第2話 世界の様相6 冒険者の登録と今後の流れ(通常版)
「・・・ようこそ、冒険者ギルドへ。如何様なご用ですか?」
受け付けにはすんなりと辿り着けた。カウンターには若い女性職員が笑顔でいる。ただ、先の俺達のやり取りを見たからか、何処か気が引いている感じに思えた。何ともだわ。
「冒険者登録を済ませたい。諸々の手続きをお願いしても良いだろうか?」
「・・・かしこまりました、少々お待ち下さい。」
受付嬢への対応はティルフィアが行ってくれた。と言うか、念話を通して自分にやらせろと言って聞かないからだ。これも俺達の知識を持つ故のものだろうか・・・。
そして、今度は怪訝そうにしながらも対応をする受付嬢。これは俺達への疑心ではなく、その力量を察知したためのものだと思われる。魔物娘四天王が放つオーラが正にそれになる。更に俺達の力量も察知したのだろう。それ故の言動だと推測ができた。
そこまでの力量を持つ者なら、既に冒険者登録をしていてもおかしくはない。そう考えるのが無難な感じだ。それなのに新規登録の流れを促したのだ、疑心を抱かれても何ら不思議ではない。
「お嬢様、ご質問があるのですが?」
「お・・お嬢・・・はい、何でしょうか?」
冒険者登録の手続きの準備をしている受付嬢。その彼女に対して、ティルネアが質問を投げ掛けた。彼女は生粋のお嬢様気質なので、相手に対してしっかりと敬語を使う。それが初対面の人物であれば尚更だ。
ただ、相手をお嬢様と挙げた事に対して、非常に驚いている受付嬢。言葉のアヤ的な感じではあるが、この場の雰囲気からその言動は似合わないのだろうな。まあ雰囲気ブレイカーなのは俺達の生き様なので、ここはこれでも良いと思う。
「こちらのリメナ様は大丈夫だと思われますが、双子の娘のライナ様とミイナ様も登録は可能でしょうか?」
「そちらのお子様を、ですか・・・。」
俺も思っていた懸念材料をティルネアが挙げてくれた。母のリメナは大丈夫だろうが、娘のライナとミイナは登録できるのかという点だ。案の定、困惑した表情を浮かべだす受付嬢。
「いえ、別段登録できなければそれで良いのです。一応お尋ねしたかったので。」
「は・・はぁ・・・そうでしたか。流石にお子様の登録はちょっと・・・。」
「了解しました。ありがとうございます。」
当然と言えば当然の返しか。幼子のライナとミイナは流石に冒険者に登録する事は不可能のようである。ただ何故双子をそうさせたかったのかは、薄々と感じ取った様子である。これに関しても、俺達の気質が尋常じゃない部分が理由となるだろう。
先の初見時の様相からして、これ程までの戦闘力を持つ面々なのだ。その中の幼子達なのだから、それなりの実力を持っていてもおかしくはない。まあ流石に年齢的な部分からしての断りでもあろう。地球でも一般的な各種登録は成人をしてからのものが多いしな。
まあもしもだが、ライナとミイナの戦闘力もとてつもないものだったら、それこそ周囲の冒険者達の度肝を抜くには十分過ぎるものになるだろう。有りそうで怖いのが何ともだが。
その後は各種の登録手続きを行った。各作品群である試験とかの類はなく、ただ登録自体を行うだけのようである。そう言えば、以前の異世界ベイヌディート事変でも、そういった登録だけで終わった感じではあった。
それに、冒険者に登録した後は、ランク付けの低下はないのも同じであった。最低ランクはHランクで、最高ランクはSランクとなる。異世界惑星の闘士都市ネーヴァレアで存在した、闘士ランクと同じ感じである。
ただし、ペナルティ項目がエゲつないぐらい多く、それらに違反した場合は相当な罰則を受けるのも健在だ。最悪は冒険者ライセンスの剥奪に始まり、指名手配となる感じである。受付嬢曰く、流石にそこまでの事態には至らないとの事ではある。
まあ今回の冒険者登録も暫定処置的なもので、各事変が終わればお役ご免となる。地球へと帰還するのもあるため、その場合は冒険者ライセンスは全く以て役に立たなくなるのだから。何ともまあな感じである。
