狂い出す俺の人生の歯車
そんなこんなで陽菜を下駄箱に縛り着けることに成功した俺はいつもの家路を一人で歩いていた。
俺の家から学園までは徒歩で約十分ぐらいでいける。通学が楽だから俺はこの学校を選んだのだ。
だが、陽菜と一緒の高校に通うのは誤算だったが…
いつもと変わらぬ風景を眺めながら歩いていると急に横から何かが猛スピードで飛び出してきた。
そして、俺はその何かに突き飛ばされた。
(あ、俺バイクかなんかにひかれたんだ。畜生。俺の人生短かったな。恋もして見たかったぜ…)
そして俺の頭の中では沢山の思い出がよみがえってきていた。
俗に言う走馬灯だ。
ああ。幼稚園の時よく陽菜にお菓子を奪われてたな。
その他にも俺が気に入ってたオモチャも壊されたな…
そして小学校の時もいじめられてたな。
俺の初恋相手の女の子に
「健介○○ちゃんのこと好きなんだって!」
とか暴露されたり。
お! 小学校の時と言えばあれがあったな。
体育のプールの時、俺を女子更衣室に連れ込んで他の女子に痴漢と誤解されてしまい三ヶ月くらい無視されたり…
中学校でもいろいろいじめられたな…
例えば部活でランニングで足を引っ掛けられて転ばされた時、転んだ俺は丁度俺の前にいた女の子を押し倒してそのまま俺は女の子の胸を触ってしまった。
その後同じ陸上部の女の子達に蹴られ殴られの暴行にあったり。
でも、あの時の、感触は今でも思い出せる…
柔らかかったな…
あと、修学旅行でも…
て、ストッープ! ストッープ!
俺の人生、陽菜に嫌がらせをされた思い出しかない!
これは…まずい!
こんな人生なんてゼーッテェ嫌だ!
俺は恋をするんだ!
女の子とキスして×××するんだ!
そして、健介は走馬灯を振り払い現実に引き戻った!
そして空中で一回転!
ドス!⇦地面に両足で着地する音
(よし! 俺はまだ生きてる)
くる。
振り返った俺は言葉を失った。
「?!」
俺にぶつかってきたのは車でもオートバイでも自転車でもない。
なんと、女の子であったのだった。
しかも、思いっきりと髪をピンクに染めたツインテールの小学生ぐらいの…
認めたくないが可愛い…
下手するとあの人数が多いだけで可愛い子があまりいないアイドルグループのメンバーより可愛い。
しかし、そのすべてをピンクの髪が台無しにしている。
そもそも、ピンクの髪とはアニメだけしか許されないものだったらしい。
現実世界に現れると何かこう…
痛々しい…
しかし、よく観察してみるとその小学生は俺を十メートル以上吹き飛ばすスピードで走ってぶつかったのにけがひとつどころか、服も汚れていない。
要するに転ばずにそのまま立っている。
それはすごい。
(てか、まず高校生を十メートル以上吹き飛ばすスピードって何キロぐらい出す必要があるのだ? 普通障害物に当たった瞬間自分もぐしゃり!と潰れるだろ…」
その頑丈な小学生はツインテールを揺らしながら振り向いてキッパリとこう俺に言い放った。
「あんた私の奴隷にしてあげる!」
は?
それは俺の人生の歯車の狂い始めさせる記念すべき第一歩であった。
…………全然嬉しくねぇよ!
キャラクター達の雑談コーナー
「何だ?このコーナーは?」
「え?健介聞いてなかったの? 今回からたまに作者の気まぐれでやる物語の解説コーナーだよ?そして最後に少し次回予告をやるの」
「そうか…そんなものあるのかよ…
まあいい。始めよう。」
「と、ここでお時間が来てしまいました!
次回はピンクのツインの小学生の正体が明らかに?次回もご期待ください!それでは皆さんさよーならー」
「ちょっとまて陽菜!勝手に終わるなぁぁ」