1-02.魔法とスキル
ぜえ・・・・ぜえ・・・・
路地に入り、どれくらい走ったのだろうか、道端に捨ててあったカーテンを拾って走りながら身に纏い、すれ違う人混みを無視して走りぬけ、止めようとする衛兵を殴り飛ばす。
火によって焼けただれた箇所がゆっくりと回復していくが、水疱となって激痛が体中を苛む。
この痛みは・・ 夢なんかじゃない。
俺は自分の机で寝ていただけだ!それがどうしてこんなことに。
少なくとも、夢だからといって焼かれたり、斬られたり、刺されたりするのはもう御免だ。
いや、違うな。そんな認識じゃ甘い。
なんだかしらんが、俺は異世界か、地球の見知らぬ土地にいる、どうにかしなければならない、逃げて情報を集め、然るべき行動を取らなければ。
心でそう思うと同時に、あんなふざけた真似をしてくれた奴らにそれ相応のことをやり返すことを誓う。
自業自得?そんなものはしらん。
人通りの激しい大通りのほうから警笛のような音とともに、走る音が耳に入る。
畜生。きっと俺をさがしてやがるんだ。
ゴミが捨ててある路地の片隅からこちらを睥睨する犬を睨み返して、気を抜けばへたりこんでしまいそうな脚に鞭を打ち、よろよろと走る。
どこまでいっても家、家、家、家!!
一体いつになったら外壁に到着する?
ずっと同じ方向に向かって走っているんだ、いつかは途切れるはずだろう!
実際どれほど走ったのかは覚えていない、路地を進むと、一際灯りが灯る屋敷があり、身を隠すようにして屋敷の外路を抜けると屋敷の影から
10mほどもある巨大な壁が見て取れた。
あれを超えろってか。
っち、無理だな。
壁にそって外界につながる門を見つけるしかない、この城下街に潜伏しても、こんな身なりで一文なしだ、すぐに捕まるだろう。
最悪 門番を組み伏せてでも、突破するしかない。
やれるか? いや、やらねば命に関わる。 夢と割り切っていたら、あの城で起こったことのように殺される。
古びて少し湿り気のある外壁に右手をつきつつ、壁に沿って南に進む、街灯から隠れるようにして、ゆらりと黒い影が姿を現した。
問答している暇はない。
「どけ!」
「っし! 大きな声ださないで! 助けてあげるからついてらっしゃい。」
透き通った、それでいて芯のある声が耳朶を打つ。
よくみたら女性だ。 金髪に赤い瞳をしている、身につけているローブによって体型はわからないが、顔立ちからして相当な美人である。
美人は基本的にはwelcomeだが、さきほどの城での一件が起こって間もない、まず関係者だろう。
信じられるわけがない。
「信じられない。 いいからそこをどけ、時間が惜しい。」
「少しは話、聞きなさいよ! 向かってる方向からツヴァイアウェイの門に向かっているでしょう。そこには衛兵が多数詰めているわ。
城が瓦解したのだもの、当然よね。 仮に突破したとして、あなたはどこへいくの?あてはあるの? 素っ裸でいたんでしょう?
