表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/63

 小さくだが鋭く、パエリエは息を呑む。

「誰だねきみは」

 厄介そうに手を振るシェンデルフェールと、ぎろりと睨みを利かせる客のその先に。

 昨日の彼がいた。

 だがいで立ちは白衣だった昨日とはまるで違う。

 上物の燕尾服に、シックなクラヴァット。

 眼鏡もかけていない。

 素で見るとかえって鋭さを増すその目を閉じ、リカルドは目礼する。



「あなたと違って、約束を必ず守る者です」



 そう言い、二人の前にそっと開いた手には、紋章が乗っていた。

 どこかで見たような、輪でつながれた太陽と月。


 それを目にした途端、シェンデルフェールと客が一斉に膝を折る。

「これは……失礼いたしました」

 すっかり狼狽し、そそと手を差し出す客。

「くっ。どうぞ。……お連れ下さい」

 対するシェンデルフェールの目には不遜の黒い光が宿ってはいたが。

 それを確認した時には、

「行こう」

 突如現れた着飾った医者に手を引かれ、バエリエは娼館の外の光を浴びていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