表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドラゴンになりたいッ!!  作者: コロッとしたもの
第1章:「で、結局ドラゴンじゃないのね・・・」
12/106

第11話:ピンチの中のチャンスは火中の栗と同じ

間違って1コ飛ばしで投稿してしまってた・・・orz

無事修正終わりました!危ない危ない・・・

第11話:ピンチの中のチャンスは火中の栗と同じ



――――――――――



「去ねぃ!」


 俺の胴体に向けて、別々に3方向から炎が飛んでくる。ギリギリの所で回避出来たが、回避できたのは最初の1本だけで残りの2本が容赦なく俺の胸と腹に突き刺さった!


「ぐああああっ!!」


 まずい、一気に食らってしまった。これだけ攻撃がデカいと物理的なダメージ以上にここからの延焼ダメージが脅威になってしまう!


「ぷぴーーっ!ぷぷー、ぷぴぃー!(5-19番バリスタが大破!乗組員も80%以上が死亡しました!)」

「プピィ、プピィ!(至急消火を!え、延焼が止まりません!)」

「テレジアッ、至急消火を頼む!」

「任せてください、[アクアブレス]!」

「プ…ぴぃ…(団…長…)」

「ぷぴぃぃいぃぃ!(熱いよぉおお!)」


 俺の中から響いてくるドール達の悲鳴が、俺の心を容赦なく叩いてくる。


「ぐぅ…応えられる奴なら誰でもいい。残りのドールは何体ほどいる?」

「プピー…(残りは…)」


 ドールの声が力なく止まった。恐らくは――


「ぷぴぃ、ぷーぴぃっ…ぷぴぷー…(先程まで3体…でしたが、1体が死亡しました。残りは私を含めた2体だけです)」


 ローズに呼ばれたときはあんなにいたのに、プピプピ言いながら並んでいたのに、もうこれだけしかいなくなってしまったのか…

 出来る限りは戦い抜こうと思っていたけど、個人的にも思い入れのあるドールを全滅させるのだけは本気で避けたい。いざとなったら俺が盾になってでも――


 盾に、か。


「悪いがテレジア、残ったドールを連れて逃げるんだ」

「!?いきなり何を言っているのですか!」

「流石にこれ以上は戦えそうに無い。せめてお前達だけでもローズと合流するんだ」

「そんな…」


 テレジアは悲しそうな声でドール達を見るが、ドール達はまだまだやれると腕を振り上げている。


『…本当に、アルさんはそれでよろしいのですか?』

 珍しいな、お前が話しかけてくるなんて。

『正直、私は立ち向かうべきだと思います。ドール達は同じ進化の道を通ったあなたを慕っています、もしあなただけが残ったとしてもすぐに破られ全員やられてしまいます』

 だったら…だったらどうしろって?

『ここにいる全員で立ち向かった方がまだ望みがあるということです。個々の力は相手に遠く及ばないのに単独戦を挑むのはどうかと思います』

 勝算は皆無、それでも行けと?

