婚約破棄・・・・?
ここは、王宮の大広間 そして、王立学園の卒業パーティが開始されようとしていた
そのときその事件?は起こった。
「第二王子タスレの名において、ここに宣言する。伯爵令嬢バイオレットローズよ、
男爵家令嬢モーリーンを謂れなきことで貶めようとした罪で、お前との婚約を破棄し・・・」
「婚約を破棄し、お前に5年間の国外追放を命じる ですわ」
「そう、お前との婚約を破棄し、5年間の国外追放を命じる!!」
会場はざわめき出した。
『いや、なんで婚約破棄?』
『それよりなんで破棄される側が真顔で次に言う言葉をレクチャーしてるの?』
『そんなことよりローズたんに踏んで欲しい ハァハァ』
「お前に・・・ えっとなんだっけ?」
「お前に言い分はあるかこの悪女めですわ。」
「そう、お前に言い分はあるのか!!この悪女め!!」
「私はそんなことをやった覚えはありませんわ!!」
「そんなことはない、モーリーンからいろいろ聞いているぞ!!」
「何を聞いたというのですか?」
「まず、ちょっと待て・・・・」
懐からメモ帳を取り出す王子。
「そ・・そう。まずモーリーンにお茶会で水をかけただろう!!
そして、其の次にモーリーンのコートの糸をほどいて破れたようにに見えるようにしただろう」
「王子それはやった方のことで、今回言うセリフではありませんわ!!もう、なんで最後の最後で台無しにするんですか!!」
『『えええ!!』』
「すいません・・・もう一度最初からやり直しを・・・」
「もう遅いですわ。もうお姉ちゃんが、ちゃんとあなたがモーリーンと結婚できるように
仕込んでたシナリオが台無しですわ」
『『えええ!!』』
王子の横で呆然としていたモーリーンが言う
「あんた悪役令嬢じゃないの!!」
「違います。ここでは詳しいお話はできないので、別室にて」
ローズは、王子の方ではなく会場の方に振り返り
「さあ、みなさまおさわがせしました。卒業記念パーティの余興、婚約破棄コントはいかがでしたでしょうか?
それでは、お色直しのため一時退出させていただいます。みなさまご歓談をおつづけくださいませ。」
そして王子、ローズ、モーリーンは会場を去っていった。
『『流石に無理だろ!!』』
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そして数分後王宮内の貴賓室に三人+二人の姿があった。
「どうしてお前はアホなのだ!!」
「せっかくローズちゃんが仕込んでくれたシナリオを台無しにして!!私は母として情けないわ」
+2は王と王妃である
「ごめんなさい、よくわからないんだけど」
「ああ、モーリーンからみたら訳がわからないわよね。説明するわ。
まずこれは、モーリーンをお嫁にもらいたいって言い出した、このバカ王子と
立場上通常のルートだと海外留学が許されない私との利益の一致の末
発生したシナリオなの。」
「え?」
「あーあなたが有る事無い事でっち上げて、私を悪役令嬢に仕込もうとしたのは知ってるわよ」
「ちょっと待って、いやあれは実際に…」
「私がそんな隙見せる訳ないわよ、あと王妃候補である以上お付きのものが常時ついてるし
そもそも排除するだけなら、サクッと消えて貰えばいいだけだしね。」
「・・・」
「まあそんなバカな子でも可愛い、嫁にしたいってバカ王子に頼まれて、偽装婚約をして
うまいこと恋の炎に油をさしてた訳」
「ちょっと待って。私がはめられていたって言うの?」
「ええそうよ、私は致命的ではない傷をおって国外留学をできるし一石二鳥だったのよ。
まあこのボンクラバカ王子のために失敗したけど。」
「いや、流石にこんな醜聞があったら、流石のあなたでも・・・」
「ああ、その辺はすでにシナリオができていて、私の義理の弟まあ養子なんで血の繋がりはないんだけど
その子と結婚して伯爵家をつぐことが決まってるの。」
「いや、それでも・・・」
「ちょうど、うちの家は力をつけすぎたからいい加減ここで失敗をして見せなきゃいけないの。
じゃないと陞爵してめんどくさくなるじゃない」
王が割り込んで言う。
「いや今回のことで貸しができたの陞爵して侯爵に・・・」
「王様それはご勘弁ください。これ以上の身分は不要です。それどころか父もなんどもいってると思いますが
子爵あたりまで落としてもらえませんか?」
「いや、何も悪いこともしてないのにそれは・・」
「いえ、ここ10年、ほとんど領地が発展してないのを理由にでもすればいいではないですか!!」
「いや、ここ10年で3回も戦争に出征して、国全土を覆う飢饉の時も逆に食料を提供したり
そんな状況で・・・」
「それはそれですわ。村か街を一つ治める男爵あたりが気楽で最高なので、ぜひ領地と爵位の剥奪を!!
