見映-19
「コウキさんっ」ナオは注意するが、コウキはそんなのお構いなしで話を続ける。
「あの俺の顔に見覚えありませんか?」
「うん?」呉井は眉をひそめて、コウキの顔をじぃ~っと見る。そして、「あ、お前は!?」と気づいたようだった。
「やっと、出会えましたね」
「まさか!」呉井は周囲を見回し、警戒する。
「大丈夫ですよ。仲間はいませんから」
コウキのその一言に、胸をなでおろす呉井。
「ということは、こっちのターンだな」
呉井はパンっパンっと手を叩く。
セダンから数人の人間が降車してくる。
「またこの展開ぃ~」ナオはうんざりした顔になる。
「良いじゃない。楽しいから」
コウキはそう言って、コルトMK.Ⅳ SERIES80を取り出して立ち向かいに行くのだった。
コウキとナオの大活躍により、呉井は逮捕された。
そして、二人は今、呉井の取り調べを行っていた。
「響生さん、道祖さんをどうして殺したんです?」
ナオは一番の疑問を質問した。
「響生は俺を脅してきたからな・・・・・・」
「道祖さんは?」コウキが聞くと首を横に振り、否定する。
「じゃ、誰が殺したって言うんですか?」
「知らないよ」
「そうか・・・・・・違うのか・・・・・・」
「コウキさん。何、納得してるんですか」
「いや、気になっていたんだけど」
「気になっていた?」
「あのさ、殺し方が違いすぎるじゃない。道祖さんと響生さん」
「警察はバカなんだな・・・・・・」呉井はやれやれといった顔をする。
「バカですいません」ナオは素直に謝ると「謝っちゃダメでしょ」とコウキはツッコミを入れる。
「すいません」
「道祖さんが殺される心当たりは?」
「さぁ?」と首を窄める呉井。
「ふざけてるの?」
「ふざけてなんかないよ」
「俺もそう思う」コウキも呉井の肩を持つ。
「コウキさん・・・・・・」
「ま、道祖さん殺害の件は別として。道祖さんは組織のメンバーなの?」コウキが質問した。
「ああ」
「って事は、道祖さんが組織のメンバーに殺されたとも考えられますよね?」
「ナオちゃん。否定しているんだから、信じてあげなきゃ」
「コウキさんは本気で信じているんですか?」
「いけない?」
「あの、そう言う話はここじゃなくても良いんじゃないかな?」呉井がそう言うと「それもそうっすね」とコウキは納得する。
「コウキさん!」
「そんな怒るなよ。分かりました。ありがとうございました」
コウキはそこで切り上げて、取調室を出た。




