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暴動-4

 コウキとナオは東武で手土産を購入し、北口にあるSHOTというバーを訪れた。


 店の中に入ると、ボックス席に如何にもみたいな感じのお兄さんとお姉さんが屯していた。


「いらっしゃい」とマスターが挨拶をし、取り敢えずカウンター席に着くコウキとナオ。


「バーボン、こっちにはミルク」とナオが飲むものまで注文するコウキに後ろから「」ミルクだってよ」と小馬鹿にした声が聞こえてきた。


「ちょっと、バカにされてるみたいなんですけど?」と小声でコウキに話しかけるナオを他所に注文した品が出てきた。


「ははっ、ホントに飲むみたいだぜ」


「ウケる」


「笑われてますけど?」


「あ、そう。言うてやれよ。お前さん方の方がミルクお似合いだよって」


「うんだとぉ~」と一人の男が突っかかってきた。


「ほらっ、もう釣れた」


 出された乾きもののピーナッツを男の顔にピシッと当てるコウキ。


「何すんだぁぁぁぁぁ!!」コウキに突っかかってくるので、コウキは華麗に躱し男はカウンターにぶつかる。


「痛そう」コウキは憐れんだ目で男を見る。


「やっちまえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」


 リーダーらしき人物の号令と共に、男女が一斉に襲い掛かって来る。


 コウキは来るものをちぎっては投げ、ちぎっては投げ半グレ連中を倒していくが、ナオは苦戦していた。


「ったく、しょうがねぇなぁ!」コウキはナオに覆いかぶさる男を蹴飛ばして引き剝がす。


「あ、ありがとうございます」礼をいう間もなくまた襲い掛かってくる。


「しつこいな」コウキはうんざりした顔でナオに襲い掛かる男を蹴飛ばして吹っ飛ばす。


「クソぉ~」リーダーらしき人物が懐から折り畳みナイフを取り出し、コウキに向ける。


 コウキは近くにあった酒瓶を投げ懐からコルトMK.Ⅳ SERIES80を出し、酒瓶を撃ちぬく。


 その瞬間、男はナイフをすぐに落とす。


「やっぱ刃物には飛び道具でしょ」


 その瞬間、ガチャっとコウキの手錠がかけられる。


「え?」


「え? じゃありません。銃刀法違反。立派な犯罪ですっ」


「今ぁ~」


「現行犯です」


「それより、彼ら彼ら」話を逸らせようと、呆然とするリーダーらしき人物を指さすコウキ。


「え?」


「いや、え? じゃなくて。彼らから話を聞かないと」


「分かりました。じゃ、ここで大人しくしてください」


 カウンター席の背もたれに手錠を繋ぎ、リーダーらしき人物に声を掛けた。


「ねぇ、殺された貴方達のリーダーについて聞きたいんだけど?」


「はぁ?」


「はぁ? じゃなくて答えなさい。殺された心当たりは?」


「ねぇよ」


「銃殺されたのよ。何か心当たりぐらいあるでしょう?」


「知らねぇ、近頃は抗争なんてものはしてねぇし。なぁ、あんた、刑事なのか?」


「そうよ。こっちは探偵」とコウキを指さすナオ。


 コウキは恥ずかしそうにどうもみたいな面をする。


「ねぇ、この前の男じゃない」女が口を開いた。


「男?」


「あ、うん。陰キャみたいな男がこっちを嫌な目で見ていたことがあったんだよね」


「それはいつの事?」


「一か月前かな? そんでさ、その時にそいつを絞めたんだよねぇ~」


「そんな事がねぇ~」コウキはしみじみとした感じで言う。


「早く犯人を見つけてくれよ」


「そのつもりよ。じゃ、行きましょう」手錠を繋がれたコウキを引き連れて店を出た。


 店を出る前にコウキは、持ってきた手土産を指差して「飲んでくれよな」と言いつけ去っていった。


「何、これ?」


 女が封を開けると、中には高級牛乳が入っていた。


「あいつぅ~ 今度、会った時は覚えてろよ・・・・・・」リーダーらしき人物は怒りに震えるのだった。

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