事情があるんじゃないの? 」
女は矢次早に質問を浴びせかけてくるが、俺にも分からんことを聞くな! 遠くから聞こえる喧騒が時間を追うごとに激しくなる。
ぐぬぬ、こんなときアニメじゃ、みぞおちにガスって一発いれるだけで気絶させて颯爽と立ち去るのだが、そんな高等技術は
ケンカもしたことない俺には無理な話だ。さっき衛兵ぶっとばしたじゃん?って。
あれはたまたまだ。
出し遅れた昇○拳が見事小足に刺さっただけだ。
あれを故意にやれるとしたら、俺も小足見てから昇○余裕でしたと言わねばならん。
「どこにもあてはない! この街の名前すら知らないんだからな! 素っ裸でいたのも分からん!」
「どこにもあてはないって! それで街を飛び出してどうするのよ。外には魔物がいるのよ。」
「そんなものはゲームの世界だけで十分だ!」
「ゲームって何よ。意味わからないわよ。あてがないならついてらっしゃい!」
「信用できん! それについてらっしゃいとか頭ごなしに命令してくんのが気に食わん!」
「あのねー!普段はあたしはこんなしゃべり方しないわよ! ただ、今は緊急事態でしょうがっ おまけに時間がないのよ、
ついてきてくださいませ?って言わなきゃならないの?無償で助けようっていってるのに 失礼な人ね。」
むぅ、こいつが本心でいっているとしたらたしかにその通りだ。
沈黙が漂う。
不意に女がローブを脱ぐと艶やかな金髪がさらりとフードから溢れ、その姿が顕になる。
赤を基調として、白の刺繍が美しい礼装、色こそ違えど、刺繍の文様はあの忌々しい広間の絨毯の柄と一致する。
こいつ、やはり あの連中の一人か。
俺は気絶させることに決め、勢いあまって殺さないように、かなり力を抜いて女に殴りかかった。
驚愕した女が腰の小剣を抜き放ち、厨ニ言語全開で叫ぶ
「天空より誘われし吹き抜けたる風よ、吹きとばせ! フライアウェイ!」
淡い燐光を放った小剣を下から上へすくいあげる。
俺と女の距離は5m以上もあり、その動きに不可解さを感じた刹那、足元から暴風が襲いかかり、俺はかるがると空中に吹き飛ばされる。
10mもある城壁を超え、やけにスローモーションで町並みが見渡せる。
あ~・・ ようやく夢が覚めるのか、まったく理不尽な夢だったぜ。
そういや祭りだとかいってたな。
見下ろす夜景はとても美しく、歩く人々が豆粒のように小さい。
ハラリッと俺の下半身を覆うカーテンが夜空に舞った。
これはあのセリフをいわざるを得ない。
おお・・・ 人がゴミのようだ。
ふははは、なんだか愉快な気持ちになって、現実逃避しながら俺は高速で迫る青い岩を見つめていた。
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-- passive skill:風耐性(小) 取得 --
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-- passive skill:衝突耐性(中)取得 --
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-- title:岩にめり込む漢 取得 --
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前の2つはいいさ、納得もしよう、最後のはなんだ。
うつろいゆく意識の中で腹ただしいほど明瞭な声が響き渡ったのだった。
頭痛がひどく、世界がぐるぐる廻るようだ。
気持ち悪いが、吐き気はない。
暗い。昔の白黒テレビのような既視感。
目を開こう・・として失敗した?
失敗したのか、見えていないのかどっちだ。
やっぱり見えない。
むう、とりあえず現状を確認しないと。
んー、手は・・・動く・・・が動かん。
指はかろうじて動くが、なんか体の周りを包まれているかんじ。
足もある。
バタバタバタ。
うん、しっかりついている、こちらは健全なようだ。
あはは、ようやく夢がさめたか!とおもったらこの仕打!もしかしてまだ続いてるの!?
おまけに口の中になにか含んでしまっているようだ、
吐き出したくても吐き出せない。というか俺息してないよな。 どうゆうことなの?
この時点で意識を飛ばされるまでのことを思い出してきた。
素っ裸で公衆面前にいて、城に連れていかれて、腹がたって逃げて、
観賞用としてはGOOD,会話目的としてはSO BADな金髪美人に吹き飛ばさて・・・。
「モゴ・・・モゴゴゴモゴゴゴゴ!(じゃあ・・ これ土にめり込んでんのか!)」
畜生、畜生、ちくしょー! 異世界パターンかくそったれが!
地球のどっかに飛ばされたのだとしたら、あの高度で助かるわけがない。
そうとわかれば脱出だ。腕に押し出すように力をこめる。
俺には衛兵ふっとばしたようなチートクラスの力があるんだろー!
