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マジック・カンパニー  作者: シャーネ
納得がいかない降臨
15/16

1-15.デートとおじゃま虫


翌日、雲ひとつない晴天となったエルタノルティア城下町噴水に向かって歩を進める。

噴水前で待ち合わせとかありえないようなシチュエーションだ。

サイゼリ○の中で待ち合わせだとか、ガ○トの中で待ち合わせだとか、打ち合わせの時間を喉に流し込む

液体で時間そのものを流し去ってしまいたい、そんな典型的零細企業の待ち合わせ経験なら腐るほどある。

相手が女性の営業ならサンマ○クに格上げなのだが・・・

そんな意味ではモニカにはもう一ランク上のお店に連れて行ってあげたい。


俺のしでかした王城襲撃事件?とやらがあって間もないのに、道は人でごったかえしており、たどり着くにも一苦労だ。

プライベートで もし! 店につれていくなら! という条件の元、脳内から前世のファミレス一覧を検索していると

ほどなく噴水についた。

もうすでに二人ともきており、絵になる二人が噴水の縁側に腰掛けている。


壊れていなくても、女神像はこの二人の前に霞んでしまうだろうな。

ってゆーか、ちゃんと修理しろよ。 王都のど真ん中のシンボルみたいなもんが壊れたままだと、俺がない罪悪感をほんの少しだけ

感じてしまうかもしれないではないか。

それはともかく、噴水から吹き上がった水が落ち、奏でる音が心地よい。

少し蒸して入るが、ほどよい気温の本日は季節的には春ぐらいだ、 道行く人も半袖が目立つ。


ついつい、モニカらのいる噴水から身を乗り出して、水を掬い、

マイナスイオン、マイナスイオン♪

と呟いたら変な目で見られたけど気にしない。



モニカは相変わらずレザースーツを着込んでいて、布でくるんだ長物を紐で結び、肩から背負っている。

長さからすると長槍だろうか?

