第ニ十四話 文化祭の準備
今日は、文化祭の出し物を決める日だ。愛斗達は学校に登校していた。
午前中の授業は終わって、午後からは授業はない。午後の時間を使って、文化祭の出し物を決めるようとしていた。
この時間、愛斗達のクラス委員長である小泉京香が仕切って文化祭の出し物を決めようとしていたのだった。
京香は、教室の前に来て話した。
「皆んな、文化祭の出し物を決めようと思います。三十分ほど周りと話し合って下さい」と大声で言った。
麗花、美香、詩織は、愛斗の席に行って話をした。
「愛くん、何か文化祭の出し物で、いい考えあるかな」
「うーん」と愛斗は、唸っていた。
「あっ、じゃ、俊介さんに言ってAIロボットを借りたらどうかな。AIロボットを使って何かするというのは」と愛斗は話した。
「それ、いいね」と美香と詩織は言った。
「愛くん、美香パパに頼むことにしよう。だけど、AIロボットって何体あるのかな」と麗花が聞いた。
「女性型と男性型のAIロボットがニ体ずつあるはずだよ」と愛斗が話した。
「ねぇ、愛くん。AIロボットを使ってどうするの」と詩織が聞いた。
「うーん、どうしようか、そこまで考えてなかった」と愛斗が話すと「AIロボット喫茶をやるのは、どうかしら」と麗花が言った。
「いいかもね」と愛斗は返事をした。
三十分ほど経過し、京香は大声で話した。
「皆んな、話しは纏まりましたか。順番にやりたい出し物を言って下さい」と言った。
「お化け屋敷」「迷路」「クレープ屋」「たこ焼き」など皆んなから意見が出た。
クラスの男子からは、「メイド喫茶がいい」と意見もあった。すると女子から「えー、喜ぶの男子だけじゃん」と声を上げた。
このように、なかなか話がまとまらなかった。
「はい」と麗花が手を上げた。「麗花ちゃん、言って下さい」と京香が指した。
「なんなら、AIロボットのメイド喫茶と執事喫茶というのは、どうですか」と言った。
「おー、それなら、いい」「それ、いいかも」という声が男子と女子から声が上がった。
「でも、AIロボットって、何処から手に入れるの」と京香の親友である中村和美が聞いた。
「美香パパの会社にAIロボットがあるから頼めば、貸してくれるわ」と麗花が話した。
「立花さんのお父さんがAIロボット持つているの」と和美が聞いた。
「美香パパが持っているのではなくて、会社の方で、女性型ロボットと男性型ロボットがニ体ずつあるのよ」と麗花が話した。
「立花さんのお父さん、何やっている人なの」
「実は、私のパパ、日本エイアイケーの社長だから大丈夫よ。貸してくれるわ」と美香が言った。
「えー」と周りから声が上がった。
「じゃあ、皆んな、どうでしょうか。麗花ちゃんの意見に賛成でしょうか」と京香が聞くと皆んなは、「いいよ」と賛同の声が上がった。
「立花さん、お父様にお願いしてくれるかしら」
「わかりました」と美香が返事した。
「それでは、担当を決めいと思います」と京香が話をして担当を決めていった。
麗花、美香は、メイドの女性型AIロボットに対して面倒をみることになった。
愛斗、詩織は、男性型AIロボットの執事担当になった。
文化祭の役割分担も、調理場担当、仕入れ担当、フロア担当、受付担当など決めたのだった。
文化祭での決めることは終わって、帰宅の時間になった。
愛斗と麗花が帰ろうとしたところ、和美が愛斗達に声をかけようとしたが、戸惑ってしまい声をかけることが出来なかった。
その様子を京香が見ていて、「和美どうしたの」と声をかけた。
「ちょっと」と和美が返事をした。
「うーん。本当にどうしたの。何か変よ」ともう一度、京香は聞いた。
和美は、少し考えてから「京香、ごめんなさい」と言った。
「何がなの和美」
「実は、神崎くんのことなの」
「愛斗くんのこと」
「うん、この前の新聞記者に引っ掛けられて、神崎くんがアイトー・フランクスくんだということを言ってしまったの。ごめんなさい」
「えー、本当」
「うん」
「愛斗くんがスクープされたら大騒ぎよ。大変なことになるかも」
「ねぇ、京香、どうしよう」
「愛斗くんのところに行って謝りに行こう。和美」
「うん」と和美は京香と一緒に愛斗の家に向かった。
和美と京香が愛斗の家に着いて、チャイムを鳴らした。しかし、誰も出なかった。
「留守みたいね。誰も出てこないわ」と京香が言った。
「どうしよう。京香、少し、待った方がいいかな」
「電話で済ますわけにはいかないから、少し、待ってみましょ」と京香は言った。
その頃、愛斗と麗花は、美香の家に来ていた。
「愛くん、もうすぐ、パパが帰ってくると言っていたよ」
「わかった」と愛斗達は待っていた。
しばらくして、玄関を開ける音がして、俊介が帰ってきた。
「お待たせ、愛斗、麗花ちゃん」
「俊介さん、頼みがあって」
「美香から聞いているよ。うちのAIロボットを借りたいんだって」
「そうなんだ。文化祭で借りたいんだ」