「モゴ~・・ もご~・・(はあ~・・ はあ~・・)」
びくともせん。 一呼吸おいて、全身に力を溜める。もう一回だけ、もう一回だけ!
ふと、先っちょだけっていうフレーズを思い出したら脱力してしまった。
気を取りなおしてもう一度。
全力だああああああああ!
「モゴーーーーーーーーーー!!(ふぬーーーーーーーーーーーーーー!!)」
桜木○道ばりの奇声とともに、青筋を浮かべて、全身全霊の力を体に込める、がんばったらピシリっと何かが割れるような音がした。
おお、あと少し! な気がする。
全力を出してがんばっているところで、足の裏が以上にくすぐったい、変な感触を訴えた。
まて、もう少しなのに。
「モゴっ!モゴっ!(なにっ!なにっ!)」
変な感触は足の裏から足に広がり、そこから太ももへ下がっていく。
「モゴゴッ、モゴゴモゴ、モゴゴーーーーー!(きさまっ、何をする、やめろー!)」
そういうと俺への下半身攻撃は一時中断した。
なんなんだいったい。
落ち着いて、耳をすませると、トンネルで距離をおいて会話してるような、くぐもった声がきこえた。
「きこえるー? あたしよ、あたし。 あんたが殴りかかってきたから仕方なく吹き飛ばした、エリス。
普通は大丈夫なわけないけど、足バタつかせてるから大丈夫なのよね?」
「モゴゴゴ!モゴコモゴモモッゴモゴゴ?(なんだと!俺はどうなってるんだ?)」
「・・・なにいってるかさっぱりわかんないわよ。取り敢えず引っこ抜くからさー、その・・・ なんていうか・・・
布まきつけるからいいわよねっ!!」
布?引っこ抜く?
んー?
!!!!
!!!!???
あああああああああああああああああああ!
ああああああああああああああああああああああああああああああ!!
・・・・
おかーちゃん、もう俺 お嫁にいけない、グスン。
さて、ここで現実逃避した第三者である私、露瀬君がお送りします。イエーイ!!
突然の実況中継失礼いたします。
彼、こと 私、露瀬君はとある美女の女性に☆魔☆法☆をかけられ空中にダーーーイブっ!
ちなみに身につけていたものは路地にすててあったカーテンのようなボロいぬ・の・き・れ ONLY~~~!
それはそれはものすごい勢いで空中にFlayAway♪
ついでに唯一の着衣であるカーテンもFlayAway♪
その勢いで、地上に落下した挙句、めりこんだというところだーーーー!
OK?
そんなスッポンポーーンな彼が地上で腰までめり込んでしまった所を想像しよう~。
さあ どうなっている。
地上から、彼の下半身がそそり立っているのだ!! 彼の貧相と名高い下半身はそそりたっていないだろうけどネ!イエイ。
・・・・
無事、エリスに引っこ抜かれた俺は恥ずかしさのあまり憤死している。
目の前に俺が刺さっていた穴がある。岩だったんだね。 岩にめり込むって初体験だね。やったZE。
俺を助けてくれたエリスもこちらを見ようとせず、遠くの小川を見つめている。横顔は仄かに紅潮している気がする。
気まずい。気まずすぎる!
サラサラサラ
サラサラサラ
近くを流れる小川のせせらぎが美しい旋律を奏でている。
この美音がこの場で二人の記憶を奪いさってくれたらいいのに。
ふいに、ピコーンと音がし、明朗な声が響き渡る。
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-- title:恥辱の超越神取得 --
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「神ィィィィィ! 神ィィィィィ!こんなところでデス○ートォォォ!」
名前書き込むから I need it!!
傷口に塩を送る、塗りたくる、こすりつける、このタイトルはなんじゃあああ!