セミロングの赤髪と、レザースーツの布部分に使われているところも赤色で、よく似合っている。


対してティトスは軽いレザーアーマーこそきてるものの、手ぶらだ。

左手の中指に白く輝くリングをしている、俺のネックレスと同じ金属っぽい。おそらくインベントリだ。

おそらく、シミターはインベントリにいれているのだろう。

レザーアーマーをきていなければ優男という出で立ちだな。


俺が仲介してお互いを紹介しあう。

ギルド試験時に会っているので簡単なやり取りだけで済んだ。

最初は教官がなぜここに?とモニカは怪訝そうな顔をしていたが、昨日のやり取りを監視の部分だけ外して


「これからパーティーでご一緒することになったんだよ、不死湖を手伝ってくれるんだ。」


と伝えると、怪訝そうな顔をしたもののすぐに納得してくれた。


メインストリートであるセントラルウェイ、街の西方・・エリスや俺が泊まる宿から伸びて、噴水の途中でセントラルウェイと合流するツヴァイウェイ、

ギルド支部のある右側から同じくアインスウェイ。

街の西部と北部は貴族や商人の屋敷が多いので、噴水からセントラルウェイを門に向かって進み、そこから小路にはいり、アインスウェイに出、

噴水にもどるというおおまかなプランに決定した。

街の中心からぐるっとひと回りしてまたもどってこようというわけである。


ちなみにエリスから3金もらっている。

旅の支度には必要よ、と恐縮する俺に強引に渡してきた。

3金とはかなり大金だ。

エリス式アイスボー換算法によると1金で12500本なのだから。

なんとも あてにならない金額計算だが。

これから見て回る店で商品の値段をみていけば、お金がどれくらいの価値なのか分かるだろう。

それにしても、エリスはなんだかんだで気のきく女性ですよ、借りは増えていく一方だ。


それにしても、こっちにきてから初めての観光である。それも気の合う美人と。

たんこぶがついてくるけど。

依頼攻略に向けての準備なのだが、心のhtmlはすでにready = kankouで置換されている。

ウキウキとテンションがあがりっぱなしである。


セントラルウェイには辻馬車がはしっており、中には貴族のもの思われる一際豪華な馬車も走っている。

車輪は木で作られているが、ところどころに金属もあてがわれていた。

科学水準という面では数世紀遅れているが、文化水準というとそうでもない。

さらに魔法という概念を加えると、独自の文化を確立しつつあるとみていいだろう。

ひとえに魔法という存在のせいだ。


道行く人も、改めて見ると様々だ。

中には獣耳と尻尾を生やした人もいる。 ま~~~ったく見る機会がなかったからなあ。

ここぞとばかりに見まくってしまった。

獣耳ですよ! コスプレじゃないんですよ!

尻尾を掴むと弱体化するに違いない。

斬ったらきっと変身する、気をつけよう。

俺は特別、獣萌体質ではないが、可愛いとは思いますよ?

あらためてこの世界における種族の多様性をみせつけられたかんじがする。



人並みに流される形で歩きながら、やたらキョロキョロする俺。

すれ違う女性から ふふっ とほほ笑みをプレゼントされる、

そのくらい、お上りさん状態だ。

今まで通りかかっても、エリスが食べ物屋の前を通るたびに突っ込んでいって、

やれ、アイスボーだ、 やれ、キングロブスターだ、 やれ、ハヌメッチョだ、と

ゆっくり見る暇もなかったものな。ちなみにハヌメッチョとはドス黒い茶色のナニカをはさんだホットドックだった。

食べたいとは思わない。

そんな状態の俺にティトスとモニカがひとつひとつ丁寧におしえてくれる。


「ライカンスロープを見るのは初めてかい? ここらではあまり見ないけど、南方にいけばたくさんいるよ。

 ライカンスロープは熱さに強く、寒さが苦手だから。 」


「見た目も様々よ。 人の血が強ければ人型が多いし、獣の血が強ければ獣型の方が多いわね。

 魔法は苦手そうだけど、腕力は人間に比べて強いわ。」


そんなことを話しながら、近くにある露天を覗いてみる。

様々な色の装飾品が並んでいる。そのうちのひとつをとってみた。

値札をモニカに読んでもらうと、お値段は10銀。

人当たりがよい笑顔を浮かべて、店主のふくよかな女性が声をかけてきた。


「お嬢ちゃん、可愛いねえ! それは銀製の指輪だよ。 先日シファギリアから仕入れてきたものさ。

お嬢ちゃんにはちょっとサイズが大きいから、指輪にするならこっちにしたらどうだい?」


と、一つの指輪を手渡された。紫の石が入った、華麗な指輪だ、お値段は28銀。

値段がみたいだけなので、冷やかしで申し訳ないと内心で思いながら、笑って丁重に辞退する。

ティルトが一番露店の中央にあるブレスレットを顔を近づけながら吟味しながら 店主に話しかける


「この中央に嵌めこまれている石は水属性石かい?」


「そうよ~、それもシファギリアで仕入れたの! 値段は高いと感じるかもしれないけど、ほとんど仕入れ額と変わらないよ!

 うちの目玉商品だねっ」


そんなことをいっている。

モニカにそのブレスレットのお値段をおしえてもらうと、なんということでしょう。

40金。 匠もびっくりなお値段でございます。

恒例のアイスボー換算法!!


ぬぬぬ~~~~・・・


1金12500本・・・


?40・・・・


50万本になります!!


いや、これ 前世の相場に照らし合わせるとさ、家たつんじゃね?


