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マスクの箱舟…東南アジアの海水温が5°c上がって悟る人々

作者: 徒然生成
掲載日:2025/10/16

✦『マスクの方舟』


― 東南アジアの海水温が5℃上がって悟る人々 ―


---


地球が熱を出してから、まだ百年も経っていない。

海は赤く、空は鈍く、大地は揺れ、火山は唸る。


それでも人間は――

“救われる側”と“沈む側”に分かれた。


---


❖ 世界の富豪たちが造る「方舟」


砂漠の地下には「永遠都市」が建てられている。

空調が季節を決め、人工太陽が朝を作り出す。

壁の中には最新の核融合炉が眠り、

地上が燃えても彼らは生き延びるという。


太陽フレアが爆発しようが、

地軸が傾こうが、北極の氷が溶けようが――

彼らは冷静に方舟を作り続けていた。


別の大陸では、火星行きの方舟が組み立てられている。

何千億ドルを投じたロケットは、

まるで“神の梯子”のように立ち上がった。


だが研究者たちは知っている。

火星では放射線を防げず、

人間は宇宙では長く生きられないことを――。


「宇宙ステーションも、

 地球の息の届く高さに浮かんでいるだけですよ。」


それを知っていながら、誰も口にしない。

なぜなら、あの国は月に行っていないのだから。


---


❖ イエローマスクの教育


その計画の中心にいたのは、金色のマスクを好む科学者。

人は彼を「イエローマスク」と呼んだ。


「まもなく地球は終わる。

 だが私の子孫だけは生き延びる。

 そのためには、

 新しい教育と新しい種が必要だ。」


子どもたちは要塞の中で、AIがつくった仮想教室で学んでいる。

歴史も宗教もなく、ただ“生き残る方法”だけを学ぶ。

――それが、“新しいノアの教育”だった。


---


❖ 地球の熱が生む貧困の連鎖


バングラデシュでは、貧しい女が泣いていた。

娘は縫製工場の火災で死に、

姉は海辺で働き、波にさらわれて戻らなかった。


「神さま…方舟はどこにありますか?」


答えはなく、波の音だけが葬送の鐘のように響いた。


海の底では**毒の藻(赤潮)**が花を咲かせ、

珊瑚は白く骨になり、魚は姿を消した。

漁村では子どもたちが食べる魚を探して浜を歩く。


インドネシアの火山は1万メートルの煙を噴き上げ、太陽を灰で覆った。

米は実らず、職を失った若者たちは

ネット詐欺やオンラインカジノに吸い寄せられていった。


「暑くなったこの海に、

 そなたの兄弟の奴隷舟が浮かんでいるんだよ…」


村の長は泣いている娘にそう語った。


---


❖ 地が裂けるアジア


ネパールではマグニチュード7の地震が起き、

仏塔が崩れ、家族を呼ぶ声が山にこだました。


カンボジアでは洪水が都市を呑み、

タイとの国境で銃声が響いた。

「水が奪われる前に、私が水を奪うのよ!」

――避難民の女教師は言った。


インドとパキスタンの国境でも、

干ばつと小麦不足が戦火を呼び、

アフガニスタンでは難民が人身取引に巻き込まれた。


SNSの闇は、“仕事”という名の罠で満ちている。


---


❖ 熱を逃がそうとする海


インド洋の波は、その怒りを北へ運ぶ。

かつて日本へ向かっていた台風は、

いまや東南アジアに吸い寄せられている。


風速50メートル。

“数十年に一度”の嵐が、

“毎年の行事”になった。


「日本が50℃にならないのは、

 フィリピン湾の海が

 日本の熱を吸ってくれているからです。」


ヨーロッパは乾き、スペインは50℃の熱波に焼かれた。

日本は40℃で息をしている。

それでもギリギリの「命の温度」。


「これは天罰ではありません。

 人類が自分で招いた“地球の熱”です。」


---


❖ 老漁師アリフの言葉


焼けた浜辺で、老漁師アリフは空を見上げた。


「異国の地で

 “ノアの方舟”を作っているイエローという男がいるらしい。

 でも、わしらはまだ、

 波の音を音楽と勘違いしとる。」


風が吹き、火山が噴き、海がうなり、地が鳴り、空が泣いた。

地球の熱はまだ冷めない。

それでも、人間だけは冷たくなっていく。


アリフは子どもたちに言った。


「いずれこの世界は滅ぶ。

 じゃが我らだけが、

 真の信仰を持つ民であることを忘れてはならんぞ。」


宗教、金、科学――三つの方舟が競い合うように浮かび始めている。

そして地球は、自らの熱をアジアの海に逃がそうとしていた。


老漁師アリフは、腐った木で舟を作り続けている。

釘は錆びて、帆も破れていた。


夜明け前、海の向こうが光った。

それは爆発か、日の出か?

――誰にもわからなかった。


---


❥現代黙示録 ― “最後のページ”


67歳の老人は、やっと涼しくなった日本の田舎で呟く。


地球は熱を出している。

海は怒り、山は裂け、空は泣く。

だが、ほんとうに壊れかけているのは、

拝金主義で汚れてしまったわしの心かもしれない。


富める者は宇宙を目指し、

貧しき者は炎の海に沈む。


そしてそのどちらも、

それから、わしも――

お釈迦様がおっしゃる「慈悲」という意味を

もう一度、学び直す時が来たのだろう。


---


「地球が風邪を引いたのなら、

 そして、わしらが地球を我が子と思うのなら、

 薬を与えず、体温計を壊して笑うはずがない。


 額に手を当てて、

 “大丈夫だよ、明日にはお熱が下がるよ”

 と、優しく声をかけるだろう…」


---


それがこの時代の黙示録。

そして、この物語を読む者たちへの――

老人の最後のメッセージでもある。


「地球を救うのは

 科学でも宗教でもない。

 それを

 “まだ救える”と信じる心だ。」

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