エリスと名乗った金髪の美人さん、俺の岩めり込みの初体験の実行犯にして、タイトル取得の立役者♪
その女は突然の俺の叫びにびっくりしたかのように小川からこちらに顔をもどして 問いかけてくる。
「いきなりビックリするわね! あんたやっぱり変態なの?」
変態とは失礼な。俺は健全な日本男子だ。
「おまえには聞こえなかったのか? その・・・タイトル・・・なんとか取得って言葉。」
曖昧にタイトル名を誤魔化す俺を許せ、さすがに口に出すことは憚られる、精神的ダメージでティウンティウンしてしまう。
「え・・・?タイトル?ああ、称号のこと? ちょっとまって確認してみるわね。」
なにこれ、話が通じてる、それはそれで困るんだけど、確認するのやめてくれええええええ!
俺の心の絶叫を声にだそうとして、彼女は言った。
「なにも設定されてないわよ?」
「・・・ ってか、どうやって確認するんだ?」
「ステータス魔法。」
エリスは即答する。 魔法? まじめにいってんのか?
「もう一度聞く。 なんだって?」
「だ・か・ら ステータス魔法! 他人が故意に隠さない限り閲覧できる情報取得魔法の一種よ。」
「ちょっと待て、いや、待ってくれ。 言わんとしていることは分かる、しかしだ、魔法?そんなものこの世界にはあるのか?」
異世界・・・。魔法、魔物、中世?ぐらいの世界、王様・・・。納得しなければならないのだろうか。ゴクリ。
「・・・ 魔法みたことがないの? じゃあ、どうやってあの城壊したの? 瓦礫を蹴りつけて飛んでいったわよね?あれは風魔法じゃないの?」
女はやはり矢継ぎ早に質問を連呼してくる。 疑問があったらそれを全て吐き出す性格のようだ。
おっけー、落ち着け。落ち着くんだ俺。思い込ませろ、俺はこの女とは初対面だ、決してあられもない姿をみられてはいない。
よし!
「すまんが混乱していたようだ。 整理したい、おまえの質問には後で必ず答えよう。だから、まず俺の質問に答えてくれないか?」
いい加減、覚悟を決めようではないか。
こちらが落ち着いたのをみて、エリスも幾分余裕を取り戻す、凛としたただずまいが絵になる女だな。
「わかったわ。でも、おまえはやめてほしいかな、エリスって呼んで。」
「すまない、了解した。俺の名前は露瀬 峻という」
「ロゼ シュン?変わった名前ね。東方のほうかしらね。」
「ロゼでいい。シュンが名前で ロゼが家名のようなものだ。」
「まず、説明しよう。城下町で会ったときに言ったとおもうが、俺はあの街の名前すらしらない、それどころか このような風景は俺がもともと住んでいた
場所の近くには存在しない。 今は西暦何年でここはどこだ?」
「セイレキってのがよくわからないけれど、何年かでいえば、エルタノルティア標準歴250年、7月7日、曜日はサラマンドラ。創国250周年にあたる日よ。」
「聞いたこともない年表だな。では世界のことを地球ってよんだりはしないか?」
「チキュウ?聞いたことないわね。世界の名称っていっても世界は世界でしょうよ。」
「じゃあ、日本、中国、アメリカ、ロシア、ヨーロッパ、このあたりで聞き覚えのある単語は?」
「まったくないわ。」
「俺の世界にある有名な国の名なんだがな。」
どうやら完全に別世界のようだ。
「うーん、聞いたこともないわね。魔物の森を超えた奥地にあるのだったらわからないけれど。」
「俺の世界に魔物なんていない。」
「魔物がいないの? 羨ましいかぎりね、でも、それだとどうやってロゼはいきてるの?」
「?」
疑問符を頭に浮かべた俺にエリスと名乗る女は続ける。
「私たち、人間は・・・少なかれ魔力をもっていきているわ、魔力の影響もうけるけれど、魔物はそうじゃないわ。
ロゼは魔物とは違う確信があるけれど、人間ともおもえない。だって、あなた、息せずにもいきていけるのでしょう?