「愛斗と美香の頼みだから、いいよ。いつだい」
「再来週の週末なんだ。その時まで」
「わかった。手配しておくよ」
「ありがとう。俊介さん」
「二人とも、せっかくだから、ご飯を食べにいかないか」
「麗花ちゃん、どう」
「私は、いいよ」
「じゃ、僕もいいよ」と愛斗は返事をして、四人でご飯を食べに出かけた。
愛斗の家では、京香と和美が待っていた。
「帰ってこないね。京香」
「そうね。和美、休み明けに学校で話しましょう」
「わかった」と和美は返事して二人は、帰ったのだった。
愛斗達は、俊介と四人でしゃぶしゃぶの店に入った。
店の店員に注文して、しゃぶしゃぶを食べながら俊介は、愛斗に話しかけた。
「そう言えば、望月から聞いたぞ。次世代AIチップの開発を一緒にやるんだって」と俊介が聞いた。
「そうなんだ。あと、来月にマイクが来日するんだ」
「マイクって、マイク・アンダーソンか」
「そうだよ」
「愛斗の片腕だもんな」と俊介が言うと麗花が聞いた。
「ねぇ、愛くん。マイクさんって」
「マイクは、僕の親友であり、AIチップの開発を一緒にやった相棒なんだ」
「へー、そうなの。どんな人」
「とても、暖かい人だよ。僕がアメリカに行った頃に近所に住んでいた人なんだ」
「アメリカの生活に馴染めなくて、友達もいなく僕はいつも一人だったんだ」
「そんな時、一人ぼっちでいる僕に声をかけてくれたんだ。それで、友達になろうと言ってくれた人なんだよ」
「アメリカで、初めての友達でありお兄さんみたいな人なんだ」
「とても、いい人なのね」
「そうなんだ。僕がAIチップを作ると言ったときに手伝うよ言ってくれて、ずっと一緒にやってくれた相棒だよ」
「そうなの。愛くんにとって、欠かせない人なのね」
「うん」と愛斗が言った。
「愛斗は、AIの天才と言われているけど、マイクは、もう一人の天才とも言われているんだよ」と俊介が話した。
「凄い人なのね」と美香が言った。
「あぁ、この二人が組むということは、また、凄いものができそうだ」と俊介が話した。
楽しい食事も終わり、俊介は愛斗と麗花を家まで送って行ったのだった。
翌日の朝、愛斗と麗花は日本エイアイケービルにいた。
「愛斗さん、麗花ちゃん、おはよう」と望月が挨拶をした。
「おはよう。望月さん」と愛斗も挨拶した。
「おはようございます」と麗花も挨拶した。
「話は、社長から聞いていますよ。AIロボットを四体運ぶんでしょう」
「はい」
「AIロボットは既に運送用のトラックに積んであります」
「もう。さすが望月さんだ」
「ふふふ。それとスタッフが運んでくれるので、何処へ運べば良いですか」
「学校の教室まで運んでほしいんだ」
「わかりました、あと、運んだら、充電だけしといてください。後日、うちのスタッフを向かわせて調整しますので」
「それは、助かる。ありがとう」と愛斗が御礼をした。
「何から何まで、ありがとうございます」と麗花も御礼を言った。
愛斗達と望月達は、トラックに乗って一緒に学校まで行った。
望月とスタッフは、愛斗の教室まで運んで帰って行った。
午前中で終わり、愛斗と麗花は歩いて家まで歩いていたところ麗花が愛斗に声をかけた。
「ねぇ、愛くん。このまま帰るのは、勿体ないね」
「そうだね。じゃあ、麗華ちゃん。デートしよう。何かと色々あって、あまり、デートとかできなかったし」
「うん」と麗花が答えた。愛斗は、手を麗花に差し出して「手をつなごう」と言った。
麗花は、笑顔で愛斗の手を取り恋人つなぎをした。
近くの公園に行くと車を乗り入れたクレープ屋さんがあった。愛斗は、クレープ屋さんに行って「麗花ちゃん。何がいい」と聞いた。
「私は、イチゴチョコがいい」
「わかった」と愛斗は答え、イチゴチョコを二つ買った。
近くのベンチに二人で座って、イチゴチョコのクレープを一緒に食べながら愛斗は話した。
「そういえば、麗花ちゃん。僕たち、婚約者同士なんだよね」
「そういえば、そうよね」
「僕たち、婚約したけど、何か恋人らしいことしていないような気がする」
「そうね。何かと色々あったものね」
「でも、恋人らしいことって、どんなことなんだろう」
「言われてみれば、何か思いつかないね」
「こうやって、麗花ちゃんと恋人つなぎもするのも恋人らしいことなのかな」
「そうかもね」
「僕は麗花ちゃんとずっと一緒にいたいと思う」
「私もよ。愛くん、私、愛くんが好きよ」と答えた。
「僕も、麗花ちゃんが好きだよ。こうやって、好きと言い合うのも恋人らしいことなのかな」
「ふふふ。そうかもね」
そして、二人は公園をぶらぶらしてから帰った。家に着くと愛斗と麗花は、キスをしてから家の中に入ったのだった。
愛斗と麗花の平和な日々だった。
しかし、週明けには大騒ぎになることは愛斗達には予想もつかなかった。
その頃、アイトー・フランクスのことが載った雑誌が週末明けに発売されようとしていたのだった。