ちなみにライセンスの登録料だが、登録自体は無料らしい。実にリーズナブルな感じだ。つまり、冒険者ライセンスは該当する年齢さえ満たしていれば、誰でも取得が可能との事。誰もが持てる身分証であり、地球で例えるなら免許証と同じ感じになる。
また、この冒険者ライセンスは世界共通との事だ。故に先の罰則による指名手配になった場合は、世界中にその名が知れ渡る事になる。何処ぞの秘境にでも隠れない限り、間違いなく御用となるのは目に見えているわな。
今回の登録は俺達全員が行う事になった。ライナとミイナの双子は不可能になるので、母親のリメナが登録する事になった。まあ彼女の戦闘力は殆どないため、これは一時的な登録に過ぎない。その分、俺達が頑張れば良いだけだしな。
ともあれ、これで金策への対応は実現した。後は何らかの依頼を受け持ち、それを達成する事ができれば報酬を得る事ができる。今はその繰り返しで資金群を稼ぐとしよう。
「さて、どうするか・・・。」
各々の冒険者登録を済ませて、同施設内の端側に屯する。壁の端にリメナ達を据え置き、その3人を俺達が囲う形になる。更にその外周では、魔物娘四天王が表側を向いて周囲の警戒をしてくれていた。
「とりあえず、暫くは様子見でしょうか。この手の流れだと、確実に何らかのイベントが発生するクチですし。」
「ですねぇ。」
「テンプレ的なイベントだわな。」
ミツキTが恒例的な展開が起こり得る事を警戒すべきだと挙げてくる。それにウンウン頷く周囲の面々。魔物娘四天王ですら、背面を向きながらも頷いていた。
過去の異世界惑星事変を踏まえれば、ここ異世界は俺達が具現化させた世界だと言える。つまり、そういった出来事が起こっても何らおかしくはない。むしろ、ほぼ確実に起こると思っておいた方がいいだろう。
逆を言えば、それを大いに期待している総意に呆れる部分もある。かく言う俺も、そうした出来事に期待しているクチなのが皮肉な話だ。
「それに、私達だけでは心許ないのもありますし。地球から増援を呼んだ方が良いと思います。」
「過剰な大戦力はパワーバランスを崩しかねませんが、今の王城群を踏まえるとある程度の力量は持っておいた方が良さそうですね。」
「複数の召喚者達を呼び寄せた手前、要らぬ考えに走るのが愚物共になるしな。」
今以上の増援を呼ぶべきだと挙げるティルフィア。そして、パワーバランスも重要であると挙げるティルネア。その理由は、先の王城での流れである。
地球から召喚された複数の人物達の力量は、間違いなくオーバードーズ的になっている。下手をしたら、今現在の大戦力は王城になるだろう。となれば、こちらもそれに見合うだけの戦力を持つべきである。
「攻めと守りと待機の3部隊を構築するか。それに、それなりの“乗り物”も必要だな。これに関してはスペシャリストのデュヴィジェさんに一任するわ。」
「お任せを。過剰過ぎない程度の戦力をお呼びしますよ。」
現状に対しての追加戦力に関しては、デュヴィジェに一任した方が良い。彼女の先見性ある目は非常に助かっている。流石に今回は隠し事はないとは思うが、内に何を潜めているのか分からないのが宇宙種族組だ。何ともと言うしかない。
まあでも、全ては総意を守るための戦いに帰結してくる。その道中に関しては、色々な流れがあっても良いだろう。その流れを経て俺達の方も力を付けるに至るのだから。実に皮肉な話である。
第2話・7へ続く。
色々な作品でも発生する、冒険者への登録。これは苦労人と探索者、そして創生者でも発生した感じでしょう。スタンダードなイベントとも(ー∞ー) まあここで各イベントが起こるのですが、実際にはその相手が超強者であれば発生しないかも知れません。覆面シリーズは初回の苦労人ですら、主人公のミスターT君はチート状態で異世界へと召喚されましたので><; そこから各事変を経て総意は凄まじいまでにパワーアップを繰り返していますし・・・。
ともあれ、覆面シリーズの本題は、一個人が太刀打ちできないぐらいのヤバい展開を、総意の力を以て覆すという感じになりますので。今後もラストに向けて着実に進んで行こうと思います@@b 創生者の旅路はまだまだ始まったばかりですからね。頑張らねば(=∞=)