ティルトと女店主がはなしている間、モニカに属性石について教えてもらった。


「属性石はフォトンに干渉する力をもってるの。 火属性なら擦り合わせたり、振動させたりする。

 つまり、魔法が使えなくても 魔法の効果が得られるわ。 ただ、属性石は迷宮のようにフォトンが濃い場所でしか採れないの。

 だから非常に高価なのよね。 あのブレスレットにはめ込んである水属性石のサイズはちょっと小粒ね。

 40金はぼったくりだわ。 せいぜい20金前後よ。 」


「なるほど~、どの属性でも価値は変わらないのか?」


「聖属性は桁がひとつ飛ぶわね。 フォトンを体になじませる聖属性は病気にかかりにくくなるし、怪我したときに治療もできる。

冒険者、探索者問わず、一般人にも大人気よ。 あのサイズと同じだとしても200~300金ってとこじゃないかしら。

貴族でも裕福、王族くらいしか持ってないんじゃないかな。 市場で見かけたことはないわね 」


聖属性石は六本木ヒルズの一等地にマンションを買うくらいってことですね?分かります。


あれあれ、ちょっとまてよ。


よく思いだせ。


そういえば、あのへんの人だかりに・・・・  




------------------------

--------WANTED----------

200金 



  _('A`)_

  | ( ) |

  ヽノωヽノ

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

ユニークスキル持ち:越境者

罪状:王宮の破壊工作


------------------------



報酬 200金



・・・。


まだ、会った。


リアルでorz。


すごくやばい気がする。

いろんな意味で。

脳内で指示式を高速で構築し、魔素で”stop harassment”と書いてみる。

当然何も起こらないし、意味はない。

俺の一種の現実逃避だ。気にしないでくれ。



さて、お値段メモ。


聖>>>>闇>>>水>>火==土==風

ただし、場所によっても変わるらしい。 干ばつの激しい気候では水の属性石はめったに出回らないし、採掘に関わる者なら土がほしいところ、

料理人だったら火だったり、様々だ。

おそらく、この店主はこれからどんどん南下していき、暑い地方で売るつもりなのだろう。

ここらで安く売るつもりはないからあの値段に設定しているのだと説明してくれた。


露店をあとにし、いくつか見て回った。

やはり、異世界ならでは、見たこともない食材が多数ある。

冒険者に混じって、住人の姿が多いのはやはり食材関係の露店である。

この世界にはスーパーやセブンイ○ブンはないようなので、食料や飲料、生活用品は露店で売られていた。

このセントラルウェイはさながら露店通りといって遜色ない。


露店の横をゆっくりと通りながら、視線は果物に注がれる。

手を伸ばそうという気にはなれない色合いの赤と黒で縞縞模様を作っている果実、スイカもどき。

亀の甲羅のようなゴツゴツとした緑色の果物。

直線を描いているバナナ?のようなもの。

ご遠慮したいハヌメッチョに、アイスボー。

アイスボーはまあ いいけどさ、 ガリガ○君だもん。あれ。


葉がはいっている龜から酌で掬い上げた液体を瓶につめて並べている店もあった。

お茶かなあ? スープかなあ?

