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xross adventure   作者: 鬼々崎うらら
0:Where were you from?
21/54

炎の少年の軌跡⑪


12/24。

雪がしんしんと降るこの日。

赤い斑点が、道に敷かれた雪をじわりと染めていく。

炎の少年は、とめどなく溢れる血を必死に止血しようとしながら、静かな雪道を全速力で走る。

身体のあちらこちらにも、アレルギーのような赤い斑点ができている。

体力の限界を感じたのか、膝から崩れ落ちた。

もう、動かないなんて。

逃げなきゃ。

逃げないと殺される。


後方から声が飛んでくる。

アンタはね、アタシの能力で死ぬんだよ。

知的なイメージを与えるローブを羽織った金髪白肌の女は、倒れている炎の少年のすぐ隣に立つ。

女の額からは、小さな角が生えていた。

その顔は、ニヤリと笑っている。


炎の少年は聞いた。

どうして、僕を執拗に追いかけるんだ。

金髪白肌の女は、肩を竦めてため息をつく。

簡単だ。君を殺したいからだ。

君じゃなきゃ気が済まないんだよ。


ここまで来たのに残念だったね、主人公君。

君の血液は、私の能力によって、君の身体を内部から蝕む。もう助からんな。

止めと言わんばかりに、炎の少年の胸に、女の腕が刺さった。

ふふん、さよなら。

炎の少年は、それっきり動かなかった。


気の毒ね。

けど私は、運命を変えようとした、一線を超えた行為を行った君を助ける気はさらさら無いよ。

神器を勝手に使って好き勝手やったことは見逃してあげた。そうだろう?

神の集う地にて、時女神三女は呟いた。





炎は、冷たい雪に覆われてしまいそうだった。






変動率:49.000000...%

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