並行世界観測日記⑤
『前の世界で、時女神のウルドから、どうして同じ結果がループしてるのかを教えてもらった。
そして、由紀くんが私の為に動いていることも。
私としては辞めて欲しかったんだけど、まああの子を止めても止まらないからね。
そして・・・どちらかが死ぬ未来が必ずやってくる運命は、どれだけタイムスリップしても変えられないことも。
由紀くんはこれ、気付いているのかな。
でも、それが分かっていても、私がこのタイムスリップを止めないのは、やっぱり由紀くんに会いたいから。
私のことを誰よりも思っててくれる、私の死んだ世界線の由紀くんに会いたいから。
この円環は絶対不変とは分かってるけど、それでも。
由紀くんが死んじゃうしかない世界線で生きるこの私が、あの子に唯一我が儘を言うとしたら。
「愛してる」って、言って欲しい。
抱きしめて欲しい。
誰にでも無慈悲愛を振りまくよう努めてきた私に、溺れる以上の愛をくれて欲しい。
もっと、もっともっと、由紀くんの愛に溺れたい。
そんな我が儘も、あの子に会ったら伝えるの。
ちゃんと告白もするし、我が儘も言う。
だから、今まで私が歩んできたこの円環も、この道も、こんな夢に描いたゴールに収束してると信じてる。
この道を、どこまでも、歩いてゆこう。
そう、今なら思えるわ。』
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