誕生の記憶
僕には、この間、生まれたばかりだが、誕生の記憶がある。
お父さんカマキリとお母さんカマキリが卵に託した記憶が僕にはある。
卵は、命の伝承箱。
卵は、始めは卵だけれど、冬を過ぎて、春になる時に、僕は、赤ちゃんカマキリになる。卵の時には、鎌もなければ、足もない。
卵に託された命のエネルギー
それは、生命のエネルギー
生命エネルギーは、バラバラなる物質を繋ぎとめる力。
物質世界では存在しない、成長させる力
生命をつなげる力。
この世界は、光速が上限の世界。ニュートン力学や相対性理論が現す世界。
エネルギーと物質が、変換する世界。e=mc2 の世界。
そして、光速(秒速30万キロ)を上限の世界。
この世界は、観測される宇宙の数パーセントの質量とエネルギーしかない。この宇宙が存在するための質量とエネルギーを計算すると、この宇宙に存在するための質量とエネルギー量が、少なすぎる。まだ、存在しているのに、見つかっていない質量、エネルギーは、ダークマター(暗黒物質)、ダークエネルギー(暗黒エネルギー)と呼ばれている。ダークマター、ダークエネルギーが、存在の90%以上を占めていると考えられている。
物質には、重力が存在するので、宇宙に広がる物質には、重力がある。
ならば、その重力で、宇宙は縮小しなければならない。
しかし、観測される宇宙は膨張し続けている。そのエネルギーを突き止めることができない。
原子の原子核は、陽子と中性子で構成されるが、陽子同士は、プラスの電荷を持つので反発しあうはずだ。しかも、非常に狭い空間に集まっている。本来なら、反発しあうものが強い力で、束ねられて原子核を作り上げている。そこには非常に強力な力が働いているはずだ。距離が小さくなればなるほど、陽子同士の反発力は、強くなっていくはずだが、それを押さえ込む力が必要だ。しかし、現代物理学は、その力を突き止めることが出来ずにいる。
生命のエネルギーは、まだ、なにも解明されていない。しかも、原子核を束ねる「強い力」は、その存在が認められているのに、生命エネルギーはその存在さえ、想定されていない。まったくの無視状態なのだ。しかし、人類が観測できない90%以上のエネルギーと質量の中に潜んでいる違いない。
その生命の強力なエネルギーは、光速を「下限」とする世界に存在する。
光速を下限とする世界は、ニュートン力学や相対性理論が説明する世界とはまったく別の世界なのだ。それは生命のエネルギーの世界。
表現するなら高等エネルギーというべき世界。
単純なニュートン力学や相対性理論とは、まったく異質なエネルギー理論なのだ。
それも、複雑な理論が、幾重にも重なっているに違いない。
原子核の陽子を束ねてしまう「強い力」と、似ているように、生命とこの物質を結びつけ、物質を生命として動かしてしまう力が、生命のエネルギーだろう。この世界の単純なエネルギーとは、まったくちがう、高等エネルギーというべきもの。その向こうには、大宇宙を支配し、調和を保つ、神の世界に繋がっていくだろう。
僕の誕生の記憶をたどりながら、この高等エネルギー、生命エネルギーを解明してみよう。
できるだろうか?
卵と精子は、たった一つの細胞からなる。それも、正常な細胞ではなく、遺伝子を半分しか持たない中途半端な細胞なのだ。それが、出会わなければ、ちゃんとした、生命の卵になれない。
その出会いは、危険な賭けだ。
そもそも、一匹のカマキリが、大人のカマキリになるのは、何百分の1の確率なのだ。
命の出会い。生き延びたお父さんカマキリとお母さんカマキリの出会い。
その何百という卵が、赤ちゃんカマキリになるために、細胞分裂を繰り返し、赤ちゃんカマキリに変身をとげるのだ。
その記憶が僕にはある。