表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/51

生命エネルギーを継承する方法 種の保存の法則

僕の始まり。

お父さんカマキリとお母さんカマキリの精子と卵子の出会い。

精子も卵子も、単独で命をなることが出来ない半端者。

遺伝子を半分しか持たない半端者。


しかし、新たな命を引き継ぐ生命エネルギーの仕組みだ。

昔のテレビ番組にウルトラマンというのがあったが、ウルトラマンは、地上に3分間にかいられない。

僕たちカマキリだって、春から秋までしか生きられない。

もし、地球が、春夏秋冬が無くなってしまったら、僕たち、カマキリはどうやって生きていくのだろうか。

赤ちゃんや親が同時に存在したら、赤ちゃんは、あっという間に食べられて、絶滅してしまう。

命を引き継ぐためには、仕組みが必要なのだ。


精子と卵子の結合。

そこに存在する強烈なエネルギー。

まるで、サケが、海から大きな川の上流にさかのぼっていくように、途方も無いエネルギーが必要だ。


しかし、精子と卵子が、生命を育む仕組みだ。


この精子と卵子には、お父さんカマキリとお母さんカマキリの生命エネルギーが引き継がれるわけではない。新たなエネルギーの出発なのだ。それは、どこからくるのだろうか?


ぷらとん。おふとん、トントン????


「プラトンの言ったイデアの世界を思い出してごらん」と、カマキリのお父さんの声が、僕の心の中から聞こえてきた。カマキリお父さんとおかあさんは僕の心の中にいるのだ。


「生命エネルギーの世界は、単にエネルギーがあるという世界ではないんだよ。

この地上より、より高度に発達し、整備された世界が、開かれている。

高度な世界文明。

光速を下限するその世界には、この地球のような物質という概念はなく、存在が、全てだ。

意識の存在が、すべてなのだ。エネルギーの存在が全てなのだ。


言葉を発する前に、意識が動くと、そこに行ってしまう。

地上では、なにか、行動するためには、思考して、計画を練って、順番に行動するけど、光速を下限とする世界では、思考が、行動の全てで、順番という概念も存在しない。

そう、映画の「マスク」の主人公のような感じの行動形式。」


「私と他者が、別々に存在するというより、一体化しているような、いないような。

なにか、超高速で、一体化している。


そう、神とも一体化している。


しかし、地上の生命に、合体し潜り込むと、すべては、超スローモーションになる。千倍の遅さ、1万倍の遅さになる。

そのままだと、衝撃が大きすぎるので、一端すべてのエネルギーを封印する。

そして、徐々に、地上のスピードになれるようにするのだ。

赤ちゃんが、なにもできないのは、このスピードの封印しているせいだ。

光速を下限とするエネルギーを、光速を上限とするエネルギーに合わせるために、あたかも、ピストルの弾を、粘着質の物質の中に、打ち込んで、一旦、動きを封印して、いままでの過去を忘れ去って、のろのろと光速を上限とする世界で、もそもそと動き出すのだ。」



この時、カマキリ一族の一つのエネルギーが、精子と卵子に飛び込む。僕が、カマキリになる瞬間である。そのエネルギーは、強烈な力を発揮して、卵の分化を始めさせる。その飛び込んだエネルギーは、急ブレーキを踏んで、のろのろになって、ようやく、遺伝子の分化を始める。

あまりにも速い世界にいたので、遺伝子をゆっくりとゆっくりと組み替える必要がある。

さもないと、超光速エネルギーのままだったとうると、僕たち、カマキリの一生が、数秒、いや、一秒もかからずに始まり、終わってしまうのだ。

それじゃ、地上に生まれる意味がない。

それを、1年という月日に対応した速度に、落とす必要がある。

それが、この地球の生命に、飛び込み、結合し、生きる意味なのだ。


とてつもなく、遅い速度にして、時間をかけて生きることが、この地上で生きる意味なのだ。その仕組みを神が、作りだしたこと。



卵子の分割が加速すると、生命のエネルギーも分割を始める。一端停止したようになった生命エネルギーが、細胞の分裂ともに、少しづつ、速度を持ち始める。しかし、単純に速度をあげると、生命の時間が、どんどん短くなってしまうので、そのエネルギーの速度を細胞が増える数に分割していく。


人間の場合、細胞の数は、60兆個あると言われている。超光速生命エネルギーの速度も、60兆個に分割されて、ようよう、この地上生きる速度して、安定することができる。


光速を下限する世界の上限は、どのくらいだろうか?

光速を下限とすること自体説明できないのに、その上限を考えることは難しい。しかし、神、神。。 という概念が、登場しているところをみると、大宇宙を一瞬に把握する速度が存在しているようだ。


そんな速度が存在する訳がないという意見も聞こえてきそうだが、カマキリのお父さんの力強い、声が聞こえた。

「仏教には、無限の大きさ、無限の速度を表現する言葉がたくさんあるよ。超光速を表す言葉には、一念三千というものがあるよ。」


仏教が表現する、「この世」と「あの世」

それは、光速を上限とする「この世」と光速を下限とする「あの世」だったのだ。


仏教は、超超物理で、宇宙の実相を表現した世界であったのだ。そして、超超心理学でもあったのだ。


それを、人類が、継続して解明し続けたら、世界はどんなに変わったことだろう。

しかし、さすがに、仏教は難しかった。実態を把握できる人間の登場は、この数千年に一人登場するするのが精一杯なのだ。


「この世」と「あの世」の分離が明白で、生命現象が、唯一、それを繋ぐ道だが、その生命現象も、超超低速という方法で、ようよう実現しているのだ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