いっそ平民に落とすのでもいいですわ」
王は立ち上がり地面に座り土下座をしながら言う。
「そんなことしたら、民が反乱を起こして確実に殺されるので勘弁してください。本当にお願いします。」
「嫌ですわ。今回のことをお受けしたのもそのためのこと」
「そこをなんとか!!そうだ陞爵がダメなら、王位継承権をお譲りします。」
「嫌ですわ。」
呆然として固まっていたモーリーンが再起動して王子に聞く。
「えっとこれどう言うこと?」
「えっとローズ姉様の実家は爵位は伯爵家だけど、実質は第二の王家とも言うべきレベルなんだ。」
「え?田舎貴族って聞いてたんだけど。」
「そうだね。田舎貴族というのは間違いないけど、その田舎が問題で、詳細な地図は
国家機密で、どの辺にどの領主の街がある程度しか書いてないから領土はどのくらいかわからないよね」
「まあ、そうね」
「だいたい、この国の領土の80%くらいが伯爵家の領土なんだ・・・」
「ごめん、私の聞き違いよね?80%じゃなくて8%ですわよね?それでも十分すごいけど」
「いいや80%だよ。それも軽く見積もってね」
「いやそれなら・・・」
「そう、実質この国は伯爵家のものなんだ。なのにそれを誇ることもせず。逆に重荷だから手放したいと
歴代の当主が言い続けてるんだ、タチの悪いのが、その割に内政に手も抜かず領土と住民は増える一方。」
「・・・」
「実際、伯爵家の領土では、他の家の者がいるところでは、伯爵様とよばれてるけど
地元の民だけの場では、辺境王とよばれてるんだ。まあ実際王家より数倍以上、
全ての貴族の力を合わせても足下にお及ばないからね。」
「それなら領土を没収すれば・・・」
「三代前の王様の話聞いたことある?」
「ああ奇病で死んだ・・・え?もしかして」
「伯爵家を慕うものの手で暗殺されたんだ・・・」
「いやちょっと待って、それ怖すぎる。」
「彼らは自覚がまったくないんだけど、凄まじい善政を敷いていて領民は彼らのためなら
いつでも命を投げ出せるとまで言われてるんだ。」
「・・・」
「それも領土の大半が魔の森と接した最前線で、ただの村人でさえ一般兵より強いんだよ」
「私大丈夫かな?」
「そこはローズ姉様が留学するための口実だって、領民に説明済みだって話だしこれを機に
うちが責任を取って侯爵家となり、彼らが新しい王になることですでに・・・」
「タスレ!!そんな話聞いてないわよ、お姉ちゃんを謀ったのね!!」
「い・・・いえ姉様、そんな・・・」
「王様と合わせて、お仕置きが必要なようね。さぁ、こっちいらっしゃい。」
「た・・・助けてー!!」
王子と王様には救いがないようです。
おまけ悪役令嬢役としてやったこと一覧
お茶会でドレスを汚される => 水をかけられる。
制服を破かれる =>あとですぐ脅せるように糸をほどいて破けたように あと肌がさらけ出されないようにコートで
階段から突き落とされる => なぜか落ちた場所にベッドが運ばれていて怪我ひとつなし