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「アンジェリカ様は!」


塔へと戻ったアークヒル達を迎えたアンナは開口一番そう言った。どこを見てもアンジェリカの姿はない。その目はなぜ連れ帰ってくれなかったんだというものだった。


「少し時間が欲しい。彼女の身の安全は保証する。あとしばらく私達をここへ置いてくれないかな。ここはなにかと便利なんだ」


「アンジェリカ様の見張り役も今はいないので大丈夫ですが、、、」


「それはありがたい。自己紹介がまだだったね。私はザライスコ国の第一王子アークヒル。顔も見たことないだろうから信じてとしか言えないんだけれど。」


「ザライスコの王子様!?」

アンナは一瞬驚いた顔から怪しむ顔へと変わる。


「あっ、そうだ!これを見てくれないか?」


ポケットから出したものをアンナへと渡す。


「これは、アンジェリカ様!」


「小鳥が運んできてくれた。私はアンジェリカを迎えに来たんだ」


アークヒルはアンナに味方になってもらうため自分の身に起こったことを話した。それを聞いてアンナは王子が神扱いされているのに対し、アンジェリカが気味悪がられ、こんなところへ閉じ込められ不公平だと不満をもらした。


「あんなに素敵な色なのに」


「そうだろ。あれは私の色だからね」


「?」


「とにかく私は今の場所から彼女を助けたい。手伝ってくれるね?」


「もちろんです!」


こうしてアンナの協力を得たアークヒルは、王宮でのアンジェリカとの顔合わせまでの間、自国へ手紙を送ったり王宮で王様に謁見したりと忙しく過ごした。もちろんウィンレット前侯爵、現侯爵に余計な事を言わないように口止めは忘れない。そしてザライスコから思いもよらない人が来る。







「アークヒル様、、お客様が来てます」そうアンナに言われ向かった先にいたのは


「旅行もたまにはいいものね」


「あの、、、なぜ、、、」


「なぁに?アークばかりずるいじゃない」


「なぜノーブライトへ??それより来たのなら王宮へ行くのが普通ではないですか!どうしてこの領の、それもこんな塔までくるのですか!危ないとは思わないのですか!」


アークヒルの元へやってきたのはザライスコ国王妃、アークヒルの母親だった。


「ここにアンジェリカが住んでいたのね。かわいいお部屋。でも少し寂しいわね」


「無視しないでください!」


「はいはい。そんなに大きな声を出さなくても聞こえているわ」


「どうしてここへ?」


「どうしてってあなたの変わりよ。あなたが先発隊と来てしまったから今回枠が空いたのよね。で、来ちゃった」


「枠って、、別に来なくても良かったですよね。元々私がくる予定だったのが早まっただけですから」


「あの人にお願いしてみたらいいよって言ってくれたのよ。それにあなた困っているんでしょ。手紙読んだわ」


うっ!と言葉につまる。


「私もアンジェリカのために何か出来ると思うのよね」





顔合わせの数日前から王妃とアークヒルは王宮へ滞在することになった。





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