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第15話

日付が変わって夕方。吉澤が準備したスーツを身にまとい、イケメン隼人となっ

ていた。屋敷の女性陣が見惚れてしまっている。

「服装一つで変わるものなのねぇ。」

「いつも地味だから気付かなかったけど、イケメン……」

「うわぁ、ナルシストみたいですぅ〜♪」←?

分かっていると思うが順に、弥生さん・連華さん・吉澤だ。

思い思いの感想にげんなり萎え気味の隼人は内心もっとマシな感想はないのかよ!!

、と叫んでいた。

「それなら金持ち連中を一撃で沈没させれるわよ!」

妙に力説する連華さんは魔女のごとき不気味なオーラを出していた。

「そんな事より時間無いんじゃ……」

時刻は6時を回っていた。パーティーは7時からなのだ。

「愛理、急いで準備!!」

弥生さんが半狂乱になって叫ぶ。既にドレスに着替えていた吉澤はバックを掴ん

で玄関へ走り出した。まだ屋敷の構造を把握仕切れていない隼人は遅れまいと、

吉澤に付いていった。



出発の騒動が一段落した車内。

「隼人くん。」

弥生さんが隼人にソッと耳打ちしてきた。

「パーティーで愛理に近付く虫は排除して貰っても構わないわよ。何をしても吉

澤が解決するから安心してやりなさい。」

…つまり、殺人許可が降りたということだ。吉澤財閥には隼人も知らない裏の顔

があるのだろう。

「こういった社交パーティーは初めてだと思うけど、気楽に行くのよ。それと愛

理に危害が加わらないようにお願いしますね。」

「心得ました。」

「そんな堅苦しいこと抜きで楽しみましょうよ!」

「仕事には私情は挟まない。それがボディーガードの基本だ。」

「そうかも知んないけど、楽しく無いですよ〜。」

「俺は俺で楽しむさ。心配しなくても構わない。」

隼人は吉澤の視線から逃れるように窓から空を見上げた。

「……私では不満ですか?」

何気ない一言だが、核兵器級の威力はあった。隼人は慌てふためき次の言葉を探

しているし、弥生さんはどうフォローすればいいか困りきっている。

「いや…あ…そのな、不満とかじゃなくてだな…。」

「だったら私といて下さいよ〜。」

上目遣いでおねだりして来ても隼人には通じるわけがない。が、今回は隼人が折

れた。弥生さんは同情の目を隼人に向けるも、本人は気付いていないご様子。




一時期車内は修羅ったものの無事に豪邸についた。吉澤の屋敷は豪邸という感じ

がしたがここはまさしく城だった。

「見とれていては田舎もの扱いされるわよ。」

弥生さんが可笑しそうにクスクス笑っている。

「では、参りましょうか?」

吉澤はそっと隼人の腕を取って城へ誘った。



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