『皆無ではありません。可能性は十分にあります』


 どうしてそんな確信めいた言い方を出来るのかは解らないが、恐らくは何か秘策が彼女にあるのだろう。多分。


「ぷぴー!(仲間の仇だ、くらえーっ!)」


 残ったドール2体が懸命にバリスタを撃とうとするが、2体では弦の張る為のハンドルを最大まで回すことは出来ない。

 結局、放たれた矢はむなしく俺と赤竜の間に落ちてしまった。


「お前ら!そんな所にいたらブレスに巻き込まれて――」

「プピィ!(死ぬ時は一緒だ!)」

「ぷぴっ(ずっと付いていきますよ)」


「ふん…」


 赤竜は余裕の表情で俺を見る。


「クソッ、せめてこいつ達だけでもどうにかできないのか…!?」


「全く理解できんな。何故アンジーはこんな奴に執着するのだ」


 ――え?今なんか知ってる名前が出てきたような気がするぞ。


「え、ちょっ!アンジーを知ってるのか!?」

「ふん、やはり知っているか」

「いやいや、知ってるも何も!出会って10分の俺を地面に叩きつけてボッコボコに踏んだんだぞ、忘れる訳が無い!」

「え?」


 しばらくの沈黙。赤竜がまた質問をする。


「彼女の家に火を放った外道だと聞いているが?」

「元々、俺の頭に火を着けた時の飛び火なんだけど」


 赤竜は眉間を押さえ、ううむと声を漏らす。


「は、母が巻き込まれたとむせび泣いていたぞ」

「実際は母親にこっぴどく叱られただけ。その場にいたし間違いないぞ」


 さらに沈黙。赤竜はがっくりとうなだれ、特大のため息をついた。


「そういう事か、またなのか…」

「また?どういう事だよソレ」

「いや、まずは謝ろう。本当に申し訳なかった!」


「いきなり謝られても、こっちは何のことだかさっぱりわからん!」

「ああ、すまない。実はな…」


 赤竜はごほん、と咳払い俺に向きなおした。


「我はアンジーの親を殺した外道を何としてでも殺せと命令されていた。が、またしても完全に騙されていたらしい」

「オイオイいいのか、そんな簡単に俺の言う事信用して?」

「以前にも何度か騙された事があったのでな。今回こそはと踏んでいたのだが…この有様だ、申し訳ない」

「そりゃどうも、こっちはすっげぇ犠牲者出てるのに」


 そう何度もコロっと騙されたら自分の考えにまるで自信が無くなってしまうもんなんだろうな。


「本当に申し訳ない…!」


 相当悔しくて申し訳無かったんだろう、彼の目には涙がうっすらと見える。

 まぁ、騙されたにしろ自分のとった行動にはキッチリと責任をとってもらおう。


「あ、そうだ!お詫びとしてさ」

「むぅ…何だ?」

「俺と合体してくれ」



「…は?」



 あ、今物凄く変な勘違いされてる。


「俺、HPもMPもカラッカラだからさ、[被服吸収]のスキル使って回復したいわけよ」

「なるほど、そういう意味での合体なら大丈夫だ」

「ちなみに今ってアンジーここに来てる?」

「ああ、場所も知っている。――案内しようか?」


 うおっ!棚ボタうめぇ。これで当初の目標だった「1発(以上)殴る」と「泣いて発狂するまで罵倒する」が実行できるぞ!


「ああ、頼んだ!んじゃあ早速合体するぞ!」

「うむ」


 以前俺がカカシだった時のようにリザードマンを確保する要領をイメージすると、前胸部が縦に割れて開き、更には腕や足も同様に開いた!

 赤竜は袖を通すように腕を入れ、俺が閉じると見事に鎧のような外見になった。


 うん、今の頭身と相まって結構カッコいいぞ!むしろこれは鎧としてもいけるんじゃないか!?


【称号:火竜王の鎧を入手しました】

【称号:パワードアーマーを入手しました】


 アイツ火竜王なんて呼ばれてたんだ…よく生き残ったな、俺。


――――――――――



「今日こそは…今日こそはアイツを殺してやる…ッ!」


 黒いローブのフードを目深にかぶった少女が苛立った口調でうろうろと歩く。


「待たせたな、アンジー殿」

「おお火竜王!で、首尾は!?消し炭にしたか?」


 火竜王はゆっくりと頷いた。


「ああ、無事にな。そのことで話があるのでな、少し静かな所までよいか?」

「もちろん!その程度なら問題ないわ」


 軽い足取りでアンジーは火竜王の後を付いて行く。しばらく歩いたところで、少し大きめの茂みに到着した。


「火竜王のあんたにはあの木馬程度、敵じゃなかっただろ?」

「ああ、確かに――」


 火竜王の隣の茂みから、木製の巨大な竜車が出てきた。


「――我の『敵』ではなかったな」

「ここで会ったが100年目!ようやく見つけたぞこのガキがっ!」

「アイエェェエエ!?生キテルナンデ!?」


 俺は今まで押さえ込んでた感情を爆発させる!


