見映-16
コウキの情報を元にNo.2を攻めることにした。
No.2が出入りしているダーツバーの前を張りこみするコウキとナオ。
「今日は、姿を見せませんね」
「今、午後の15時。出勤には少し早いんじゃない」
後部座席までシートを倒し車の天井を見上げるコウキはそう答える。
「でも、コウキさんの調べだとそろそろ出勤してくる時間じゃないですか?」
「ナオちゃん。相手は人間だぜ?ロボットじゃないんだ。時間きっかり正確に動いたりしないものさ」
「そうかもですけど」
「キリキリしない。どぉ〜んっと構えてないさいよ。俺みたいに」
ただ呑気なだけだろ。ナオはそう言いたかった。
「コウキさんはどうして、響生さん、道祖さんの殺人事件にこだわるんです?」
「いや、ほらっ、いつかの売人が言っていたじゃない。個人主義だから人を殺すなんてあり得ないってさ」
「売人の言うこと信じるんですか?」
「信じるね。俺はその価値があると思う」
「価値・・・・・・ですか」
ナオは何か言いたそうな顔をする。
「何?不服?」
「いや、不服じゃないですよ。ですが」
「ですが、何よ」
「こう着実に組織を潰してきているじゃないですか」
「ああ」
「それで組織の全貌ももう少しで掴めそうじゃないですか。それなのに、組織がどうのこうのって」
「あり得ないって言いたいの?」
その言葉にコクリと頷いて答えるナオ。
「なんか・・・・・・ショック」コウキは手で顔を覆い凹む。
「あ、来ましたっ」
ナオの視線の先には、No.2が歩いていた。
「お、来たか」顔を上げてNo.2の姿を拝むコウキ。
「どうします?声を掛けますか?」
「いや、今日は様子見しよう」
「もう十分じゃないですか?」
「いや、まだだ。まだ、十分じゃない」とコウキは慎重な様子を見せる。
「そうですか」
ナオは渋々、コウキの言うことに従った。コウキの経験を信じようと思ったからだ。
それから時間が経ち、夜になった。
店には著名人達も数名、店に入っていった。
そして、コウキは店に入店する著名人の姿を写真に納めていった。
「コウキさん」
「何?」
「まさかとは思いますけど、その写真。写真週刊誌に売ろうとか思ってませんよね?」
「ギクっ」
「やっぱり」
「そ、そんなことするわけないじゃん。薬物組織の人間が経営する店に足繁く通う芸能人の姿!なんて見出しで売ろうとしているわけないじゃない」
「タイトルまで決めてるじゃないですか!」
「一般的な例を挙げただけだよ。一般的な。ね?」
「ね?じゃないでしょ。全く、もうっ」
それから時間は過ぎ、午前0時を回った。
「やっぱり、踏み込んだ方が良かったんじゃないですか?」
「ナオちゃん・・・・・・その必要はないみたいだぜ」
コウキが見るサイドミラーにこちらに近づいてくる如何にもな連中がいた。




