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第1話 再度の召喚5 与えられた使命(通常版)

 徐に俺の前へと進み出るティルネア。今も身体は精神体故に、床から少しだけ浮いている。これだけでも人知を超えた存在だと言うしかない。地球人の俺としては有り得ないのだから。


「貴方様は凡夫の啓示を受けられました。しかし、凡夫とは本来我々が当たり前の如く至る境涯そのもの。つまりは、何の啓示も受けられなかったと言えます。」

「フッ、案ずるでない。持たざる者とは持っている者と全く同じだ。我々から相応しい力を与えるとしよう。」

「決して悪いようには致しません。だから、不安にならないで下さい。」


 ティルネアの言い分は、人間の本来の素体が凡夫なのだと明快に挙げてきた。確かにそれが通例とも言える。超常的な力量を持つ宇宙種族達ですら凡夫なのだから。特別的な存在ではないが、それでも代え難い存在であるのは言うまでもない。


 そして、ティルフィアの言い分。既に持っているのであれば、それを持つ事は不可能だ。よって、啓示で凡夫が出たとしたら、それはごく自然的なものであろう。そう考えると、俺はまだまだ人間であると安堵するしかない。


 何分、こうも超常的な事が起こると、自分自身が人間なのかと疑ってしまったりもする。しかし、ティルネアが挙げたのは、それは問題ない事なのだと言う遠回り的な補足であろう。これはミデルバの言い分にも当てはまる。


 まあ、今はこの場の雰囲気からして、創生者の役割を楽しんでいる感じではあるが・・・。



「貴方様には・・・創生者の啓示を致します。過去に色々と担って来られてきたようで、実に相応しいものかと。」


 そう言いつつ、俺の額に向けて右手を掲げだすティルネア。右手が神々しく光り輝くと、連動して俺の身体も光に包まれだした。同時にだが、これは演出であって過剰な効果はないとの事。念話による彼女からの補足である・・・。


 ただ、ベイヌディート事変にて創生者を担った手前、この啓示はある意味で再来者と言えるかも知れない。恐らくだが、こうしてここに召喚されたのは、この世界の世直しを再度せよというものだと思えた。実に不思議な縁である。


「・・・貴方様は、調停者の啓示を致します。ここに呼ばれたのも何かの縁でしょう。貴方様の眼で全てを見定めて下さい。」


 今度は傍らの女性の前へと進み出る。そして、同じ様に額に右手を掲げだしたティルネア。右手が神々しく光り輝くと、女性の全身が同じく輝き出した。と同時に直感した。この流れは宇宙種族縁の治癒力の施しを行っているのだと。


 現に病魔に冒されている雰囲気だったのが、見る見るうちに健康体へと変化していった。これに関してだが、各ペンダント効果と念話力により痛烈なまでに窺い知れた。実際に過去に同じ様な流れを見た事があるからだ。


 そして、その際に女性に対して念話を入れている。初めての念話により驚きだすのだが、今は成り行きに任せよと念を押している。女性の方も小さく頷いていた。この場の雰囲気からして、その後の展開が読めていたからだろうな。


「・・・貴方様方は、裁定者の啓示を致します。幼子達とはいえ、その生命力は限りなく善心。お母様と同じく、貴方様方が実際に感じた事で全てを見定めて下さい。」


 最後に女性が抱く幼子達に向けて、それぞれの額に右手を掲げだすティルネア。右手が神々しく光り輝くと、2人同時に全身が輝き出した。これも治癒力の力が働いているのが分かる。


 見るからに息絶えそうな雰囲気だった幼子達。その表情が実に柔らかく温和になっていく。母親だから変化を感じたのだろう。今し方自身が変化したように、幼子達の身体が健康体になったのを察知したようだ。女性は涙を流しながら、ティルネアに対して頭を下げていた。本当に良かったと言うしかない。


 俺も各ペンダント効果により、3人の病状が深刻なのは十分感じ取れていた。直ぐにでも治癒をしたいと思っていたが、場の流れからして思い留まっていた。それを啓示と共に完全治癒を行ってくれたのがティルネアだ。心から感謝するしかなかった。



 創生者ティルネアより、真の啓示が成された。創生者・調停者・裁定者。ジョブ的には一体どんな効果があるのかと思ったりもするが、この場合は役割だと言い切れる。


 特に驚いたのが、母親を調停者に、幼子達を裁定者に挙げた事だ。この場合は、俺ではなく母娘達に世上の行く末を見定めて欲しいという願いであろう。つまり、今回の主役はこの3人になる。ただ、その3人を見守る役として、俺に創生者の役割を与えたのだと思われる。


 まあでも、今も警護者の重役を担っている手前、創生者であろうが総意を守り通す一念は全く変わらない。それがこの母娘達を重点的に厳守するのだと変化しただけである。


 やり切ったと言った雰囲気のティルネア。彼女も今ではヲタク気質に至っているからか、完全にドヤ顔な雰囲気になっているのが何とも言い難い。表情には出していない所が見事な感じではあるが・・・。


 同時に、ティルフィアとミデルバも同じ思いを抱いているのを感じた。精神体故に、お互いにソウルリンクの理で繋がっているからだ。肉体を持つ俺ですら強く感じ取れたのだから、精神体の彼女達ならその強さは凄まじいものになったに違いない。




「さて・・・私から1つ、お願い事がございます。」


 真の啓示を終えて、一息着いた所で語り出すティルネア。すると、その場で片膝を付こうとしだす女性。ただ、胸の中には幼子達がいる。そこで、俺が臨時で幼子達を抱える事にした。


 咄嗟に身構える母親だが、幼子達が笑いながら俺に小さな手を向けてくる。物凄く嬉しそうにしている事から、全く心配ないと思ったのだろう。母親の方も笑顔になり、幼子達を俺へと託してくれた。


「その前に、貴方様のお名前は何と仰るのでしょうか?」

「ハッ! 私はリメナ(理芽菜)と申します。幼子は双子の女の子で、ライナ(来菜)とミイナ(未菜)です。」


 ティルネアが相手の名前を問い掛ける。すると、まるで騎士の如く振る舞いだす母親。冒頭に騎士的な言葉を挙げつつ、自身と双子の女の子の名前を挙げだした。これに関してだが、リメナはヲタク気質である可能性がある。


 今までは病魔に苛まれており、その雰囲気を察する事はできなかった。しかし今は健康体に戻ったからか、素体の彼女が出だしている感じだ。しかも、周囲の雰囲気に興奮気味である。間違いない、リメナは生粋のヲタク気質だわ・・・。


    第1話・6へ続く。

 1つ目のザマア返し@@; とは言うものの、実際にその力量は自分達に内在する生命力を言い当てている感じなのですがね。これは別段特質的な力ではないので。まあでも、こうした演出をできる時点で神掛かっていると言えるのですが(-∞-)


 今は次の話数の執筆をしつつ、どういった展開に持ち込もうかと画策中です。苦労人も探索者も一種の世直しの旅路なので、今度の創生者も同様の流れとなるかと。問題はその内容なのですが、まだ不透明な状態が続いています><; まあ何時もの執筆は行き当たりバッタリで進めているので、何とかなるとは思います・・・多分(>∞<)

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