第1話 再度の召喚3 啓示と追放(キャラ名版)
大司祭「おお、すばらしい。勇者の称号ですな。」
過去の振り返りをしていると、方々から念話による補足が飛び交ってくる。あーでもない、こーでもない、と言った具合だ・・・。まあ俺自身の振り返りでは限界があるので、補足で挙げて貰うのは非常に大助かりだ。
そんな中、既にスキルの啓示が行われだしていた。始めは、少年少女グループの10人。先に他の9人が啓示を受けていたが、その中のリーダー格の少年が勇者のスキルを得たとの事だ。それに湧き上がる一同である。
と言うか、ベイヌディート事変時は個々人へのスキルの付与的なものだったのだが、今回は称号的なものになるようだ。それがどの様な効果を発揮するのかは分からないが、それなりの力量を発揮すると思われる。
それに、雰囲気的に年齢に即した啓示に近いのだろう。勇者や戦士などを踏まえれると、ゲーム的には下級職と言えてくる。まあそれでも、勇者の称号がかなりデカいだろうな。
大司祭「おお、こちらの方々は一括しておられる。剣闘士に魔闘士と珍しいものですな。」
今度は男女6人のグループが啓示を受けだした。剣闘士に魔闘士のスキルらしい。受けた面々を見ると、どうやら男性は剣闘士で女性は魔闘士になるようだ。これはスキルというよりはジョブこと職業の選定に近い。
確かに当時のベイヌディートだと、個々人のスキルのみが突飛していた。ジョブは個々人で千差万別となっていたので、より一層個性的な存在へと化けていた。かく言う俺も同様の感じだった。
対して、今回はジョブの選定となっている。これを推測するに、ジョブによりスキルを得る流れが異なってくると思われる。まあ俺の知識はゲームのものになるのだが、恐らくこの推測は当たっているだろう。
何にせよ、何も持たない地球人からすれば、ジョブの選定だけで超人的な力を発揮するのは言うまでもない。
大司祭「何と! こちらの方々は大勇者ではありませぬか! 他にも3大闘士たる、剣聖・拳聖・賢聖と・・・素晴らしい!」
続いては、4人の若者が啓示を受けだした。すると、その内容に驚愕しだす大司祭。周囲の面々もざわめきだしている。大勇者に剣聖・拳聖・賢聖の3大闘士との事だ。特に先程威嚇を受けた若者が大勇者の啓示を受けている。
俺としては聞いた事がないジョブだが、大司祭や取り巻きがざわめきだしている事から相当なものになるのだろう。同時に、この選定は4人が天狗になるのは言うまでもない。
事実、大勇者の啓示を受けた若者は、どうだと言わんばかりに将軍を睨んでいる。その力量次第では逆襲するかの様な雰囲気だ。将軍の方も危険を察知して、帯刀している剣を何時でも抜けるように手を置きだしている。何と言うか、テンプレのあるある的な展開だわ・・・。
ただ、マイナス面の雰囲気を持つ4人が過剰な力を持つのは危険過ぎる。それがどの様なマイナスの力を生み出すのか、俺としても警視しないといけない。
最後は、俺と見窄らしい女性と双子の幼子となる。ただ、歩くのが困難そうな女性を見て、サッとフォローをするのは通例的である。身内からは女性に優しくするのだと、何度も口煩く言われている成果だ。俺としても正しい行いだと確信している。
そして確信した。この女性と幼子達は病魔に冒されていると。しかもその度合いは、かなり危険な感じだ。ただ、今直ぐに病状が悪化しなさそうなので、今は成り行きに任せて動くしかない。相当ヤバい場合は、俺なりの力量を駆使するつもりだ。
女性と幼子達を支えつつ、大司祭の前へと歩み寄る。そんな中、既に“顕現化”を終えた3人が補足をしだした。目の前の大司祭や司祭共が、かなりのマイナス面を抱いている事に。
それが何なのかまでは今現在は分からない。だが、後々の火種になる事だけは痛感した。これも警護者所以の直感と洞察力がモノを言う感じであろうな。
大司祭「・・・こちらの4人は凡夫、ですか・・・。これはまた低俗的な・・・。」
女性と幼子達を支えつつ、俺達への啓示が始まる。すると、今まで歓喜に震えていた大司祭共が落胆の雰囲気を放ちだした。完全に侮蔑の目線を投げ掛けてくる。ジョブの内容は凡夫との事だった。
女性の方は啓示の内容よりも、相手からの侮蔑の目線に恐怖を感じている様子。幼子達の方はまだ意思が表示出来難いのだが、周囲の雰囲気を感じ取ったのか泣き出すではないか。そんな幼子達の頬を優しく撫でると、直ぐさま泣き止むのである。女性の方は俺が行った言動に驚いていた。
これに関してだが、俺が孤児院で培った必殺技的な力量だ。どんなに愚図ついた幼子でも、軽くあやせば直ぐに泣き止んだのだ。恩師や身内からは、天性の才能だと太鼓判を押されるに至っている。
それに言葉は悪いが今は好都合だろう。ここで幼子達が泣き出すと、間違いなく“カス共”から横槍が入る。それを阻止した意味合いでは、俺の存在が役立ったとも言えた。女性の方も一安心と言った感じである。
また、凡夫の啓示は非常に好都合でもある。下手に優良なジョブを受けようものなら、どの様な“悪態”を受けるか分かったものではない。この後の展開が十分読めるが、それはそれで非常に有難いと言うしかなかった。
大司祭「・・・国王よ、どうされますか?」
国王「・・・・・。」
大司祭の呼び掛けに、何やら思索を始めだす国王。こうなると最早、火を見るより明らかな展開しか浮かんで来ない。同様にそれを感じ取った女性も、幼子達を抱える手に力が入る。その彼女を支えるのではなく、守ろうと決意したのは言うまでもない。
国王「・・・既に優れたスキルを持つ者達がおる。この物共は役には立たぬだろう、追放だな。」
その発言に周囲は一段とざわめきだした。スキル主義とも言える世上と化しているのか、尤もとだと言う発言が飛び出してもいた。実に滑稽極まりない様相である。
召喚された他の面々は、その様相に黙るしかない様子だ。例の4人の若者すらも今は発言を控えている様子である。ただ、その目線は侮蔑を含んでいるのは言うまでもない。
一方的に召喚しておきながら、役に立たない啓示が現れたら追放とは・・・。各作品の追放モノと全く同じ展開になるが、腑が煮え繰り返りそうになってくるわ・・・。
第1話・4へ続く。
大司祭と国王しか喋っていないという。そして、ここ最近よく見る追放モノの流れと。まあ今回は苦労人でもあった各種のテンプレ的な流れをかなり入れるつもりなので、この手のイベントが多発すると思います(-∞-) それでも、既に苦労人・警護者・探索者・大艦長で仕立て上がった主人公群からすれば、何処吹く風ぞ、な感じでしょうか@@;
この後の展開は自ずと読めてくると思いますが、お付き合い下されれば幸いです><; 自分の中でも追放モノなどの作品を見て、介入したいという欲求に駆られた先がこの創生者の各イベントとなりますので><; 私利私欲的ですみませんm(_ _)m