ということで、観光がてら探しに行きましょう。女の手掛かりを求めて」
「観光はしませんっ」
ナオはそう言いコウキの観光を防ぐように手を引いて捜査を開始するのだった。




