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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵


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人海戦術

「はあ、俺の願いが叶うのはいつなんだ...」

「悲痛な声を漏らされていかがなさいましたか?ノア様」

「人探しが思ったようにいかないからだ」


 ノア様の命の恩人は未だに手がかりすた掴むことができないようです。お兄様も時間がある時は(騎士団に迎え入れるため位に)探してくださっていますがそちらでもめぼしい方は見つかっていないと仰っていました。

 私もぜひお会いして体術や武器を使った戦闘のお話についてお聞きしたいのですが、見つからないとなるとこの希望を叶えるには先のことになりそうです。


「どうしても叶えたいのであれば、文字に起こしてみるのはいかがでしょう?」

「文字に?」

「ええ。学園祭の時に用意される樹木に願いを結ぶと叶うと言い伝えがあります。そちらをお試しになってみては?」

「ふふ、随分とロマンチックなお話をされていますね」

「アウロラ様、ごきげんよう」

「ごきげんよう、アレクサンドラ様、ノア様」


 アウロラ様はクラスでの話し合いが終わり次第合流される予定でした、随分と長引いたのでしょう。席に座られたのでお茶を勧めます。


「アレクサンドラ様は願いを結んだことがありまして?」

「いえ、ありませんわ。お兄様に伺ったごとがあるのです」

「それも意外だわ、あ、ごめんなさい、悪い意味ではなくて、殿方はお結びになる方が少ないと聞いていましたので」

「確かに、兄も願いはご自身で叶えたいと思われるでしょうが、その時ばかりは結びたく思ったらしいです」

「どのようなお願いだったのかしら?」

「教えてくださりませんでしたわ」


 何度お聞きしてもはぐらかされました。きっと話しづらいことでもあったのでしょう。


「ノア様はどのようなことを結ばれるおつもりですか?」

「結ぶかどうかは別として、人探しをしていてな」

「人探し、もしかして想い人でもおられるにですか?」

「想い人ではなく、恩人だ」


 アウロラ様は輝かせた目を真剣なものへと変えました。


「アレクサンドラ嬢やその兄君にも協力してもらっているのだが、なかなか見つからなくてな」

「なるほど、私も何か力になれればよいのですが、」

「弓がお上手な少年だったそうなのですが、何かご存知でしょうか?」

「弓、ね。殿方は狩りに参加されていて女性たちはお茶をしていたものですからお見かけした記憶はございませんわ」

「そうか...」

「よろしければお知り合いの方々にも尋ねてみますわ。どなたか印象に残っているかもしれません」

「よろしく頼む、俺もアレクサンドラ嬢も友人が多い方ではないからな」

「ええ、わかりましたわ」


 友人が少ないことは否定できません。昔からですが。それにしても、交友関係のお広いアウロラ様が協力してくれるのであれば進展しそうな気がします。

 いくつかの情報を伝え、早速お願いいたしました。私達も私たちなりにやるべきことをしますが。


「できるのであれば、ノア様の記憶を直接拝見することができましたら楽なのですけれどね」

「それができれば苦労はしないが、アレクサンドラ嬢はどう思う?」

「可能か不可能か問われましたら可能なのですが、」

「できるのか!?」

「冗談で言ったのだけれど。」

「ただ、使用するにはそれなりのリスクが必要だと思います」


 その手の魔術具を作成することは可能です。ただ、使用する際にはいくつか注意する点があるでしょう。古代においては罪人の記憶を探るために用いられたものですから使用する側はそれなりの精神力がお求められます。


「リスクを聞いてもいいか?」

「主に、魔力消費、精神的苦痛、脳への負担が考えられます」

「そんなに危険なものなのか」

「いや、そうでもないぞ」


 声の方向へ目を向けると魔王様が立っています。こちらへ来られるという連絡はなかったはずですが。


「学園祭の時に光る魔術具を貸し出すことになってな、その話をしに来ていたのだ」


 私の疑問に察したようにそう仰りました。魔界の魔術具は安全かつ高品質ということで人気が出てきました。しかし、一部ではまだ蔑みの対象となっているようです。そのイメージを払拭すべく、貸し出しをすることとなったそうです。


「記憶を除く魔術具とは面白い話をしておるな」

「ご存知ですか?」

「ああ。魔界では使われているからな。最近は改良されて脳への負担を減らしておる」

「貸していただくことはできないだろうか?」

「難しいな」

「そ、そうか」

「だが、アレックスならばできるだろう?」

「まさか、私に制作するよう仰っていますか?」

「可能であろう?素材は融通しよう、何が欲しい?」

「所持している者で再現は可能ですわ」

「ではでき次第、見せに来るように」

「わかりましたわ。魔王様も人探しに協力してくださいね」

「な、」

「私に無茶ぶりをなさるのですもの。もちろん、ご協力願えますわよね?」

「わ、わかった。できるだけ協力しよう」


 魔王様との交渉に若干引いたような視線を浴びているような気がしますが、気にしません。人海戦術はそれなりに有効な手段ですから

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