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第1話 再度の召喚6 愚物共の本音(キャラ名版)

ティルネア「分かりました。では、リメナ様・ライナ様・ミイナ様。貴方様方には、世上の世直しを行って下さい。」

リメナ「よ・・世直し、ですか・・・。」

ティルネア「そう身構えなくても大丈夫ですよ。世直しは建前的です。実際には世上を見て、その全てを体感なさって下さい。」


 案の定の展開になった。ティルネアより挙げられた内容は、母娘に世上の世直しを担えと言うものだった。それに心から驚いているリメナ。


 何故そう感じたのかは言うまでもない。生粋のヲタク気質であるのと、創生者のティルネアに隠し事ができないのを感じ取ったからだ。ここまで超常的な事が立て続けに起これば、そう思わざろう得ない。


 それに、既に善心を持つ母娘故に、念話力にてその内情が痛烈なまでに伝わってきた。全く心に壁を作らない状態である。純粋無垢故に至る感じだ。


ティルフィア「何、心配なさるな。こちらの御仁“覆面の風来坊”が貴方達を厳守する。創生者とはその役割だ。」

ミスターT「・・・はぁ。」


 ティルフィアが口を開く。語られた内容は、リメナ達を厳守するのは俺であると。それが創生者の役割だと挙げてきた。徐に彼女の方を見ると、その表情は幾分かニヤケが出ている。何と言うか、面白そうに役割を演じている感じだわ・・・。


ミデルバ「私達も陰ながら見守り続けます。貴方様方に全てを押し付ける事は致しません。」


 今度はミデルバが口を開いた。俺達に他力本願はしないと挙げてくる。率先垂範で行動を見守ると言った感じである。


 まあそうだろう。本音としては、再び訪れた異世界を満喫したいと思っている。念話力にてそれが伝わるぐらいなのだから・・・。何ともまあ・・・。


 もしもだが、こうして3人が降臨しなかった場合を考えるとゾッとする。特に母娘の方は病魔に苛まれていた。あの様子を窺うと、恐らく死去寸前であったに違いない。現に母親の表情が先と今とではまるで違う。


 幼子達の方は言うまでもない。純粋無垢に生きる故に、身体全体で内情を表現している。喜怒哀楽が率直に現れていると言えた。それこそが幼子の特権でもあるが。それに、会話ができないため、喜怒哀楽を前面に出して訴えねば倒れてしまう。


 母娘が辿ってきた境遇は分からないが、こうして不思議と出逢ったのだ。ならば、今後は3人を厳守し続けよう。それが今の俺の生き様である。


 徐に一服したい衝動に駆られるが思い留まった。幼子達にとって喫煙は危険極まりない。離れて喫煙するのが無難であるため、今は我慢するしかない。一区切り付きたい時の俺のクセである・・・。



ミスターT「さて・・・うちらはうちらで動くとするか。」

リメナ「了解しました!」


 すっかり俺の胸の中が気に入ったようで、穏やかな表情を浮かべている幼子達。それを見て笑顔を浮かべるリメナ。先程までは初対面故に、覆仮面の男に警戒心を抱いていた。だが、今は完全に信用し切ってくれている。ライナとミイナが太鼓判を押してくれた形である。


 そんなリメナに対して、行動を開始しようと挙げてみる。すると何と敬礼しながら応じてくれるではないか。その仕草をみて、地球で活躍中の警察庁長官の2人が脳裏を過ぎった。リメナは言動のクセが彼女達に非常に似ているのだ。


 ただこれに関しては、恐らく今の環境がそうさせているのだろう。今し方の病魔の完全治癒から啓示に至るそれだ。そして、周囲の様相が拍車を掛けている。追放という裁定を下されたのもあるしな。


 徐に周囲を見渡すが、同じく召喚された地球人達は沈黙の状態である。現地の“愚物共”は今も呆気に取られているのが何とも言い難い。それだけ三女神の降臨は強烈過ぎたようだ。




