見映-21
喫茶店にコウキはその身を置いていた。
「吞気に珈琲なんか飲んでいて大丈夫何ですか?」
ナオは不服そうに珈琲に口を付ける。
「そう言いながら、珈琲飲んでるじゃない」コウキはクリームソーダを飲む。
「それで、聞きたいことが聞けた件なんですけど」
「ああ、あれね」
「あれね。じゃなくて、教えてください」
「へいへい。彼女言っていたじゃない。彼を尊敬し、慕っていたってさ」
「それが何か?」
「いや、それが殺した原因でしょ」
「は?」
「は?って酷いなぁ~でも、これが殺害の動機だと思うぞ」
「その根拠は?」
「根拠は、俺が見た男女の仲だな」
「は?」再びの「は?」である。
「俺、そういう男女の仲って奴には結構、自身あるのよ」
「そんな自身、求めてません」
「え~」
コウキはショックを受けるのだった。
翌日、コウキとナオはクレイトを訪れた。
クレイトは社長の呉井が逮捕され、廃業の準備をしていた。
そして、いそいそと自分の荷物を段ボールに詰める山戸の姿があった。
「どうも」
コウキは吞気な様子で声を掛ける。
「アタミさん。じゃなくて、え~っと」
「サジです。サジコウキ」
「ああ、サジさん。それで今日は?」
「今日はですね。ちょっとした面白い話をしに来ました」
「面白い話、ですか?」
「ちょっと、コウキさん」ナオはコウキを引っ張って、連れていく。
「何、面白い話しようとしているんですか?」
「ダメ?」
「ダメですっ」
「そんな怒る事ないじゃない。それに、ほらっ」
コウキが視線を向けると、山戸が不思議そうにこちらを見ていた。
「ほらっ、こっち見てるし」
そう言いくるめて、コウキは山戸の元へと戻った。
「すいません。あ、作業しながらで良いので聞いてください」
コウキはそう言い放ち、話し始めた。
「ある事件がありましてね」
「ある事件?」
そう言いながら、荷物を纏めるのを再開する山戸。
「はい。それが男女間の揉め事gは原因で、男が殺されるんです」
「・・・・・・」何も反応せず、山戸は黙々と作業を続ける。
「ここからが面白い所でしてね。警察は一切、女に目をくれず別に犯人がいるのではないかってことで皆目見当違いな捜査をするんです」
「へぇ~」
「そんで、その女はのおのおと仕事をして普通に暮らすんですよ。警察の目が自分の方に向いていないことを良いことに」
「そ、そうなんですね」
「でも、その女が殺したって言う証拠はないんですよ。凄いでしょ?」
「・・・・・・」
「凄くないですか?」もう一度、聞くコウキ。
「凄いですね」
「良かった。同じことを言ってもらって」
「コウキさん」埒が明かないのでナオが本題を切り出そうとするので、コウキはそれを手で制す。
「でね、道祖さんを殺したの。あなたですよね?山戸さん」
コウキは自分の口から本題を切り出したのだ。




