見映-6
「あ、来たっ!!」
コウキを見つけたナオはこっちでぇ~すと言わんばかりに手を振る。
「お待たせしましたっ!」
コウキはそう言いながら、席に目を向けるとナオの上司クルト ハルミがナオの隣に座っていた。
「げっ!?」
「げっ!?はなんじゃない? 久しぶり」
「ナオちゃんも人が悪いよな」コウキは席に着く。
「ま、そう言わず飲みましょう。ビールくださいっ!!」
ナオはコウキに変わって注文する。
「で、話があるからお前が来てんだろ?」
「ご名答ぉ~」とハルミはパチパチと拍手する。
「それで、響生さんについて何か分かりましたか?」ナオは質問した。
「その前にビールを飲んでからだ」コウキは届いたビールをグイッと飲み干すと話し始めた。
「彼女は五年前に入社している社員で、彼女は営業を担当していた。そこまでしか調べてないぞ」
「そこまでですか・・・・・・」ナオはもう少し深い情報を聞けると思ったので、困った顔をする。
「何?彼女が社内では居るか居ないかよく分からない存在だったって事を言わないとダメなの?」
「ダメなの?じゃない。どうして、最初にそういうことを言わないのかな?」ハルミはそう言いながら、枝豆を口に入れる。
「言ったから良いじゃない」
「そう言う問題じゃないですから。もうっ!」
ナオは怒りながら、ホッケを頬張る。
「それで、その響生さんはなんで殺されたの?」
「それを今、調べてるってぇ~の」とハルミはコウキの額をピシャッと叩く。
「痛てっ」
「フフフっ」
「何が可笑しいのよ。ナオちゃん」
「いや、お二人本当に仲が良いんだなと思って」
「仲が良いだってさ」
「有り得ない」
ナオの発言を速攻で否定するコウキとハルミ。
否定するその姿を見て微笑ましく思うナオであった。
「そんで、被害者はどんな形で殺されていたの?」
「それは・・・・・・」ナ
「撲殺よ。リンチを受けてね」
「うわぁ~」身も毛もよだつみたいな顔をするコウキ。
「そんな反応するなら聞くんじゃないよ」
「でも気になるじゃないぃ~」
「コウキさんっ」
「な、何よ。ナオちゃん」
「被害者の方なんですけど、誘拐されたかもしれないんです」
「誘拐か。どこで誘拐されたのか知っているの?」
「それを今、調べているんです」
「そうか」
「でさ、コウキに頼みたいことは」
「皆まで言わんでいい。響生さんがどこに営業しに行っていたか、そして、社内の評価を調べろって事だろ?」
「おお~ 流石は名探偵」
「馬鹿にしてるだろ?」
「滅相もない」と否定するハルミ。
「まぁ、良いや。分かった。調べてみるよ」
「お願いします」ナオは頭を下げるのだった。
「じゃ、事件の話はここまで。明日に向けて飲むわよぉ~」
「ナオちゃん。オールする覚悟を持てよ」
「何か言った?」
「いえいえ」
ナオはこの後、オールして飲み明かすとは思ってもみなかった。




