表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/16

第12話

繁華街を通過してデパートへ。ほとんど映画を見に行かない隼人は付いて行くだ

け。女性陣は隼人がいないかのように盛り上がっている。

「チケット買ってきます。運命で良かったんですよね?」

盛り上がっている最中申し訳ないと思いつつも、映画館に着いても話し込んでい

る三人に聞いてみた。

「えぇ。よろしく頼むわ。」

雪乃さんが即答する。隼人はいそいそとチケットブースへ向かう。



〜女性陣〜

「雪乃もしかして隼人くんに気があるの?」

「そ、そんなわけ無いでしょ!!」

「顔が真っ赤だよ☆」

「そんなこと無いって!!確かに隼人くんは顔は良いけど、私はああいう空気を読

んで無さそうな子は嫌いなの!!」

「その反応怪しいな〜。」

「正直に言っちゃえ☆」

「そういう連華はどうなのよ?」

「隼人くんはなかなかだと思ってるわよ。でも愛理がぞっこんでねぇ。下手に手

を出したら殺されちゃうわ(笑)」

「答えになってないわよ!!まぁいいわ。美咲はどうなのよ。」

「私〜?そ〜だねぇ〜……好きだよ♪」

「本気?」

連華と雪乃は飛びついた。

「本気だよ☆」

「それって……」


詳しく聞き出そうと雪乃が身構えた所に隼人が帰ってきた。一人一つずつポップ

コーン付きで。

「ありがとう。いくらかしら?」

雪乃を始め代金を払おうとした面々は隼人にやんわりと断られた。

断るだけ断った隼人はそのままシアターへ。




映画が終わると女性陣が号泣していた。恋愛ものだが最後に主人公が死んでしま

うアメリカ映画には珍しいバッドエンドだったのだ。スタッフロールが終わる前

に気を利かせて席を立った隼人。

長時間座っていたので凝り固まった体を解すように背伸びをする。

「ごめんねぇ〜。」

まだ目元が赤いまま連華さん達が出てきた。

「いえ、構いませんよ。お昼過ぎてますし、どこか食べに行きませんか?」

「いいねぇ。お腹すいたし☆」

美咲さんはノリノリで賛同する。

「悪くないわ。」

「そうね。」


結局は女性陣のペースに飲まれて、三歩後方を歩く隼人。元より会話に参加する

気など無いので、フラフラしている。

繁華街の角で露店を開いているのを見つけ、興味本位で立ち寄った。

年配の白髭が特徴的なおじさんが店番をしており、隼人に早速声を掛けた。

「気に入った物があったかね?全てワシの手作りでな。決して同じ物はないぞ。

シルバーを大事そうに見つめるおじさんからは職人としての品格がひしひしと伝

わってきた。隼人は馬のデザインが施された指輪に目が止まった。

「ん?あぁギルダーの指輪とな?若いのに良い目をしておる。」

おじさんはギルダーの指輪と呼ぶ指輪を取り隼人に手渡した。

「ワシが作った中では最高の品じゃ。刻んである馬をギルダーと言う。幼い頃良

くこの馬と遊んでの。あの日が懐かしいわい。」

ほほほ、と快活に笑うおじさんは幸せそうだった。

「コレ、頂けませんか?」

思っているほど高くはなく得した気分になっていると、隼人を探しに戻ってきた

連華さん達に睨まれた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