大司祭「お・・お待ち下さい!」


 大広間から表側に出る道を探り出すと、直ぐさま待ったの声が掛かった。こちらも予測していた通りの展開である。サッと俺達の周りに集まりだしてきた。


 その面々に対して、ティルネア・ティルフィア・ミデルバが警戒心を強めていく。先程の流れを踏まえれば、心を許せる存在ではないのは百も承知だ。


大司祭「こ・・これ程の啓示を受けられたのです。こちらで最大限のご助力を致しますから、何卒留まって下さい。」

ミスターT「ふむ・・・。」


 明らかにこちらを囲おうとする魂胆が丸見えである。特に幼子達への視線が不気味な感じに見えてくる。各作品の展開を踏まえれば、幼子を保護する立て前がそれであろう。


 しかし、先程“愚王”の方は何と言ったのか。傍らのリメナは見事なまでに怒り心頭の表情を浮かべている。更に見事なのがライナとミイナだ。まだ言葉は発する事ができないが、その雰囲気は相手に間違いなくNOを突き付けている。となれば、3人の思いを汲むしかない。


 左腕でライナとミイナを抱えつつ、右手でコートの襟部分を弄る。すると、そこから先程の会話の大事な部分が流れ出してきた。潜入捜査用に仕込んでいた小型のボイスレコーダーだ。


国王(・・・既に優れたスキルを持つ者達がおる。この物共は役には立たぬだろう、追放だな。)


 かなりの音量で愚王の言葉が放たれる。それに周囲は騒然としだした。不思議な事に、胸の中の幼子達は愚図る事なく落ち着いている。実に見事な肝っ玉の据わりだわ・・・。


ミスターT「な? 既に裁定は下されている。お前さんはヘッドがそう言ったのを覆すのか?」

大司祭「な・・なな・・・。」


 何ともまあ、であろうか。何にせよ、こちらは決定的な証拠を抑えている。覆すにせよ、俺達の方は相手への信用は既にない。傍らのリメナも同様のようで、何時でも動けるように臨戦体勢に至っている。驚く事に彼女は護身術を身に着けている様子だ。


ミスターT「それに、お前さん達は大戦力を得たではないか。一介の凡夫達など気にせず、啓示を受けた面々を大いに活用した方がいい。」

ティルフィア「そうだな。狡賢いカス共は必要はない。これ以上の介入は、我ら“戦烈の三女神”が黙ってはいない。」


 徐に歩み寄るティルフィア。そう歩み寄る、である。しかも態とらしく足音もさせている。ティルネアが秘技、肉体の具現化。それを行い、精神体から肉体を持つ身体へと化けている。顕著なのが肉声だ。


 今し方の啓示の際は、3人とも精神体故に念話を拡張した感じのものだった。しかし今のティルフィアの声色は、声帯から発せられるものである。完全なる受肉と言っていい。これを編み出したティルネアは、文字通りの創生者と言えてくる。


 すると、その思いに対して念話で補足を入れてくる彼女。これもデュネセア一族の力量の1つであると。何と言うか、見事と言うしかないわ・・・。


 完全なる拒絶を言い渡す俺達。それを聞いた大司祭共はシドロモドロ状態である。そこに歩み寄るは国王と宰相だ。将軍の方は思う所があるのか、今も動きを見せてこない。


国王「本当に良いのだな?」

ミスターT「・・・と、言うと?」

国王「お主達が拒絶するのであれば、今後一切の支援は行わない。」

宰相「国内にお触れを出せば、貴方達は活動する事などできませんよ。」


 完全に威圧的な発言である。今は穏便に済ませているのだと言わんばかりだわ。と言うか、他の召喚者達の前でこれを行うのは如何なものか・・・。


 まあでも、大司祭から超絶的な啓示を受けている手前、逆らう事はできなさそうである。特に若者4人はその雰囲気が色濃く出ていた。


 この高圧的な行為は、完全に俺達4人に向けてのものだと断言できる。下手をしたら、女神3人組にすら当てはまると言えるだろう。恐れ多い事この上ない。


    第1話・7へ続く。

 2つ目の定石的な流れ、と。悪党共が劣勢になると、持ち出すのは権力と言う名の暴力とも。リアルでもファンタジーでも、この流れは全く以て変わりませんね・・・。だからこそ、次話での痛烈なまでの竹箆返しが待ち構えているのですが(-∞-) これも他の創生者たる皆様方の作品を拝見させて頂き、その都度思った“マジモノで覆したい”という部分からの具現化です。私利私欲的ですみません><;


 ともあれ、探索者でもそうでしたが、今回の創生者もこの手のイベントは小さなものでしかありません。最終的な部分はドデカい展開が待ち構えていますので。そちらがメインとなれば、この手の出来事は些細なものだと思わざろう得ません。物語のスパイス的な感じでしょうかね。何ともまあ・・・(-∞-)

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