見映-2
「どうぞ」呉井はコウキの発言を許可する。
「福利厚生は手厚いでしょうか?」
その場に居た全員が第一声それか、そう思った。
「まぁ、普通ですよ。福利厚生になるかどうかだけど定期的に会社の金で飲み会は開きますよ」
「そうですか。ありがとうございました」とコウキは礼を述べて口を閉じた。
「では、次の方」そこで、受験者どうしの探り合いが始まる。
「すいません」と一人の青年が挙手した。
「はい。何でしょう。何でも答えますよ」
「どうして、このような形式の面接なのでしょうか?」
「それはですね。従来の面接では表面的なことしか言わないでしょ? お互いに。だったら、馬鹿正直にぶつかり合うというのかな。そうした方が互いのためになるのではないかと。口が悪くて申し訳ないね」
「いえ、ありがとうございました」
「次は?」
「じゃ、私が」今度は女性が挙手し、「私、今までパワハラやセクハラで悩んでおりまして。それがきっかけで今回の転職活動に至ったのですが、貴社はそのようなパワハラやセクハラはございますでしょうか?」と質問した。
「それは、大変でしたね」呉井の第一声はそれであった。
「ただ、絶対はないです。パワハラやセクハラって当事者がどう捉えるかで決まるじゃないですか。だと、思うんですけど。だから、絶対にうちはそんなことないとは言えませんよね。そう思っている社員はいるかもしれないんでね」
「・・・・・・そうですか」女性はどこか残念そうに答える。
「大丈夫かな?」
「ええ、はい」
その場に居た全員が大丈夫じゃないだろうと思ったが、口にはしなかった。
「では、他には?」
そこから二時間、面接は続いた。
「では、お昼になりましたので今日の面接はここまでにしましょう」
呉井のこの一言で面接は終了した。
コウキは合格した気がせず、その帰り餃子の王将でランチをして帰った。
「で、受からなかったと・・・・・・」
ナオは困ったなみたいな顔をする。
「いや、まだそうと決まったわけでないからね」と言いつつもコウキも半ば諦めていた。
「でも、受からなかったんですよね。プッ」思わず吹き出してしまうナオ。
「ひどいな。何も笑う事ないじゃない」
「いや、変な面接で落とされるって・・・・・・」
「俺のせいじゃないし・・・・・・」コウキははぁ~と深いため息をついて落ち込む。
「ま、何せよ。ハルミさんには報告しておきますから」
「辞めて! 正直に言わないで。お願いっ!!」
「ど、どうでしょうか。プッフフフっ」
ナオが高笑いしていると、コウキのスマホに着信が入る。
「はい。もしもし?」
コウキは返事をしながら頷いていると、OKサインをする。
「へ?」意味が分からずナオは首を傾げると「二次面接に行けましたぁ~」と勝ち誇った顔をするコウキであった。