それは魔素を空気中から取り入れて体内で変換してるからだとおもうけれど・・・ 魔素っていうのは魔力の源のようなものよ。
あなたの国に魔物がいないってことは魔素も少ないってことだわ、それでどうやっていきているのかとおもって」
「そういえば、岩の中じゃしてなかったな。」
どういう仕組だこれは。
ひっこぬいてもらったことを思い出し、おもわず唸る。エリスも同様のようで赤面して俯いていた。
取り繕うように話題を変える。
「魔法ってのはなんだ?スキルとはどう違う?」
「本当に何もしらないのね?ユニークスキル:越境者 だっけ。 本当に異世界からきたのね?
この国、エルタノルティアには残念ながら越境者はいないわ。
西の隣国、アクイロフィアには越境者で有名なのが一人いるわね。
それはおいとくとして、魔法とスキルの違いだったわね。
視界の右下のほう、左下の場合もあるけれど、赤いアイコンがないかしら?
わかりにくければ目を閉じればいいわ。そしたら そこを開くように念じてみて。」
ふむ、一人だけか・・・ 俺と同じ世界からきたとは限らんが、当面はそいつに会うことを目標とするか。
なにか情報が得られるだろう。
もうこちらにきてから、岩にめり込んだ時間を換算すると軽く1日は過ぎているはずだ、体感する感触も、痛みも、現実と何一つ変わりがない。
なげいてもはじまらん。
ここは異世界、そう思い行動しよう。
さて、もう一つの魔法とスキルの違いだ。異世界と断定するなら、もう腹をくくるしかない。
何度くくるんだ?ってかんじだろうが、それほど信じたくなかったんだよおおお。
腹をくくってみれば、いささか興味深い世界だ、魔法が存在して、スキルもある、魔物もいる、
どこのゲームだよ。小一時間問い詰めたい。
それはさておき、言われてみて、ようやく視界の片隅に小さな赤いアイコンがあることに気づいた。
意識して開くと、ズラっとアイコンが並ぶ。
「開いた?それは生体魔法の一種よ。生まれると同時に人間ならだれでも持っている能力の一つ。
一番右のヘルプアイコンを見たら ある程度わかるはず。」
言われたとおり、アイコンを押す。ズラーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ぶへ、多すぎ。
「基本的なことを除いて、自分が体験し、取得したことに対して説明が書いてあるわ。一種のメモ帳ね。体験したことがなかったり、わからなかったり、
人づてに聞いたものでは反応しないから注意してね。上のほうに魔法やスキルについてって項目があるでしょ。」
アイコンの上のほうに意識を合わせ、開く。説明が脳内に刷り込まれるようにはいってくる。
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[魔法/logic spell]
魔力を媒介にして様々な現象を引き起こすことの総称。
[スキル/skill]
生来の身体能力の適正によって引き起こす現象の総称。
[称号/title]
一定条件を満たした者に贈与。
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なんだこりゃ、メモ帳にもほどがあんぞ!省略も大概にせい。
その下には取得したスキルと思われるものが並んでいた。
つーか、称号に関しては一定条件もクソもないだろ。
デレたら デレ男とか贈られるのだろうか。
・・・断っておくが、試す気はない。
次に、項目の下にならぶ取得スキルに関する欄をのぞいてみる。
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unique skill:理を知る者
unknown
unique skill:越境者
異世界からの来訪者。
次元を超える際に存在確率の上方修正。
関連スキル:passive skill 肉体補正
関連スキル:passive skill 魔力補正
skill:エルタノルティア西方言語取得
エルタノルティア地方に普及する標準言語
skill:カウンター
予測できる攻撃に対して反撃を成功させやすくする
skill:嘲弄 取得
相手を嘲る
skill:虚勢 取得
虚勢を張る
skill:フレンジ(弱) 取得
怒りを攻撃力に変換
passive skill 肉体補正
身体能力の向上
passive skill 魔力補正
魔力の向上
passive skill:刺突耐性(弱)
刺突攻撃に対する耐性(弱)
passive skill:摩擦耐性(弱)
摩擦に対する耐性(弱)
passive skill:打撃耐性(弱)
打撃に対する耐性(弱)
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やっぱり短っ!!
