そして、よくある話に……
昔のことだ。
ガールフレンドが出来た僕は、
まず、直に会う。
日を改めて、また会う。
映画に行く。
地元の名所でデート……。
という具合に彼女と親交を深めて行った。
僕は一人でドライブすることが、その時分、マイブームになっていて、
ある時、地方の遊園地に一人で行った。
一人で遊園地に入り、そこの、そんなに広くはない遊園地を一人で堪能した。
ジェットコースターとか、鏡のマジックルームや、ゴーカート……己が興味のある者は全て乗った。
コーヒーカップも一人で乗ったと思う。
真ん中のハンドルみたいなものを回すとカップの回転が上がる仕組みだ。
それが楽しい。
それでだ。
僕は、メリーゴーランドに一人で乗ったか、どうかは、記憶が定かではない。
もしかしたら、
一生に一度は、メリーゴーランドに乗った方がよいかも…とか、
大人になって改めて乗ってみると、何か見えてくるものがあるかも……などと思い、その時、乗ったかもしれない。
実は、
この1人遊園地は大きな大きなプラスの伏線であった。
僕は遊園地が好きで、まず、一人で純粋に遊園地を楽しんだ。
そして、よくある話だが、その時のガールフレンドと、そこでデートをすることになっており、下見を兼ねていた。
それで、デート本番、彼女の意向がメインで、遊園地を楽しむわけだ。
己が乗りたいものは、一通り乗っているので、僕としては、とにかく彼女と遊園地を過ごすことに意義を強めたかった、といえば固い言い方になるが、当時、僕は、そのように行動できる身分で実際に、そうしたというわけだ。
ところが、デート当日、のっけから、あるイレギュラーが起きる……。
僕は、マイカーで彼女を駅で乗せて、遊園地に向かった出発した。
その遊園地は、市街地にはなくて、県道沿いにあったのだが、実際に、そうだったのだが、どれだけ県道を車で走っても中々、遊園地が現れなかった……。
不安になっている、僕がいた。
(確かに、この県道沿いだったはずだ…)と、ドキドキして車を走らせる。
それで、ようやく、午後の半端な時間になり、遊園地の看板が見えて、
「あれだ、あれだよ!あれなんだよ!!」と僕は車中、思わず声を張り上げ、安堵すると、
助手席の彼女が、
「すごい遠かったね」と言い、
やっぱり、道中、彼女も、そう思っていたのか……と僕は悟り、
帰りが遅くならないように、それでも二人で遊園地をナンダカンダ満喫して帰路に就いた。
あの時、カーナビが、なかったわけではないが、僕は、そういうのは不要だと思い、車を走らせていた。
今は、存分にスマホのナビを使用している。
今、2つ思うことがある。
1つは、僕は、そうは絶対にならないが、
世の中は、遊園地に行こう♪と誰かを誘い、遊園地ではなく、わけの分からない所に連れていこうとする輩が、やはり、いるのか……と。
もう1つは、
僕は、昔、女性のヒトと、そういう楽しい思い出が、ある以上、僕に至っては、今も、また、そういう機会を望んで叶えたいなら、2次元的な女性に今は、まだ熱くなってはいけないと思い日々、過ごそうと思うのだった。
《END》