表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
xross adventure   作者: 鬼々崎うらら
0:Where were you from?
16/54

炎の少年の軌跡⑨



ただいま。

炎の少年はまた、神の集う地へと戻ってきていた。

着物姿の彼女がいない、この世界の決められた運命を40週してから。

どうせ彼女がいる筈もないこの世界の運命を、いつの間にか炎の少年は、作業感覚で何となく廻っていた。

そこに感情などある筈もなく。

希望などとは程遠い、"無"しかなかった。


しかし時女神の三女の返答は冷たい。

君はシュレディンガーの猫を知らないのかな。

こちらの世界線では着物女が死に、着物女が彷徨っている世界線では君が死ぬんだろう。

つまりどちらか死ぬ道しかないってことさ。

運命を変えようなんてのは、潔く諦めることだね。

君は神でもあるまいし。


炎の少年は、睨んだ。

あんたは時女神だろ。

神様なら何とかしてくれよ。

未来の運命とか、そういうの担当なんだろう。


三女は微笑む。

いいや、私にも無理だね。

未来の運命は確かに私の専門分野だが、直接私が関わることは出来ないからね。

だから私は、今君がやってるそれを潔く諦めることをお勧めしたいね。


だがね、と付け加える。

"奇跡"と人間の間で定義付けられている"必然"を、君が希望と信じたいのなら話は別だ。


世界線が二つある。どちらも、君か着物女のどちらかが必ず死んでしまう。

この運命は絶対不変である。

その不変の運命を変えるべく、彷徨う観測者が二人。

それぞれの世界線にいる。

では問題だ。


そう言って。

止めの決め台詞と言わんばかりの、得意気な表情で、炎の少年に課題を出す。







"この条件を踏まえた上で、君達は互いをどう助け合う?"







では健闘を祈るとしようか。

Light your fire.

時女神三女の言葉が投げかけられたそこには、既に誰もいなかった。





変動率:42.004198...%

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