ってかヘルプのくせにunknownってどうなの?
突っ込みどころ満載だろ。
越境者ってやっぱり異世界なのか ここは。
他はそのまんまだな。
肉体補正はやっぱりかかっていたようだ。
じゃなきゃな、 人並みの俺の筋肉では3mのウッドデッキ用伐材を運ぶのがせいぜいですよ。
なんかされるたびに、声が聞こえて取得ってでるのはこの世界の仕様なのか、理を知る者 というユニークスキルの2択だろうな。
「ユニークスキルってのはなんだ?関する説明がヘルプにないぞ。」
「人間で所持するものはいないとされていた固有のスキルのことよ。総じて非常に強力ということしかわかってないわ。それゆえに、越境者のことを、天から堕ちてきた者、堕天者という人もいるわ。」
王城で狂喜乱舞した連中のことを思い出した、なるほどね。
だからといって、協力してやるつもりはまったくない。
それにしてもスキルやら魔法やら、面白いな。
エリスが巻いてくれた布を念入りに結び直す。
「なあ、エリス ちょっと俺を殴ってみてくれよ。」
「なんなの!? やっぱりド変態?その手の趣味なら私はないわよっ!」
ドがついた。レベルアップしちゃったよ。
・・・
よし!声はきこえない。
title:ド変態とかなくてほんとによかったぜ。
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-- title:変態の初心者取得 --
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フェイントかよおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
どっかで誰かみてんじゃねええええのかああ!
おまけに日本語的に変態の初心者っておかしいだろが!!
変態(弱)とか、変態(軽度)だろ!!!
明らかな作為を感じる。
「ち、違う。誤解だ。俺は変態じゃない、違うんだー!」
思わず言ってしまったが、どっかであったな このフレーズ。
「ちょ、そんな力説されたら・・・ まじで変態なの??」
「ちがうって! 今、確認したスキルの検証をしたいだけなんだ。 たのむ。」
「たのむから殴ってくれって変態じゃん!!」
なんだこの状況。会話するたびに泥沼はまっていく。
「だから スキルの検証だっつってんだろ!」
その後、しばらく誤解をとくために説明して、ようやく殴ってもらった。
1回目は気をつかってか、全然力がはいってないため・・・ ってか最初から全力で殴られたらそれはそれで嫌だけど。
「もっと強く!」
「腰の回転を使って全力で!」
何度も殴ってもらった。
第三者にこっそり見られていたら、完全に変態かもしれん。
「あたしの手が痛いわよ!! 変態!」
・・・。
ともあれ、検証した結果、殴られた程度じゃなにも感じない。
これは打撃耐性(弱)の効果だろう。
念には念を、もし違ったら痛いから嫌だけど、これは試しておかねばなるまい。
「じゃ、次に俺をその腰に下げてる小剣で突いてくれ」
「はあああああああ? あたしに刺せっての? ドドド変態!」
ドが3つつきました。
「話の流れで察しろよ!! 打撃耐性じゃ今いちわからなかったから、刺突耐性をためしてみたかったんだよ!」
「し・・・しかたないわね・・。 1回だけだからね?」
なにそのツンデレ。可愛いんだけど。凛とした美女の思いのがけないツンデレっぷりに、思わずニヤっとしてしまう
「へ・・・変質者。」
変態っていわれるよりくるものがある。
モウヤメテ、オレノ精神力ハ0ヨ・・・。
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まず、このような拙い文章をお読みいただきありがとうございます。
励みになります。
仕事の波があるため、不定期更新ですができるだけがんばります・・・
一部改正しました。