細胞の分化を司るもの
この物質の世界に、生命エネルギーが合体する瞬間は、ジェット戦闘機が、空母に着艦する瞬間に似ている。超光速で飛び回っていたジェット戦闘機のような生命エネルギーが、物質の世界の細胞に結合するのは、そのようなショックが発生する。
細胞は、震撼して、生命が宿り、命がスタートする瞬間である。
生命エネルギーは、超光速で移動するエネルギーであるので、物質と結合すると、超低速状態に陥る。そのキャップを埋めるため、生命エネルギーのほとんど大部分を停止状態にしざるをえない。
そして、その停止状態から、徐々に、地上のリズムに適応していく。もともと持っているエネルギーは膨大なので、そのエネルギーを全開すると、とんでもないことになるので、本当に、少しずつ、少しずつ、エネルギーを動かしていく。ジェットエンジンから、本当に、針の穴のようなエネルギーを出していくようなものに似ている。
細胞は、分化を始める。最初は2つに。4つに、8つに。瞬く間に、たくさんの細胞に分かれていく。それが、卵のもっている力だと思っているが、生命エネルギーの力に他ならない。
この生命エネルギーは、意思をもったエネルギーだ。カマキリには、カマキリの意思のエネルギーがある。
カマキリの卵が生まれると、悲しいかな、喜ぶべきか、カマキリの卵に、カマキリの生命エネルギーは、強烈に引き込まれて、合体する。それは、生命の宿命というべき、現象なのだ。
細胞の数は、ものすごい勢いで、増えていくのをコントロールのは、超光速生命エネルギーで、それは、遺伝子同様のパターンを持っている。カマキリの原型は、細胞の遺伝子と生命エネルギーの合作で作り上げられていく。
戦艦大和の模型をつくりあげるように、細胞は、分化をして、材料をどんどん作り出していくが、カマキリの形に組み上げていくのは、低速下した生命エネルギーである。
超低速下することによって、生命エネルギーは、時間というものを手に入れる。
時間を手に入れた生命エネルギーは、地上の生命の時を生きる。カマキリの一生、一年の時を手に入れるのである。超光速生命エネルギーには、すべてを一瞬で行動してしまうという性質上、一つの卵から、一匹のカマキリと時間をかけて、のんびり、のんびりをカマキリを生み出せるのは、楽しくて、面白くて仕方が無い。
だから、すこしばかり、たいへんでも、その冒険をしたい。
そう、そのときばかりは、ちょっと、神様になったような、不思議な高揚感が生まれるのである。
一瞬で、なんでも出来てしまう、瞬間瞬間の世界にいきる生命エネルギーにとって、地上のノロマな生命への格闘は、冒険と危険に満ちあふれている。しかも、たくさんの兄弟、100匹のカマキリの内、生き残るには、ほんのわずかというもの、生命エネルギーには、勝率の少ないその冒険が、大好きなのだ。
そして、カマキリは、卵からはい出した。