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通学路。

作者: QT

僕が高校生の時だった。


僕のクラスは男女の仲が非常に良く、最近よく聞くイジメとか、そういうのは一切無かった。

他のクラスからは「ありえない」「何でそんなに仲がいいの?」と言われる程だった。


たぶん理由はムードメーカーな男子生徒の存在で

彼は男女仲良く3年間楽しく過ごそうぜっていう考えを持っていたんだと思う。

そのおかげか僕は3年間楽しく高校生活を過ごす事ができた。


だけれど…




僕には好きな人がいた。

そして彼女も僕のことが好きだった。珍しい両思いってやつだ。


彼女は僕が好きなことを知らなかったと思う。実際は知らない。

僕は彼女の友人からこっそり知らされていた為、知っていた。


しかし、僕には問題があった。

それは、すごいネガティブな思考だ。


別かれた後の気まずい関係を勝手に想像しクラスに居づらくなった自分の姿を想像していた。

付き合ってすら無いのに。僕は恋愛に臆病で、自分から声なんてかけることは一切出来なかった。



しかし彼女は積極的だった。



数ヶ月後、彼女からのアピールが始まった。それは通学路で待ち伏せるという方法だった。


今考えるとよくわからないけれど、

当時"他の誰かにバレずに付き合う"というのが流行っていたのか、

高校生の頭の中は今じゃ理解できない。

付き合っている事がバレたらからかわれるのが恥ずかしかったのだろうか。


だから学校で直接告白しようとせず、毎回かならず帰り道の途中で待ち伏せしていた。











僕は毎日、通学路を変えて帰った。

ちょこんと待ち伏せをしている彼女を見ては引き返し別の道を選んだ。


彼女はどれだけ待っただろうか。

彼女はどれだけ悲しんだろうか。




僕らの恋は実ることも無く、知らない間に終わっていた。








それから何年も立ち、同窓会のメールが届いた。


始めはみんなの会話に一線置かれていた。

しかしお酒も進み、当時のクラスが思い浮かぶくらい笑い声が飛び交う同窓会となった。

僕は当時仲の良かった友人とは、その時もよく遊ぶ仲であり大した会話はしなかった。


そんな僕の隣に彼女が座った。



彼女は結婚していた。



そして彼女は僕にこういった。



「あの時、君と付き合わなくて良かった。」



僕は嬉しかった。





これからも お幸せに。

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