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友人に絶交宣言をされたので、本来の自分が戻ってきました  作者: 葵


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慰労会

 オスクリタ曰く、外交自体は上手くいったと仰っていました。外交パーティーの場において魔族の潔白と危険性が特にないことをアピールできたことが良かったそうです。


「あのときに仕事が入っていなければ...」


 お兄様は恨み言のようにそう呟かれています。オスクリタが困った顔をされるので直ちにやめていただきたいところですが。


「お兄様、お茶の席でそのような暗い表情は止めてくださいませ」

「アレックスはオスクリタと踊ったのだろう?」


 私が注意をしても拗ねてしまいますしどうしましょう。


「僕も、姉上とオスクリタ様の踊りを見たかったです」

「テオはまだ参加できる年齢ではありませんでしたからね。魔界との交流が活発になれば目にする機会は多くなると思いますわ」

「では、僕が参加できる年齢まで待つのが楽しみになりました」


 なんていい子なのでしょう。私はテオの頭を撫でてお皿に1つケーキを乗せました。


「お兄様もテオを見習ってくださいませ。オスクリタも困っていましたわ」

「ぐ、まあ、そうだな、交流が活発になれば会う機会も増えることだろうしな」

「その通りですわ。それに、オスクリタは今、視察を頑張っていらっしゃります。戻ってきたら労うための準備をしなければなりません。お兄様がその調子では準備が進みませんわ」

「す、すまぬ」


 夕方までにやるべきことは多くあるのです。そろそろ注文していた花も届くでしょうし、オスクリタが好まれているお茶やスイーツの準備もあります。


「それにしても、皆が口々に話す魔王とオスクリタ様はかなり違いますね」

「テオはどう思われました?」

「とても優しくて温かい方でした」

「温かい?まさか、オスクリタと触れ合ったというのか?」


 お兄様はどうやらオスクリタが関係すると知能が著しく下がる場合があるようです。テオも怖がっているというのに。


「お兄様、今すぐ氷で頭をお冷し致しましょうか?もしくは、泉で心身を清められますか?」

「あ、いや、すまない」


 世間を騒がせている憧れの騎士団長、らしいのですがそうは見えません。やはり、世の乙女たちは見目の良い殿方に夢を見過ぎている節があるような気がしてなりません。


「姉上、お出しするお茶はこのような感じでよろしいですか?」

「ええ、とてもきれいにできていますよ」


 カップの中に花を咲かす簡単なものですが、きっと喜んでくれることでしょう。お兄様はというと、手はきちんと動かせているようですね。私も早く仕上げなければなりません。


「オスクリタ様が戻られました」


 執事の一言により出迎えるために玄関へと移動します。


「オスクリタ、おかえりなさい」

「アレックス、聞いてほしいことがたくさんあるの」

「ええ、その前に荷物を置きましょう」

「あ、そうね」


 少し恥ずかしそうにオスクリタは荷物を置きに向かわれました。

 私達はその間に部屋の最終確認を済ませます。この部屋に案内するのは食後ですが、今から楽しみです。


「お茶会だなんて、あまり経験がないのだけれど、」

「そう肩に力を入れずに楽しんでください、皆で準備しましたのよ」

「わあ、すごい...」


 まず部屋に入ると目を引くのは綺麗に飾り付けられた花々です。机だけでなく、壁や天井にも飾り付けられています。本来ならば温室で行いたかったところですが、生憎改装中のため、部屋を温室風に飾り付けることとなりました。


「オスクリタ様、こちらをどうぞ」


 席へ着くとテオが緊張しながらお茶を出します。


「すごくきれいね」

「今日は外交を頑張ったオスクリタのために労いの意味を込めて様々なものをご用意いたしましたわ。ぜひ、肩の力を抜いて楽しんでください」

「アレックス、リック、テオ、本当にありがとう」


 あまりの嬉しさに涙ぐんでしまわれました。お兄様、嬉しそうな顔をされる前にハンカチをお渡しくださいませ。


「オスクリタ様、こちらをお使いください」

「テオ、ありがとう」

「い、いえ、僕は立派な紳士なので」

「貴女は将来素敵な紳士になるでしょうね」

「はい!」


 オスクリタはテオのことを気に入ったようで多くの質問に答えています。テオも、魔法や魔術に詳しいオスクリタのお話を聞くことはとても楽しいようです。

 お兄様がしょげてしまわれましたが、オスクリタとテオの組み合わせはとても和みます、長い間眺めていたい気分です。

 その様子を見て嬉しそうな拗ねたようなお兄様を宥めながら私もこの時を楽しみました。

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