双子の物語
「行くよ、亜可梨ちゃん」
「うん、ok!智可、いつでもいいよ!」
互いに刀を同時に抜き構えた。
亜可梨は刀を頭上に振り上げる構え
上段の構えだ
それに対し智可梨は中段の構えから
刀を目線の高さまで上げ水平にして右で構える構え霞の構えをとった。
幼い時から学校とは関係なく二人は剣術をならい二人で切磋琢磨してきた。
だから、互いの手は知り尽くしている
こうしたらこう返してくるそれがお互い見えてる。
二人は互いにその構えから一歩も動かない
暫しの沈黙が流た後先に先に動いたのは
亜可梨だった。
亜可梨は、一気に間合いを詰め上段から一気刀に振り下ろした。
それに対し智可梨は霞の構えから刀を振り上げ、亜可梨の振り下ろした刀を弾きそこから
刀を返し上段から振り下ろした。
智可梨は勝利を確信した。
「…っ⁈」
だがその声を漏らしたの亜可梨ではなく
智可梨だった。
なんと亜可梨は鞘で智可梨の刀を弾いたのだ
亜可梨は上段から降り下ろし智可梨の刀が当たる直前に右手を柄から手を離し鞘に手を伸ばしていた。
つまりは、智可梨が突きをするんでは無く
弾く事を亜可梨初めから予知していたのだ。
鞘で刀を弾かれ隙ができた智可梨は
亜可梨の刀で肩口から切られた。
亜可梨の勝ちだった。
「はぁ〜……また、負けちゃた…」
智可梨は試合場のすぐ近くにある休憩所の椅子に座りすっかり落ち込んでいた。
隣では、亜可梨が休憩所に置いていたカバンからノート取り出し記録を記入していた。
「これで…46勝24敗125分っと!私に勝とうなんて一年早いってw」
「以外と短いんだね……
で、でもその分射撃は私が勝ってる
からそれを入れれば引き分けだもん!」
「負け惜しみ?」
「違うもん!」
試合の後はいつも、試合記録の他によかった点、悪かった点などをノートにそれぞれまとめている。だが、亜可梨の場合はどっちかっていうと絵日記みたいになっていた。
私達は月に数回、貸し出し許可を学校に
申請し、仮想空間システムを使ってこうしていつも試合をしている。
仮想空間粒子システムを用いた試合では、
コンピュータが遺伝子をデータとして読み込みそのデータを元に仮想粒子にて構築、その粒子を本来の肉体に纏わす。
この状態で体を斬られたりしても
"構築した粒子が斬られたのであって肉体が
斬られたわけじゃない。"このようにして
情報を書き変えるシステムだ。だがこの仮想にも弱点はあるその一つが仮装粒子が高額な事それと、密封された空間でしか使えない事だ、そのため戦えるエリアは狭く試合は
近接しか行えないのだ。
ちなみに、このはこのシステムについては、完全に秘匿にされており
知ることは出来ない。それにより、いくつもの企業などが開発に着手しているが成功の例はないらしい。
以上、智可の豆知識でした。
「何してるの?」
「うん?なんでも〜!
それより〜今日私が勝ったから〜今日のご飯焼き肉、食べたいなぁ〜(ちら)」
「はぁ〜…いつもそればっかり……おやつ、
減らすよ?」
「おやつを減らすなんて酷いわ!人でなし!もy」
むきゅん
あぁ酷い…
「言わせないよ⁈」
「あっ!ちょっとまって!」
智可がそういうとカバンを漁り、一枚の紙を取り出した。
「そ、それは!!」
割引のクーポンがついた商店街にあるスーパーのチラシだった。
「智可…
それ、女子中学生が持つものじゃないよ……
ママは「逞ましくなって!」って喜ぶと思うけど…パパは泣いちゃうと思うよ?」
「うん?そうかなぁ便利だし、安くなるし
良いこと尽くめだよ?」
「こりゃ、駄目だ…」
智可梨は亜可梨の懸念そっち退けで
チラシを見始めたっと思ったら突如電卓を取り出し、物凄いスピードでボタンを打ち込んだ。
「えっと、これとこれとこれかな…
すると、これくらいだから今月の分から引いてっと…うん、これなら!
