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見映-1

「内偵調査?」


 サジ コウキは依頼しに来た警視庁の刑事・マスタ ナオに不服そうな顔をする。


「はい。実はタレコミがありまして」


「なんのタレコミかは知らんけど。いやだよ。薄給報酬なのに・・・・・・」


「でも、警察と業務提携を結ぶパートナーシップ協定に入っているじゃありませんか」


 読者の方に説明すると警視庁の人手不足解消の為、警視庁は私立探偵と業務提携を通して一部の業務を探偵が行い、これらの解消に務めようというのがパートナーシップ協定である。


「パートナーシップ協定ね・・・・・・結ぶんじゃなかったかなぁ~」


「そう言わずにお願いします。こういうのは探偵のコウキさんが向いているんですから」


「向いている。向いているね・・・・・・」


 コウキは回転椅子と一緒になってクルクルと回りながら、考え始める。


「受けてくれるんですか?」


「ええ~」


「ええ~じゃなくて。分かりました。引き受けないって事で、課長に報告します」

 ナオはしびれを切らして、ソファーから立ち上がる。


「課長って。あのハルミか?」


 警視庁捜査一課現課長のクルト ハルミはコウキの幼馴染でもある。


「はい。そうですが関係ないですよね? コウキさんには」


「関係ある。大いにあるというか、ハルミには何も言うな。引き受けるから」


「もしかして、何か弱みでも握られてます?」


「と、とんでもない。引き受けるんだから良いでしょう?」


「怪しい・・・・・・」ナオは訝しんだ目でコウキを見つめるのだった。


 早速、コウキは動き出した。ハローワークで潜入する企業の求人を見つけ、応募した。


 意外とすんなり一次面接まで決まった。だが、潜入するからにはここからが勝負どころだ。


 面接会場に赴くと、他にも面接を受ける人間がいた。


 コウキは少し緊張する。ここにいる人間を蹴落としてここへ潜入しなければならず果たして、それを実行できるかどうかこの面接に掛かっているのだ。


 コウキは気合いを入れるように、ネクタイをキュッと上げる。


「お待たせ致しました。いや、道が混んでいたもので」


 そう言いながら入ってきたのは今回の面接官を務める社長の呉井 叛徒(くれい はんと)であった。


「本日は宜しくお願い致しますっ!!」一人の受験者が立ち上がって挨拶する。


 それに続いて他の受験者たちも立ち上がり挨拶し始める。勿論、コウキもつられて行う。


「はいっ。宜しく」とだけ言い、席に着くよう手で促す呉井。


 全員、声を揃えて「失礼します」と言ってから着席した。


「はい。では、これから面接を始めます。さ、質問してください」

 その一言に、皆、戸惑う。それを察したのか呉井はニヤッと笑ってから口を開いた。


「私の面接は普通の面接ではありません。あなた方が、気になる質問をどんどんぶつけて頂くそう言った面接です。ですので、気になる事があればどんどん質問してください」


「では」と言って最初に挙手したのは、コウキであった。

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