嫉妬-29
謎の女の正体はすぐに掴めた。
被害者の修飾銅時の職場に勤める同僚の社員であった。
名前は、鏡 幸。鏡は行方知れずで、無断欠勤していた。
「ビンゴですね」
鏡の勤務先から出てきたナオの第一声はそれであった。
「そだねぇ~」
「でた。そだねぇ~」
「そだねぇ~」
「で、何が気になってるんですか?」
「え?分かる?」
「分かります。何が気になっているんですか?」
「うん。色々」
「色々?言ってください」
「え~」
どうして、勿体ぶるのか、ナオはイライラする。
「あ、怒ってるでしょ?」
「はい」
「ま、良いや。行こう」
コウキは先に歩き出し、ナオはそれに続く。
「どこ行くんですか?」
ナオは車に乗るや否やコウキに行き先を尋ねる。
「うん。修飾さんの家へ」
「何で?」
「そこにいるかもだから」
「何でそう思うんですか?」
「理由は走りながらでも、良いから。車を出してよ!」
コウキにそう言われたナオは車を発進させた。
「で、どういう事なんです」
「灯台下暗し。居ないと思える場所に居そうだろ?」
「それだけですか?もっと、根拠があるのかと」
「そんなものあるかい」
「全く・・・・・・」
ナオはそのまま車を走らせ、修飾泰子の家へと向かった。
家の前に着くと、一台のタクシーが停車していた。
そして、家の中から修飾泰子と鏡幸が姿を現した。
「ウッソっ!」ナオは大慌てで車を降りて近づく。
そのナオに気づいた修飾泰子は「逃げて!!」と鏡幸に逃げるよう促し、ナオの行く手を遮る。
「待ちなさいっ!!」ナオは泰子をどかそうとするが、泰子の抵抗にあう。
鏡幸は必死で逃げるが、コウキに追いつかれ「はい。それまでよぉ~」と言って腕を掴み確保するのだった。




