見映-7
翌日、コウキは痛む頭を抑えながら仕事をしていた。
「はぁ~」
「どうしたんですか?」山戸がコーヒーを差し出しながら、何があったのかを聞いてくる。
「いや、昨日飲み過ぎちゃって・・・・・・」
「なんだ。飲み過ぎか」
「すいません」
「いや、謝ることじゃないし」
「ははっ」と苦笑いをするコウキ。
「さ、これデータ入力お願いしますね」
「はい」と少し元気がない返事をしながら、作業に取りかかるのだった。
そして、仕事を早々に終えたコウキは行動を開始した。
響生音が担当していた部署に手伝いに来ました感を出しながら、仕事している社員に声を掛ける。
「すいません。お手伝いしに来たのですが・・・・・・」
「ああ、ありがとうございます」
「何をしたら、宜しいですか?」
「ええっと。西野さんっ!!」
「はいっ、はいはい」
呼ばれた西野がコウキの居る所まで移動してきた。
「何?」
「この方が手伝いをしたいらしくて」
「ああ、じゃあ、集計お願いしても良いかな?」
「はい」
「これデータの票ね」
「はい。じゃあ、集計していきますね」
「宜しく」西野は去っていた。
「さぁ、やりますかっ!!」首をゴリゴリ鳴らしながら、コウキはデータの入力をしていく。
暫くしてから、コウキは最初に声を掛けた社員に話かけた。
「あの、響生さんってどんな人なんですか?」
「え?」いきなりの問いにびっくりした感じを出す社員。
「いやぁ~ お恥ずかしい話、一目惚れしちゃって」
「ええっ~」
「で、どういう人なのか知りたくって」
「そうですね。悪い人ではないですけど・・・・・・」含みがある言い方をする社員に「ですけど?」と社員に尋ねる。
「仕事の方はねぇ~」
「何か、難がある人なんですか?」
その質問に社員は頷いて答える。
「どんな感じなんですか?」
「サボり魔」
「サボり魔ですか・・・・・・」
表向きはサボり魔だが、裏では何かをしていたと踏んだコウキ。
「具体的には?」
「営業車があるんだけど、ドラレコを録画してなくてどこ行っているか分からないんだよね。スマホの位置情報もオフにしているし」
「プロですね」
「そう。それで、西野さんは頭を抱えていてね」
仕事をする西野に目を向ける。特に変わった様子はない。リンチをするような人間には思えなかった。
「大変ですね」
「そう、大変なの」
「ふむぅ~」
「本当に好きなの?響生さん」
「え? ああ、はい」とそれ以上の事を言わないコウキであった。
一方、ナオはまた別の殺人事件現場に臨場していた。
今度は隅田川の河川敷に死体が上がっていた。
「どうも」同僚の刑事に挨拶をして、ナオはご遺体に手を合わせる。
「遺体の身元は、道祖 雁吉さん。ですね」所轄署の刑事が近くに転がっていた財布から免許証を見つけ読み上げる。
「勤務先、分かる?」
「株式会社イレクです」
「イレク?またか・・・・・・」
ナオはすぐにコウキに連絡するのだった。




