表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第2部開始】ぬいぐるみばかり作っていたら実家を追い出された件〜だけど作ったぬいぐるみが意志を持ったので何も不自由してません〜  作者: 月森 かれん
第2部 始祖竜編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/49

第39話 ブラウア大陸に向けて①

 しばらく歩いて、ようやくコルタルに辿り着いた。

 テネルの仲間を迎えに行った時にも港の様子が見えたけど、

相変わらず人通りが多くて賑やかだ。 


 「賑やかだとこっちの気分も明るくなるね、ラディウス」


 『…………』


 「ラディウス?」


 もう1度声をかけてみたけど、やっぱり反応がなかった。

まだ、さっきのスライムベトベト攻撃を引きずってるのかもしれない。

 不安だったけど立ち止まるわけにもいかないので、そのまま船を目指すことにした。


 石畳の通りを歩いて奥へ進むと、桟橋が見えた。

そのすぐ側に、見慣れてきた船が水面に合わせて揺れている。


 いつも通りお金を用意して桟橋の列に並んだ。今日は空いているみたいで、私の後ろには誰も並ばない。

 順番が来ると顔見知りになった桟橋のお兄さんが笑いかけてくる。


 「よう、嬢ちゃん。最近よく乗るな」


 「用事が多くなったので。……銅貨5枚でしたよね?」


 「ああ」


 お兄さんに銅貨5枚を渡すと、いつも通りナイフで軽く削ってから首を縦に振った。


 「いいぜ、乗んな。

 まぁ、嬢ちゃんは偽装なんてしないとは思うが」


 「するつもりはないですよ。

 ところで……1つ聞いてもいいですか?」


 念の為、後ろに人が並んでいないかを確認してから声をかける。

お兄さんは不思議そうに目を細めた。


 「おう、どうした?」


 「ブラウア大陸ってどうやって行くんですか?」


 「ブラウア大陸ぅ!?…………悪い、思わず大声出しちまった。

しかしなんでまたそんな所に……。ヴァイスア大陸の真反対じゃねぇか」


 お兄さんはジェイドさんと同じ反応をすると、バツが悪そうに頭をかいた。


 「用事があって……」


 「あー、俺が話してもいいんだが、出航まで少し時間がある。

先に船に乗って、船長にでも聞いてくれ」


 「わかりました。ありがとうございます!」


 お礼を言ってから船に乗り、船長さんの姿を探す。

彼は船の先頭に腕を組んで立っていた。


 「船長さ〜ん!」


 「よう、おてんば嬢ちゃんじゃねぇか!」


 「おてんば……」


 まだ初回の騒動のイメージを引きずっているのか、船長さんがニヤニヤしながら声をかけてくる。

 間違ってはいないけど、少し恥ずかしくなった。


 「最近よく乗るなぁ!家出か?」


 「いいえ。少し忙しくなってきたんです。

ところで、1つ聞いてもいいですか?」


 「ん?」


 「ブラウア大陸ってどうやって行くんですか?」


 「ブラウア大陸ぅっ!?」


 船長さんは桟橋のお兄さんと全く同じ反応を示すと、魚みたいに口をパクパクさせた。

口元にある立派ヒゲまでしおれているように見える。


 『やっぱブラウア大陸行くの、よっぽど珍しいんだな』


 ラディウスが呆れたような声で口を挟む。

コルタルについてから一言も喋っていなかったので、少し安心した。


 「桟橋のお兄さんも同じ反応しました」


 「あ、あぁ……トーマもか。っていや、そんなことはどうでもいい。

 ブラウアはロートアで船を乗り換えなきゃ行けねぇぞ。

ロートアまでは俺達の船だが、そこからブラウアまでは別の船団だ」


 「な、なるほど。船団で担当海域が決まってるんですね」


 実は貴族の常識を頭に詰め込んでいた時に、息抜きとしてロイヤーさんから世界についていろいろ教えてもらっていた。

なんでも、貴族の家庭教師になる前は各地を旅していたらしい。

それで海には「海域」という区分があることを知った。 


 「そりゃあそうだ。

1船団で全域回ってたら、時間がいくらあっても足りねぇ。

まぁ、どこもおおらかな雰囲気だけどよ」


 「とりあえずロートア大陸まで乗ってたらいいんですね?」


 「とりあえずはな。

だが1回クラルハイトで降りて、また乗船料払ってもらうからな。銀貨2枚」 


 「わかりましたっ!」


 元気よく返事をすると、船長さんは負けじと豪快に笑った。


 「ナーッハッハ!!それでこそ海の女だ!!」


 「海の女になるつもりはないんですけど……」


 「例えだ例え!!ハッハッハ!!」


 船長さんの笑い声を聞いていると、胸の不安が小さくなってくる。

すると、そこへ桟橋のお兄さん――トーマさんがやって来た。


 「船長、時間だ」


 「よーし!!それじゃあ行くかぁ!!」


 船長さんの号令で、船が進み始める。

興奮で少し胸が高鳴ってきた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