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魔女のシンデレラ   作者: 黄田 望
1/5

プロローグ


 魔法という物には、リスクが伴う。


 例えば、醜い姿となった呪いを解く魔法は必ず相手にキスをしなければならない。

 例えば、他人を救う代わりに別の命と引き換えししなければならない。

 例えば、夢を叶える為に他人の夢を奪わなければならない。


 幼い頃、よく読み聞かせてもらった御伽噺の魔法のように、皆が幸せとなる魔法という物は現実を見れば存在しないただの 幻 だったのだと私は思う。


 「今日は、少し冷えるわね・・・。」


 夏を終え季節は秋へと移り変わり、夜となると上着をもう1枚着ないと肌寒い季節となった。

 冷たい風を肌で感じ取り、さらに1枚上着を着ておけばよかったなどと考えていると携帯の着信音が聞こえ小さく溜息を吐く。


 「・・はい。 ――ッ!!」


 相手は電話に出るなり鼓膜が破けそうになるほどの大声を上げ怒鳴りこむ。


 「そんな大声で言わなくても聞こえていますよ。 ・・はい。 はい。 分かりました。」


 まだ携帯から相手の怒鳴り声が聞こえてくるが、要件だけ聞いた私はまだ話途中の携帯を切り上げる。


 「さぁ、始めましょうか。」


 地面に置いてある学生カバンから指揮棒のような杖を取り出して小さく円を描いて振り上げる。

 すると足元がキラキラとガラスの破片がきらめきながら巻き上がり、体全身を覆いつくしていく。

 ガラスのように輝く光が消えていくと、まるで御伽噺に出てくる魔女のような大きく黒い帽子にマントを羽織り、両耳にはガラスで作られた靴の耳飾りをつけて、月光に輝く長髪の黒髪に誰もが見惚れる美しい女性が立っていた。


 「時刻は、午後23時ジャスト。」


 マントの(ふところ)から西洋系の時計を取り出して現在の時刻を確認する。

 月光に照らされる美しい女性は小さく微笑み、とある建物の屋上から勢いよく飛び降りた。


 

 同時刻、今日は満月が一段と大きく浮かぶ夜空を見上げた人々は、満月の光を影にして飛ぶ魔女のような女性を見たとネット上で噂された。

 魔女が飛んだ後にはガラスの破片のようにきらめく光が人々の目にとどまり、ネット上で彼女の美しい姿からある名称で呼ぶようになる。



 【 魔女のシンデレラ 】 ―――と。


最後まで読んで頂きありがとうございます!


とりあえず1章を5話か10話程度で書き終えるつもりなので、もし良ければお付き合いください。


それでは、次回も是非よろしくお願い致します。

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