じっと見ていたら、ティトスが苦笑しながら露店の人に小銭を渡し、手渡してくれた。

感謝の言葉をいって、薄茶色の液体を口に含む。

おおう、これは・・・あれだよ、アレ。

リポ○タンDの味。 甘苦くて口に残るアレ。

しかしながら、後は引かずサッパリしている。

なんとも奇妙な味だ。お世辞にもうまいとはいえない。

しかし、奢ってくれたものを飲み干さずしてどうするというのか。

ゴクゴクと一足に飲む。


ブハッ。


俺の横で同じものを購入し、飲んでるヤツを見て、おもわず噴出す。

そう、そいつはゴブリンだった。

ただし、きちんとした服をきている。 首に複雑な文字がたくさん書き込まれた首輪をしている。

ゴブリンから睨むように一瞥されたが、すぐに視線を外して また飲み始めた。

俺は一歩後ろに下がって、モニカを見上げる。

モニカは小声で教えてくれた。


「解体処分を免れた魔物よ。 人間に従順なら、依頼で捕まえた魔物は魔力を取り出すための仕事につかされる代わりに

一定の自由を手に入れることができるのよ。 見せ物になりたがる魔族はいないから、あまり街では見かけないけれどね。

見分け方は首についているギルティリングよ。」


説明を受けて納得。

こいつは、そういえばジェスやクロノスがそんなこといってたなあ。


モニカに聞こえないようにしてティトスが追加で補足してくれた。

「ギルティリングは魔符の一種だとおもえばいいよ。あれは燃えないし、自分ではまず外せない。

そのかわり、効力は弱めなんだ。」


なるほどね。

って、ティトスは俺が魔符はってることバッチリしってるんだな。

さすがギルド上層部とつながってることだけある。

十中八九 俺の正体に気がついてやがる。

いや、クロノスあたりから聞いたのかな?まあ、いいか。


魔物談義が一段落したところで、ふきだしたおかげで残りもわずかとなった液体を喉に通す。

体の奥が若干熱くなるような・・・


「それはアークランドの特産物でもあるウンド茶だよ。ディープフォレスト付近にあるウンドの木の葉っぱを原料にした飲み物なんだ。

滋養強壮に効果があってね、少しだけアルコールも入ってる。 」


ちょっと、ティトスさん、なんてもん飲ますんだい。

モニカも知らなかったのかジト目でティトスを見ている。

二人がかりの視線攻撃をくらってティトスが幾分か慌てて取り繕ってきた。


「え、いや、だって、特産物だしさ、アルコールっていってもほんのちょっとだけだから!」


それにしてもねえ、滋養強壮 + アルコール ですよ?

自分でいうのもなんだが、可愛いお嬢さんに飲ますものではないですよ?

俺はおっさんだと、ティトスは知っているが、それをモニカの前で彼は言うわけにはいかない。

ぐむぅ、と唸る。


「や~ねえ・・・」

「や~ねえ・・・」


モニカとかぶった。

ティトスから距離を少しとって後ろから、彼から俺を守るようにモニカが俺を抱きすくめてきた。

ちょ、胸があたってますよ、胸が!後頭部に!

レザースーツごしでもしっくりと分かるモニカの巨乳ぶり。

全然意識してなかったけど、この態勢で意識しないというほうが無理でございます、ハイ。

そのまま、モニカはが俺の頭の上に顔をのせて、ティトスにむかってなんかいってるが、俺は言葉を聞ける状態ではないっ。

サラっとした赤毛から香る匂いがっ、たまらん。

モニカが抱きしめてきた腕を離すことでようやく我にかえる。


うん、俺はなにもしていない。


原因はティトスのせい。

ティトスと何かあったら、このネタで強請ろう。証人はモニカだ。

二つ名もロリコンにしてしまえ。

自分が何をかんがえていたか棚にあげて、そんなことを考える。

ティトスが白い目でみてくるが、ニヤリと笑い返しておく。

はて、ティトスの二つ名はそういえばなんだっけな?



セントラルウェイを街の正門まで行ったところで、当初の予定どうりに左に折れる。

街の東区画にあたるわけだが、武器、防具、薬品、そのような冒険者御用達な店が連なっている。

道は狭く、人通りもセントラルウェイに比べ少ない。

すれ違う人も その筋な方と見受けられる。

顔に切り傷があるガチムチなおっちゃんや、歩き方がキビキビした切れ長の目をしたおねーさん、果ては全身甲冑の人まで。

さまよ○鎧かとおもったわ。


はっきり言おう。


完全に浮いている。


狭い道のせいもあり、正面からくる人には全身で視線をGETしてしまう。

武器も携えていないからな。所持していたところで大差ないとおもうケド。

武器といえば、現在すれ違った方々は全員武器と呼ばれるものを持っていた。それはつまり、インベントリを持っていない証。


(思ったより、プラチナランクって少ないのかな?俺、エリス、ティトス、カーサ 短期間に4人にであえば、

もっといてもいいきがしないでもない。)


そう思うと、少し強気になった。どや!

ない胸を精一杯反らす。 あっても困るが。


狭い道を少し進んで、左にゆっくりカーブを描く道にでると少しばかり通路が広くなった。

比例するように店の規模も大きくなっていく。

ステンドガラスでできた窓、同じく入り口の扉にもステンドガラスが使われているお店の前までくるとティトスが入ろうと促した。

扉の横に立て掛けられている看板には深い緑で染色された木に白文字で 何か書いてある。

中にはいると予想外に広い。

絨毯に土をつけないように、入り口で靴を擦り合わせてから入る。

それを見たカウンターに肘をついている、タンクトップがはちきれんばかりのガタイをした髭面の主人が心なしか笑っているようにも見える。


「よう、”採点係”久々だな。 美人二人もつれて、今日はデートか?」


採点係!? モニカと二人で目を合わせ、プププっと笑う。

聞きました、お姉さま、採点係ですってよ?

