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【第2部開始】ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜  作者: 月森 かれん
第2部 始祖竜編

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第46話 ブルードラゴンの住処へ

 フィデスの提案で、ブルードラゴンの住処まで案内してくれることになり、

私は群れの中で一番大きいスノウウルフの背中に乗せてもらっていた。


 「思ったよりモフモフ〜っ!!」


 雪山なので毛は湿っているけれど、手袋を通しても柔らかさが伝わってくる。

 歩みに合わせて左右に揺れるけどほんのりと温かくて、ずっと乗っていたら眠ってしまいそうだ。

 すると、私の隣を進んでいる少し小さめのスノウウルフに乗せてもらっているフィデスが口を開く。


 『自分達は身だしなみには気をつけている。1日に2回は毛づくろいをしろと。狼は気品も高い故』


 「そうなんだ……」


 『毛づくろいなんて大変だろ。かなり時間かかるんじゃねぇのか?』


 相変わらず私の肩に乗っているラディウスが、不機嫌そうに口を挟んだ。 


 『確かにそうだが、先ほども言った通り狼は気品あるモンスターなのだ。

それに、毛づくろいは苦ではない。

 ラディウス殿は毛づくろいをしないのか?』


 『俺!?……あー、俺は……7日に1回ぐらいしてたかな……』


 『そうか』


 ラディウス達の会話を聞いていた私は、呆れて目を細くした。

だって、ラディウスが7日に1回毛づくろいをしていたなんて性格からして考えられないからだ。たぶん「めんどくせぇ」とか言って放置するタイプ。

 

 「あのー、フィデスー?たぶんラディウス、嘘ついてるよ」


 『なんと!?』


 『言うなよっ!?せっかく隠し通せると思ったのに!』


 「嘘つくラディウスが悪いんじゃん」


 ムッとして言う私にラディウスは何度も飛び跳ねる。


 『そこは察してくれよ!?俺の努力が無駄になったじゃねぇか!』


 『まあまあ。ラディウス殿はドラゴンだろう?

鱗がある故、大変だろうからな』


 「えっ?ラディウスがドラゴンだって知ってたの?」


 思わず叫ぶとフィデスは肯定するように跳ねた。


 『ああ。ラディウス殿のぬいぐるみは翼はないが、手足の先が少しギザギザしているからそれは爪だろう?尻尾もあるし』


 『よく見てるな……』


 『リーダー故の癖なのだ。相手の情報を集めて仲間に指示を出さなければいけないからな』


 「フィデスってドラゴンは怖くないの?」


 尋ねるとフィデスは少し考える。


 『怖くはない、といえば嘘にはなるが、逃げ出したくなるほどではないな。まぁ、相性はあまり良くないが……』


 「へ〜」


 ラディウスとワイバーン達もそうだったし、魔物社会にも階級があるのだろう。

もう少し聞きたかったけど言葉をのみこんだ。


 

 スノウウルフ達は雪道を難なく進んでゆく。



 やがて、山の頂上に辿り着いた。

 今までよりも一段と吹雪が吹きつけて、ヒュウヒュウと音がする。

私達以外には何もなくシーンとしていて、少し不気味に思った。  

 近くには大きな洞穴があって、奥から不気味な唸り声のようなものが聞こえる。たぶんブルードラゴンのだろう。

その前でスノウウルフ達は足を止めた。


 『すまぬな、シーラ殿。自分達が案内できるのはここまでだ』


 「やっぱり怖い?」


 『ああ。

 相手が襲いかかってくるわけではないのだが、体の大きさが違う故、

どうしても恐怖を覚えてしまうのだ。牙や爪も比べものにならないからな』


 フィデスの言うこともわかる。

ブルードラゴンはラディウスの本体と同じくらい大きいだろうし、実際見たら震え上がるかもしれない。

 でも、私はラディウスの住処で話した明るい印象が強かった。


 「でも話せばわかるよね?私、少しだけ話したことあるんだけど、

とても明るいお兄さん、みたいな感じだったし」


 『そ、そうなのか……。自分は会話する前に去るからな。

まぁ、敵意がないことはわかるが……』


 フィデスは信じられないのか、声が少し震えていた。

そんな彼を元気ずけるように、スノウウルフ達がフィデスを鼻でつついている。


 「じゃあ、私達行ってくるね。

フィデス達は帰る?」


 『いや、自分達は待っておこう。

下山するのだろう?』


 「そうだけど……いいの?」


 『ああ。自分等はまた集まれたことが嬉しいのだ。

下山までお供させてもらおう』


 「ありがとう!フィデス!スノウウルフ達もね!」


 彼等にお礼を言うと、応えるように吠えたり尻尾を振ったりしてくれる。


 「行ってきま〜す!」


 『この辺雪深いからな!?転ばないでくれよ!?』


 ラディウスの声が耳に大きく響く。

それでも私は元気よく言って、ブルードラゴンが居るであろう洞穴に足を踏み入れた。

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