亜可梨ちゃん!今日は挽肉が安いから
ハンバーグといのは?」
「グッと!好物です!」
「よし、じゃあ買いに行こう!」
「了解であります!智可部隊長!!」
「うむ、では出撃だ!亜可梨隊員」
「隊長!」
「なんだね⁈」
「鍵返してません!」
「あっ…忘れてた…」
********
そこには、煌びやかな部屋のソファーにくつろぐ、青年の姿があった。
「おい、爺や」
青年が声をかけると、何も無い空間から
突如として姿を現した
「何用ですかな?皇帝陛下」
その姿は貫禄があり、それに青年を皇帝陛下と呼ぶ事から何処かの国の重鎮ということが予想出来る。
「そろそろ、あいつとの取引だ、転移装置を
開いてやれ」
「宜のですかな?」
すると皇帝陛下の目が鋭くなった。
「……どいうことだ?」
「恐れながら申し上げるにあのものは危険かと。あの者は此方に不快なるものを持ち込むような気がするのです」
「して、不快なるものとは?」
「恐れながらまだそこまでは…」
皇帝と呼ばれる青年が肘を肘掛におき
頬に手をついて、ニヤリと笑った。
「そうか…しかし爺やがそこまで言うのだ。
外れるってことはないだろう。
あと、あと少しで兵にもあれがいき届く
その後に我々はあいつを殺ればいい」
「それもそうですな、では準備を」
それだけ言うと、初めから何もなかったように、忽然と姿を消した。
「あと少しあと少しで、全て我がものに…」
皇帝は一人、呟いた。
********
練習場の鍵を返すため二人は、職員室に向かっていた。
「そういえば、亜可梨ちゃんは課題は終わらせた?ほら、
幻想獣についての考察ってやつ」
幻想獣とは、10年前に突如として世界に
出現した、未知の生命体のこと。。
幻想獣については多くのことはわかってないけど、少しづつわかって来たんだまず一つ出現時にある一定の電波を発すること
そして二つ目が己以外の生物を全て食らう。
犬も猫もそして、人も。
そして一番の難点が幻想獣にただの兵器は効かないということ。
人類最強の兵器といっても過言ではない水素爆弾でさえ部分欠損のみで倒すことができなかったんだって。
だけど、ある研究施設が作った兵器でそれは変わる
それが、IB弾という兵器。
意味は幻想を砕く
IB弾はコストの面で
あまり大きな兵器は作られてないけど
様々な戦場で使われているんだよね。もちろん私達も実戦で数回使ったことがあるんだ
銃器用の弾でね。
「ノート見ながら何を一人で何語ってるの?
それで、宿題は?」
「ぎくっ⁈」
亜可梨は顔を引きつらせた
「まさか!まだ終わってないの⁈
明日提出だよ!」
「もも、もちろんやってるさぁ!」
亜可梨はそう言うと、さっき見ていたノートを広げた。
「あれ?ちゃんとまとめて……⁈
ちょっとまって!亜可梨ちゃん!
これ私がまとめたノート!
なんで、亜可梨ちゃんが持ってるの⁈」
「一生お願いです!智可ねぇ様!
どうか宿題を写させて下さい!」
それは見事までの土下座でした。
「ちょっと、亜可梨ちゃん⁈
やめて!わかったわかったからー!
頭あげて!」
亜可梨は頭を上げた。
「見せてくださるのですか?」
「もぉ、今回だけだよー?」
智可梨がそう言うと亜可梨が思いっきり抱きついた。
「智可ねぇ様だーいすきー!」
「全く、亜可梨ちゃんはしょーがないなぁ」
智可はまんざらでもない様子で
デレデレだった。
ちなみに、智可梨と亜可梨は姉妹だが年は一緒で学年も一緒。なので普段はお姉ちゃんとかとは呼ばないが、何かを頼む時だけ亜可梨がねぇ様と呼ぶ、それに対して智可梨も
普段呼ばれないせいか嬉しくなって大抵のことは許してしまう。ちょろいのだ。
「「⁈」」
突然、人気のない職員室横の研究室から物音がした。
「ちち、ちじいか…い、いま物音がし、したような?き、きょう警備員さんの人しか
い、いないは、はずだよね?」
亜可梨は声を震わせながら言った。
「そうだね?誰かいるのかな?」
「ま、まさか!学校で流行ってる怪談の
七不思議の一つ爆薬のけ、研究者⁈」
「……不思議なネーミングだね…」
亜可梨が説明を始めた。
「そ、その研究者は昔ある特殊な研究中に
薬品の配合を間違え、薬品が爆発してしまい
死んじゃうんだけど。その研究が成功してない無念のあまり、ある特定の日にいつも、研究者室で実験をしてるとかしてないとか」
「よし、もしかしたらドロボーかもしれないし見てみよう!」
そう言って智可梨は一人スタスタと研究室に向かった。
「ち、智可〜お、置いてかないで〜⁈」
第1話読んでくださりありがとうございます。
お見苦しいところも多々あるとは、存じますが
どうぞよろしくお願いします。
投稿については不定期になりますが、どうかご容赦願います。