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愛情込めて育てたら、野菜が女の子になった件  作者: たまこねこ
一章 スローライフはほど遠い?
7/9

6話 スーパーマーケットで小さくなったり大きくなったりします!②

前話のあらすじ:お菓子コーナーはテーマパーク

 名残惜しいながらもお菓子コーナー(テーマパーク)を出発した俺たち野菜ファミリー…。うん、今後は【野菜ファミリー】で統一しよう。俺は野菜じゃないが問題なかろう。


 で、その野菜ファミリーはレジにやってきた。レジスタッフの方がレジ打ちしてくれるレジはいつも大渋滞なので、並ぶのはもちろん【セルフレジ】だ。


 ドサドサッ!


 重くなったカートをハクサイに代わって押していたのだが、セルフレジの買い物カートを差し込む場所で、天高くそびえたつお菓子の山が崩れ落ちる。


「あらあら、すぐ拾いますから。あ、お隣の方申し訳ありません」


「すまん、みんな手分けしてカツやらグミやらキャンディーやらを拾ってくれ」


「「「ラジャー(了解)!」」」


 みんなで拾えばすぐ終わる。


 気を取り直してレジ打ちだ。これがバーコードを読み込み際に毎度毎度ひと呼吸遅れて反応する。実に時間がかかる。レジ打ち店員さんが使ってるレジはすぐ読み込むのに、なんでそれほど読むのにワンテンポ遅れるのかと、ツッコミたくなるレベルで遅れる。


 ニンジンやジャガイモはそういうシチュエーションに対していら立ちを隠せなくなるだろうということで…。レジ打ち会計はハクサイとサツマイモに任せて、俺は残りの二人とともにガチャガチャコーナーへと繰り出していた。


 スーパーに入った時点でガチャガチャに興味を示していたニンジンはもちろんのこと、ジャガイモも興味津々(しんしん)である。そして二人には言わないが、たぶん俺が一番ワクワクしている。


「なぁジャガイモ。親父ってこういう可愛くってちっこいフィギュアとかが好きなんかな?」


「え?例えばコレ(ロリキャラもの)とかか?コレだったら、さすがの俺でもちょっと引くぞ…」


「お前たち、聞こえているからな!?俺が好きなのはキャラものじゃなくて動物や風景のフィギュアものだ!」


「ホンマかー!?ウチらが幼児体形に変身したら目の色変えたりせんやろなー?」


「うわぁ…」


「オヤツ抜き」


「「すいませんでした!」」


 効果てきめんだなコレ。



 そんなこんなで二人に両替してきた100円玉を5枚ずつ渡して、好きなガチャガチャを楽しんでもらう。ニンジンはさきほど見ていた猫のフィギュアを。ジャガイモはそれ男の子が買うヤツだろ。とツッコミたくなる刀や銃のフィギュアをそれぞれ何回か回していた。


 500円という限られた予算でガチャガチャでお目当ての品をゲットするのは困難である。最悪同じ商品が被って出て来たりと悲惨な結末を迎える恐れもあったのだが…。


「やったー!欲しいヤツが出たー!」


「お姉ちゃんも出たか!俺も出たよ!ほら、見てくれよこの刀の色…」


 ワイワイニコニコ。二人ともお目当ての品が出たようだ。


 俺は有言実行で田舎の民家シリーズというガチャガチャを回してみた。昔ながらの、かやぶき屋根の民家やそれに付随する畑などのパーツが出て来るガチャガチャだ。


 回して出てきたのは古民家。自宅に帰ったら組み立てるつもりだ。そして帰ったら検証したいことがある。彼女たちは自分のサイズを操作出来るのか、外見年齢だけ操作出来るのかだ。


 サイズを小さく出来たり大きく出来るであれば、出来ることの夢が広がる。大きくなってもらって農機具を運搬してもらったり、ビニールハウスを張り替える作業をハシゴ無しで実施したり、夢が広がる。



 そこへ会計後の商品をマイバッグに詰めたハクサイとサツマイモがやって来た。マイバッグは買い物カゴとは異なり、天高く積み上げたりは出来ないため、カートへ詰めないマイバッグはハクサイが左手にぶら下げている。


 俺は農家で出会いがまったくないので独身だったが学生時代は普通にモテた方である。愛する妻が手に荷物を持っているのを目撃した時点で、自然に体が動き出し、流れるような動きでハクサイの持っているマイバッグを受け取る。


(よし、決まった)


「お父さん、そんなの俺が持っとくよ」


 …俺がハクサイから受け取ったマイバックをジャガイモがかっさらっていく。


 夫&父の立場はどこへやら。


 まぁジャガイモの方が力持ちだし、娘にお手伝いしてもらうっていうのも悪くないだろう。そう自分をごまかしておく。


「貴方ありがとうございます」


 ハクサイはすでに察しているので腕を組んでくる。今日の夜も楽しみだ。


「お父様、お母様。イチャイチャしている所申し訳ないのだが、私もガチャガチャをやりたいぞ」


「あ、そうだよな。ニンジンとジャガイモだけじゃ不公平だからな。ほら500円だ」


 ハクサイは俺がサツマイモにお金を渡している間も腕を組んだままだ。すでに親娘の立場は決まったとはいえ、私のもの(旦那)アピールは随所で欠かさない。()いやつめ。俺は幸せだ。


 サツマイモはニンジンとジャガイモとは違い、500円を一つのガチャガチャに集中投入するのではなく、ジャガイモと被っているが刀のフィギュア、そして女の子らしい動物や可愛いキャラクターもののフィギュアに100円ずつ投じていく。


 バリエーション豊かに色んなものを集める作戦だ。なかなかやるな。


 そして野菜ファミリーは荷物とともにコンパクトカーに乗り込み、我が家を目指すのであった。


 …ちなみに帰宅後に聞いたら、外見の年齢を変えれるだけでサイズは変わらないそうだ。


 残念。

いつも私の小説をお読みいただきありがとうございます!


今後もお楽しみいただければ幸いです。


ぺこり。

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