聞きましたわ、お嬢様、採点係らしいですわよ?


ティトスは音速で振り向いてきたけれど、さきほどのウンド茶の一件があるので大きく見返す。 


どや?なんか文句あるんか ? 2


カウンターの親父にきいたところによると、二つ名は、高ランカーが嫌がる試験教官役をずっとしているうちに

いつしか”採点係”とよばれるようになったそうだ。 だが、あまりにそれは威厳をかくということで

最近は”教官”が二つ名として急浮上してきているらしいが、正直どっちもどっちだとおもう。

諦めたようにカウンターに顔を戻して、苦笑してティトスは肩をすくめると


「いやいや、迷宮に行くことになったからな。準備しているのさ。道案内も兼ねてね。」


主人は ほう、 と目を細めると、首を傾げた。


「・・・冗談だよな?」


「いんや、大真面目だ。 私はそこのお嬢さんにコテンパンにされたからね。」


「ああ、エリーザから聞いたぞ。 おまえが顔面にくっきりと靴跡つけてたってな! ガハハ! 

じゃあ そこのお嬢ちゃんが噂のAランクか。」


エリーザって誰だろ? ギルド支部にいた誰かだろうな。

この店はギルド所属している鍛冶師が店主をやっている、武器防具店ということだ。


ティトスが肯定し、カウンターに背をあずけるようにして言った。

いちいちカッコつけたがるなあ、ティトスは。様になっているのが憎たらしい。


「で、たのんでいたものは?」


「魔符は残念ながらこれだけだ。 例のフォトン現象から、やたら買っていくヤツが多くてな、注文も多い。

今は入荷待ちだ。ギルドからの頼みでも、ないもんはだせねえ。 」


そういうと、髭面店主は カウンターに順に棚から品を並べていく。


魔符、紐でくくられた紙束、6つの膨らんだリュック、そして木でできたタバコサイズのケースが6つ。


魔符ぐらいしか知っているものがない。


精算のため、店主とティトスが話こんでいるので、 部屋の片隅に数多く陳列している武器を見ているモニカのほうに足を向ける。

モニカは中央に紅玉が嵌めこまれた長槍に括りつけられた値札を見て難しい顔をしている。


「なんかほしいものでもみつかったのか?」


俺がそう声をかけると、モニカはボソっと


「30金・・・」


と呟いた。


紅玉はセントラルウェイで初めに見た露店にあった水属性石よりも二回りほど大きい。

モニカがため息をついているところをみてると、破格なのだろう。

俺の所持金はその1/10だ。

どう店主にお願いしても無理であろう。

支払いを終え、たくさんのリュックを背負っては、手品のようにインベントリに消していくティトスを眺める。

こちらの視線に気づいたティトスが横に顔を振る。


さすがに無理。


だろうな。モニカはいくらぐらいもってたんだろう。

まあ、すごく気になってはいたようだが、今は諦めて隣の戸棚をみている。

見なかったことにしよう。

それからティトスの助言に従い、モニカはいくつかタバコケースを購入していた。俺も買おうとしたが、もともとアニスから頼まれていたらしく、さきほどの購入したものは全てアニス、ジェス、クロノス、ティトス、俺 のパーティ分らしい。

タバコケースを実際に開けてみせうと、中には試験管にコルクで栓されているものが5つ入っている。

これがこの世界における、ポーションだった。


店を出て、他にも何軒か見て回り、噴水前で別れてその日はお開きとなった。

モニカと仲良くなれてよかった。

いかがわしい気持ちなんて欠片もないですよ?


俺的脳内メモ


ティトスの二つ名 採点係 

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