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顔合わせの当日アークヒルはアンジェリカにつけた護衛から報告を受けていた。


「ご苦労だった」


侯爵家から王宮へ向けて馬車が出たとのことだったが気になることがあった。


侯爵家から出た馬車は2台。


「、、、まさかな。一応保険をかけておくか」






ウィンレット前侯爵が連れてきたのは絵姿のアンジェリカより少し年上のようだがほぼその通りの女性。


「これがアンジェリカでございます」


顔合わせに来た女性をみてアークヒルは笑ってしまった。微笑んだのではなく面白いものを見たような笑い。直ぐにそれを引っ込めると


「馬鹿にするなよ」


アークヒルの冷たい言葉にその場が静まりかえった。そこにザライスコ国王妃が疑問をなげかける。


「どうしてこの子髪がブラウンなのかしら?瞳も青いわね」


その言葉に驚いたのはウィンレット前侯爵だけだった。


ザライスコ国では黒目黒髪のアンジェリカの絵姿は当然黒で書かれた。だがこの国に住むものにとって、他国はどうであれ自国では黒目黒髪の人が存在しないと思っていた。ウィンレット侯爵家以外は。だから絵姿を見ても黒で書かれただけという認識しかなかった。6歳から今までアンジェリカを見たものは身内に限られる。そこをウィンレット前侯爵は逆手にとったつもりだったのだろう。アンジェリカに良く似た姉を連れてきたのだ。


ノーブライトの王は訳がわからず尋ねようとするがアークヒルの強く握られた拳に怒りを隠しきれない様子を見てとり、ウィンレット前侯爵のほうへ声をかけた。


「ウィンレット前侯爵、お前は何をしたのだ」


「も、申し訳ありません」


すべてが露見した。


髪と瞳の色が変わったという話、幼い我が子を病弱と偽り10年もの間塔へ閉じ込めた話、どちらもすぐには信じられないことだった。


「お前は親ではないな」

ノーブライトの王はそう言った。


「アークヒル殿。此度はすまなかった。これは何も知らず、確かめもしなかった私の責任でもある」


「謝罪は結構。母上ここは頼みます」


「私もそちらへ行きたいのだけれど仕方がないわね。早く行きなさい」


アークヒルは部屋を飛び出していった。残されたザライスコ国王妃はにやりと笑った口元を扇で隠し


「さて、ノーブライト国王様、ウィンレット前侯爵、わたくしとお話をしましょうか、大切なお話をね」






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