「てめぇのせいで…てめぇのせいでこちとら雨ざらしになったり、鳥についばまれたり、放火されて部下を殺されたり散々な目に遭わされたんだよ!!その罪、100叩きを以って償うべし!」

「アンジー、我を騙すとはいい度胸をしておるではないか」


 アンジーは俺の登場を予想だにしていなかったのか、かなりテンパってる。けど状況をすぐに飲み込んだのか俺に憎悪の目を向ける。


「折角…折角の異世界ライフをぶっ壊しやがって…!このままじゃ終わらせねぇ、絶対にぶっ殺してやるからな!」


 アンジーがぶつぶつと詠唱すると、彼女の足元に何かの陣が浮かび上がる。そのまま彼女の姿は忽然と消えてしまった。


「自業自得だっての」

「な、転移魔法だと!?」

「まぁ、あの言動なら納得だな」

「む、どういう事だ?」


 さっきの発言といい、出会った時の対応といい…思い当たるのは「アレ」だけだもんな。


「多分、アンジーは俺と同類だ」

「というと?」


 あ、火竜王にはばれちゃうけど…まぁ、いっか。どうにかなるだろう。


「俺と同じ、転生者だよ」



――――――――――――――――――――――


トロイドラゴン【ランクD】 Lv12/24


 名前:アルフレッド


 状態:通常


 HP:247/782(+277)

 MP:183/538(+139)

ATK:252(+99)

DEF:288(+113)

MAT:310(+88)

MDF:446(+158)

AGI:198(+45)


パッシブスキル:[痛覚軽減Lv6][HP自動回復Lv3][ダメージヘイトLv4]


スキル:[ステータス閲覧][発声]

    [念動力Lv6][被服補正Lv4][被服吸収Lv4]

    [火魔法Lv3][氷魔法Lv3]

    [バリスタLv2]

    [ロングダッシュLv1]


 称号:[転生者][クレーマー][ホラー人形][燃えるゴミ][放火犯][害虫駆除業者][雑巾]

    [二束三文の安物][パワードスーツ][人見知り][ミイラ取りのミイラ][対リア充決戦兵器]

    [神の依代][空調服][効率重視][叩かれ屋][クラスチェンジャー][怠け者][上司の靴磨き]

    [キャンディー工場][ただのカカシ][夜間警備員][ホラーカカシ][固定砲台]

    [火炎放射器][高性能カカシ][解体業者][戦車][怪獣][送迎バス][事故車][道路清掃車]

    [軍団長][一城の主]*[火竜王の鎧]*[パワードアーマー]


 補正:[ HP+55%]↑ [ MP+35%]↑ [ATK+65%]↑ [DEF+65%]↑

    [MAT+40%]↑ [MDF+55%]↑ [AGI+30%]↑

    [火攻撃+160%]↑ [火耐性+30%]↑ [水攻撃+30%]  [水耐性+30%]

    [氷攻撃+20%]  [氷耐性+30%]  [雷攻撃+20%]  [雷耐性+20%]

    [風攻撃+20%]  [風耐性+20%]  [土攻撃+25%]  [土耐性+20%]

    [光攻撃+20%]  [光耐性+20%]  [闇攻撃+60%]  [闇耐性+20%]

    [対虫系+10%]  [対鳥系+40%]  [対獣系+40%]  [対構築物系+20%]

    [対高Lv系-10%]  [対低Lv系+10%]

    [取得経験値+60%]  [進化必要レベル-20%]  [HPMP吸収率+40%]

    [遠距離射程+40%]


            

――――――――――――――――――――――



称号詳細――


[火竜王の鎧]:火竜王の身を守る鎧となった記念です。けど、木製なので鎧といっても大したことないんでしょうけれど。[DEF+10%][MDF+10%][火攻撃+50%][火耐性+50%]


[パワードアーマー]:パワードスーツよりもより頑丈に仕上がった上等品です!お高いですよぉ…[全パラメータ+10%]

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