見映-14
「なぁ、怒ってるの?」
コウキは横で不貞腐れてるナオにそう言う。
「怒ってませんっ!」そう言いながら、車のドアをどんっと叩く。
ナオは軽率な行動をしたとして、今回の事件から干されたのだ。
そして、今、別の事件の張り込みに駆り出されていた。
「怒ってるじゃん・・・・・・」
コウキは何の気なしに窓の向こうに視線を移すと、一人の女性がフラフラとふらつきながら歩いていた。
そして、その先には路上喫煙する男が立っていた。
「うん?」
女は男に近づき、震える手を必死に抑えながら財布から金を出す。
男は懐から白い粉の入った袋を取り出す。
「お、おおっ」
「どうしたんですか?」
「ナオちゃん、腐っている暇はないようだぜ」
「え?」
コウキは車を降りて、薬の取引をしている男女の元へと向かう。
「俺にも売ってくぅ~だぁ~さぁ~いなっ!」
「ひっひぃい」女は発狂したように声を上げ逃げ出す。
「ナオちゃ~ん」
「はいっ!!」
ナオはすぐに女を追いかける。
「さ、お話を聞きましょうか?」コウキは男が逃げないよう、コルトMK.Ⅳ SERIES80を向ける。
男は両手を挙げ、逃げることはしなかった。
「良い子ね」コウキはそう言って、自分達の乗ってきた車に男を放り込む。
「つ、捕まえました・・・・・・」息を切らしたナオが戻ってきた。
「お疲れさん」
コウキとナオは逮捕した二人を最寄りの警察署へ連行した。
最寄りの警察署を出た二人は、自分達の仕事に戻った。
「なぁ、どう思う?」コウキはそう話しかけた。
「どう思うって。どうも思いませんよ」
「そう?そんな顔してないけど」
ナオの顔は捜査を続けて、呉井を逮捕したいそう言った顔をしていた。
「ですけど、今の私にはどうすることも・・・・・・」
「できないってか?手は幾らでもあるだろうよ」
「幾らでもって・・・・・・」
「俺に任せてよ。ツーことで、ここで降ろして」
車を停車させるように言われたナオは指示通り車を停車させた。
「じゃ、後は任せて」
コウキはそう言って、車を降りてどこかへ消えていった。
「本当に大丈夫かな?」ナオは心配そうにコウキを見送るのであった。
それから、三日が経った。
あれからというものコウキから何の連絡はなかった。
ナオはその間も仕事をしていた。
「はぁ、私何してんだろ・・・・・」
ナオはそう呟きながら、双眼鏡で対象を監視する。
すると、いきなりコウキの顔がドアップで映る。
「うわっ!」驚いて双眼鏡を外すナオ。
コウキは満面の笑みで近づいてくる。
「コウキさんっ!」
ナオは車を降りてコウキに駆け寄る。
「びっくりした?」コウキは嬉しそうに聞いてくる。
「そりゃあもう」
「じゃ、次はもっとびっくりするはずだぜ」
「え?」
「今、張り込んでいる相手。あれも呉井のシンジケートの一味だ」
「そんな、まさか・・・・・」
「そんなまさかだよ。ま、論より証拠だ。今から、殴り込みに行きますかっ!」
コウキとナオは、その一味の元へと向かった。




